脚本家・上原正三氏を偲ぶ

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2020/01/10 「脚本家・上原正三氏を偲ぶ」 分類: 特撮
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既に何名かの論客諸氏が話題に取り上げていますが本年1月2日、
昭和期の円谷プロ作品や東映特撮作品、及び東映ロボットアニメなどに
メインライターとして数多く携わった名脚本家・上原正三氏が82歳で亡くなられました。
亡くなる8日前まで沖縄・首里城消失事故についてのインタビュー取材を受けていたとの事で、
文字通り「突然」の訃報であった事を思うと、悔しさが一層募りますね。

若い世代や特撮モノを観ない方々には馴染みが薄い名前なのかも知れませんし、
実際に一般紙に於ける報道でも「一文化人に対するお悔やみ」程度で扱われていますが、
誰しもが幼少時に一度は目にした事が有るであろう超メジャー作品を数多く手掛けている事も有って、
氏の影響を受けた後輩脚本家のTwitterなどでは急逝を惜しむ声が相次いでいます。
自分が確認しただけでも會川昇・小中千昭・長谷川圭一・太田愛・早瀬マサト・開田裕治・西川伸司…と、
錚々たる顔触れの作家諸氏が、生前の氏の人柄や作風について熱く語っておられました。
『仮面ライダークウガ』『センチメンタルジャーニー』などを手掛けた荒川稔久氏も常々
「上原氏の作風に影響を受けている」と公言していた分だけ、衝撃の度合いが大きいかと思われます。

斯く言う自分もガキの時分から好きだった諸作品について、後々調べてみると高確率で上原氏が
メイン若しくはサブライターとして参加していた事を知り、改めて驚かされる事が何度か有りました。
尤も、膨大な数のシナリオを手掛けている分だけ「好・不調の波が激しい」という特徴も有してはいるんですが、
そんなネックも含めて「上原脚本に育てられたようなもの」と自負している自分にとって氏の存在は大きかったです。

一般的には『快獣ブースカ』『がんばれ ! ! ロボコン』『秘密戦隊ゴレンジャー』のように
「シンプルで分かり易く明るい王道路線を得手とする作家」としての印象が強いようですが、
『怪奇大作戦』『帰ってきたウルトラマン』『ワイルド7』『イナズマンF』などを観た事の有る方ならば其の本質は
「マイノリティの境遇に裏打ちされた社会に対するドス黒いまでの怨念」である事に気付かれるでしょう。
「子供番組枠のルール」を順守した中で、チラリと「作家の本音」が垣間見える瞬間こそが、上原脚本の醍醐味では無いかと。
其れは陰鬱な『怪奇』だろうと明朗な『ロボコン』だろうと、常に一貫してたような気がしますね。
自分のプロフィールにも書いている「破滅型の物語を好む傾向が強い」原因の何割かは、
故・市川森一氏と並んで上原正三脚本にも有ると断言して良いでしょうね。

最後に、アニメファン向けの上原作品を3本ほど紹介して本項を終える事に致しましょう。
①『ワット・ポーとぼくらのお話』
上原氏が唯一手掛けたOVA作品にして、現在で言うところの「異世界ファンタジーもの」の先駆け、
更には「いのまたむつみキャラデザ」という付加価値も相俟って、若い世代には最も取っ付き易いかな ?
氏の「琉球人」としての在り様に、理想的な形で解答を導き出したかのような印象が強かったですね。
②『アローエンブレム グランプリの鷹』
スーパーカーブームへ安易に便乗した「時事企画」の中では、丁寧な構成と適度なリアリズムとの相乗効果で
唯一鑑賞に耐え得るレースアニメですが、上原氏が降板した第2部「F-0編」は凡庸なトンデモレース作品と
大差無い内容に成ってる事に留意されたし。
③『ゲッターロボG』
メインライターを務めた前作『無印』が俯瞰で作品全体を見渡さなければ成らない関係上、常に「直球」を
要求されていたのに対し、サブに廻った『G』では肩の荷が下りた為か「変化球」でビシバシ攻め込むように成り、
其れが結果的に『無印』以上のハードさを齎す事にも繋がっています。惜しむらくは途中降板しちゃった事かなあ。

ともあれ、上原正三先生、長年楽しませて頂き誠に有難うございました。

コメントする(論客のみコメント可能記事)13個


霧の童話 さんのコメント (2020/01/15) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
ルネサントさん、拍手 & 初コメント有難うございました。今後とも宜しくお願い致します。

「霧の童話」というHNは上原正三氏が『怪奇大作戦』で執筆した傑作回のサブタイトルを
元ネタにしています。個人的に思い入れの強いエピソードなので勝手ながら拝借した次第です。

