昭和の頃の思い出。

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2019/04/13 「昭和の頃の思い出。」 分類: コラム的な
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僕がビデオデッキを手に入れたのは高校生の頃だった。
オタクの友人から情報を仕入れ中古のデッキやジャンク品を漁って修理したりでベータ規格のビデオデッキを手に入れた。

折りしも世間でレンタルビデオ屋がブームだった頃で、アニメブームは下火になりつつあったが中古ビデオデッキを手に入れた事は大きかった。これでオンエア時にテレビに張り付いていなくても良くなったのだ。

実際にはベータのビデオデッキはあまり使わなかった。
基本的に市販のビデオデッキでは「ベータ1」という高画質モードで録画する事が出来ず、VHSで言う3倍録画に近い「ベータ3」で録画すると音声の劣化が酷かった。ビデオテープもVHSに比べて高価で、録画ヘッドの故障率が異様に高かった。古参オタクは口を揃えて「ビデオはベータ録画が一番」などと言うが、僕はベータデッキはろくに録画も出来ない機械という印象しかない。社会人になってVHSを3台買った。シャープのビデオデッキはコマ送りが優秀で、アニメの作画を1コマずつチェックして楽しんだ。

---

僕の父は既に故人だが、生前は物凄く怖い人だった。
父の怒鳴り声に抗える人など誰もいないし、言い訳など頑として通用しない。なので僕は幼少の頃から父の前で無邪気に調子に乗るような事もできず、恥ずかしながら30代の後半あたりまで父に怯えていた。正直ヤクザより怖い存在だった(笑)。

そんな父が休日のある日、高校生だった僕がビデオデッキを入手した事に興味を持ったらしく、普段は来ない僕の部屋に来た。
そして父は「小遣いやるからビデオ借りて来い」と言った。
「どんな映画を借りてくればいいの?」
「…わかるだろ?」
(ぜ…全然わからない…(汗))

僕は恐怖の存在である父の意図する事が皆目わからないままレンタルビデオ店に赴き、悩みに悩んで「僕がオススメできる、父も楽しめそうな映画」を何本か借りた。アクション映画を軸に、たしか川尻善昭のOVAアニメ「魔界都市『新宿』」などもチョイスした筈だ。

「とりあえず適当に見繕ってきたよ」と父にビデオを見せたがリアクションが薄かった。
まずはマッドハウスの超絶アクション作画の「魔界都市『新宿』」を見せてみた。なにしろ恩田尚之が作画監督で川尻善昭のスタイリッシュアクションが描かれているOVAだ。作画のゆがみなど一切無い。原作は菊池秀行で、舞台は現実の東京がモチーフだ。テレビアニメより格段に対象年齢高めのダークでクールなアニメだ。普段アニメを見ない人なら「こんなに凄いアニメがあったのか!」と驚く筈だ。

しかし父は冒頭の戦闘シーンからリラックスモード、中盤に差し掛かる前に居眠りを始めてしまった。
高校生だった僕は困惑した。恐ろしい父ではあるが折角の機会なので僕のオススメ作品を楽しんで欲しかった。しかし父の関心を引く事も無く、結果は寝落ちなのだ。

僕が「…あ!あの時父はアダルティーなビデオを御所望していたのか!!」と気付いたのは数年後の事である(笑)。

---

父とは後々映画などの話題で会話する事があったし、僕がアニメ好きである事も理解していたと思う。
しかし高校生の頃の僕はOVA「魔界都市『新宿』」の凄さがアニメを見ない大人に伝わらなかった意味が理解できなかった。いまならその理由を色々な角度から語る事が出来るが、要するに僕と相手のアニメの価値観が違ったのだ。

アダルティーな動画に限らず、猫動画ならいつでも繰り返し何度でも観ていられるという人もいるし、騒々しいアクション映画が苦手だが環境ビデオは好きという人もいる。不朽の名作が万人向けとは限らないし、凡作が大ヒットする事も多々ある。同じアニメファンでも趣味性や価値観が一致する人は案外少ないものであろう。高校生の頃の僕はそれに気付けなかった。

この経験は僕がレビューする時にしばしば思い出す事で、趣味や価値観が同じ相手なら「とりあえず観とけ!」の一言で済む作品でも、そうではない相手がいる事をできるだけ意識して語るようにしている。(実際に出来ているかどうかは別ですけどw)

または僕がレビューという「自分が作品を見て感じた事を人に伝える事」を意識した最初だったとも言える。
何故自分はその作品を面白いと思ったりつまらないと思ったりしたのか?という事を自分自身が理解出来ていないと誰かに説明も出来ない。そして案外と自分の事を一番理解出来ていないのは自分自身だったりするのだ。自分の事を知っているつもり・知ったかぶりをして考える事を怠ると、好きな作品の説明も伝わらないものになってしまうかもしれない。

父とのエピソードは僕の失敗談でもあるのですが、その失敗を糧にできたらいいなぁという思いは常に心の片隅にあります。

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bit さんのコメント (2019/04/14) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
>十傑集さん
コメントどうもです~。

当時のレンタル店ってチェーン店ではなく個人経営が多かったので、まぁ度胸があれば(笑)借りる事は出来たかもしれません。またそういった意図とわかっていればせめて美人女優の活躍する映画をチョイス出来たので、やはり僕が相手の求めるものを理解できなかった事が失敗だったと考えています。

レンタル店やDVD機器を使いたがらない御年配の方はかなり多いと思います。多分ですが「映画を観たいのであって、機械を操作したいわけじゃない」という根本的な理由だと思います。僕の母もテレビや携帯などは使いこなしているのですが、他の家電は全く使い方を覚えようとしません…。
逆に最近はPCやネットを使いこなすご老人も増えているようで、ネット対戦で囲碁を楽しんだり、ネット通販を活用して最新デジタルガジェット買ったり、ネットニュースをプリントアウトしてネットやっていない仲間にコピーして配っているご老人も見かけます。逆に「電子レンジは栄養が壊れるから使わない」というご年配も多いようですから、世代に関わらず人それぞれなのでしょうねぇ。
十傑集 さんのコメント (2019/04/14) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
>「…あ!あの時父はアダルティーなビデオを御所望していたのか!!」
そういうのを高校生に借りてこさせようとするのは、どうなんでしょうね。…という理屈も多分、通じませんか。
ちなみに私の父は映画館世代なので私が小学生の頃にビデオデッキを購入するも使い方を覚えるのは息子ばかり。
レンタルや録画で観る習慣はついぞ身につかず衛星チューナーを設置こそすれ
DVDプレーヤーやHDDは全く購入しない生活を送っています。


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