ルネサントさんのような若い世代の方なら、順当に『宇宙刑事』『ウルトラシリーズ』
『スーパー戦隊シリーズ』といったメジャーどころから触れていった方が
上原脚本の魅力を把握し易いのかも知れませんね。
ルネサント さんのコメント (2020/01/14) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
初めまして、霧の童話さん。ルネサントと申します。
前からとても印象的なお名前で素敵なハンドルネームだと思っていました。以後、お見知りいただけると大変嬉しく思います。
初めに知ったのは634さんの銀河鉄道999のぬいぐるみでの返信コメントでした。そこで検索して調べていくと、宇宙刑事からウルトラセブン,宇宙海賊キャプテンハーロックと名だたる作品の脚本を担当している方だということを知りました。他のご存じのある方がたも追悼の意を込めており、
そこまで慕われていた方なんだと肌で感じ取りました。

宇宙刑事ギャバンで印象的だったのは誰よりも子供たちに笑顔に接していた烈の姿で蒸着した後での0.05秒のナレーションは印象的でした。自分は
他の方がたほど、詳しくない身なのでこれぐらいのことしか言う事が出来ない口ですが、ご自分に言えるのは自分が思った気持ちをただ書くことだけでした。後はこの気持ちが伝わってくれればそれ程、嬉しいことはありません。

仮面ライダークウガの脚本を担当した荒川稔久さんが上原正三さんの作風に影響を受けていたというのは初めて知りました。
謹んで上原さんのご冥福をお祈りいたします。
霧の童話 さんのコメント (2020/01/11) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
CHIGEさん、拍手 & コメント有難うございました。

何かと原作ファンが頭を抱えるエピが多い特撮版『ワイルド』ですが、上原脚本回に関しては極力
原作テイストの抽出に腐心していた印象が有りますね。個人的には「200KM/H心中」に横溢する
'70年代の空気がこの上なく自分の肌に合致していて好みです。
『マッハバロン』は序盤こそ主人公・嵐田陽のDQN振りに辟易させられたものの、中盤以降は良エピが
増えてかなり観易く成りましたね。それだけに中途半端な打ち切りエンドが返す返すも口惜しい…。
『グレンダイザー』に関しては此れに移行する関係で氏が『ゲッターG』を降板する事に成った為、
少々複雑な心境が有りますね。上原氏自身、「兜甲児」という只でさえデューク・フリードを喰いかねない
強力な個性を持ったキャラが居るので「車にハンドルが2つ付いてるようなもの」と執筆に難儀していた
裏事情を吐露されてます。

何れにせよ、ヒーローのドンパチにしか興味が無かったクソガキへ「ドラマの何たるか」を初めて
教えてくれた作家である事も影響して、自分が上原脚本から得たものは想像以上に大きかったと
今更ながらに実感しています。
CHIGE さんのコメント (2020/01/11) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
ワイルド7の「マシーンガン・ロック」は傑作エピソードでした。あと「スーパーロボットマッハバロン」では
全話で脚本を書いておられました。確かグレンダイザーでも何本か書いてらしたような記憶があります。
ガキンチョ向けとされるアニメや特撮に深みのあるドラマ性を取り入れた嚆矢みたいな人でした。
ご冥福をお祈りします。
霧の童話 さんのコメント (2020/01/10) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
Mr.KNさん、拍手 & コメント有難うございました。

ほぼ毎日、何らかの作品がオンエアされる程に特撮番組が賑わっていた'70年代に於ける
大車輪の活躍振りはもとより、全話執筆を果たした『シャイダー』の放映時たる'84年も圧巻でしたね。
PNを使い分けて最後まで携わった『マシンマン』、途中参加とは言え直ぐ様メインへ昇格した『レザリオン』
早い段階で降板するとは言え当初はメインに据えられていた『北斗の拳』…といった作品群を、
『シャイダー』と同時期にこなしていた其のバイタリティにはひたすら脱帽させられます。

子供の頃から慣れ親しんでいたスタッフ & キャストに関する訃報は、何とも遣る瀬無い気にさせられますね。
Mr.KN さんのコメント (2020/01/10) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
こんばんは、霧の童話さん。コメント失礼します。

上原正三氏が脚本を手掛けた作品では宇宙刑事シリーズが個人的に印象深いですね。

特にシリーズ3作目だった「宇宙刑事シャイダー」では主人公である沢村大=シャイダー役だった故・円谷浩氏を主役に推薦し、そうした経緯などもあって上原氏自身も本作品における全話の脚本を一人で執筆したというエピソードがあったのが見事だと思いました(しかも同時期には「星雲仮面マシンマン」、「ビデオ戦士レザリオン」」北斗の拳」といった作品の脚本も担当していただけに)。

昨年の11月に亡くなられた矢島信男監督に続き上原氏の訃報は特撮ファンとして残念な思いと同時にひとつの時代の終わりも実感するところですが、謹んで故人のご冥福をお祈りします。


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