バーンパレスの飛行日誌(記述:はんぶらび)

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2019/05/23 「2018年に復活を遂げた銃~オートマグとAA12~」 分類: 銃の知識
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2018年に、史上から消滅した二つの銃が、復活を遂げました。オートマグとAA12です。
オートマグは1971年に登場した世界初のマグナムオートで、熱心なファンを獲得しましたが利益を生み出せず、1982年に生産を終えました。
AA12はフルオート専用の軍用ショットガンとして開発されましたが、採用には至りませんでした。そのため市場に出ることはなく、試作品のまま終わりました。

しかし2018年に、オートマグはAutoMag LTD Corp.社の手で生産が再開され、そしてAA12はSol Invictus Arms社によって民間向けに大幅にアレンジされ、それぞれ販売が開始されました。
今回は、一端は失敗作として消え去りながら、根強い人気によって復活を遂げた二つの銃を紹介します。

オートマグ


オートマグは1969年に発表され1971年から販売が開始された、世界初のマグナムオートです。基本設計を行なった人物は、ハリー・サンフォードです。しかし彼はアマチュアの銃器デザイナーであり技術面は全くの素人だったため、実際の設計はマックス・ゲラによって行われました。
しかしハリー・サンフォードは、芸術的センスは優れていましたが、技術と経営の双方の才に欠けていました。そのためオートマグは、商業的には失敗に終わりました。
しかし美しいデザインには熱心なファンが付き、製造終了後も根強い人気を保ち続け、忘れ去られることはありませんでした。オートマグはハリー・サンフォードの芸術的センスにより、伝説となった銃です。

↓は、オートマグの射撃シーンです。

https://www.youtube.com/watch?v=fD5J7ILTXC8

このように連続してジャムが発生していて、真面に作動する方が珍しい銃です。技術面の欠点が多く作動不良が多発するため、『オートジャム』という不名誉な仇名を付けられました。
しかし実用性はないけど、非常にスマートで美しい銃です。シャープな銃本体から、巨大だけど繊細で複雑なボルトが剥き出しとなる様は、メカニカルな美に満ちています。
『Aristocrat of Big Bore Handguns(大口径ハンドガンの中の貴族)』と呼ばれるのも納得の、美しいデザインです。

↓こちらは、三つまで撃てました。しかし全弾撃ち切ることは、出来ませんでした。

https://www.youtube.com/watch?v=ezdsvFZzZV8

オートマグのメカニズムは、ショートリコイルによる作動に、ロータリーボルト式の閉鎖機構を組み合わせたものです。このやり方は回転運動で閉鎖を行なうので、強固な閉鎖を実現できますが、パワー不足による作動不良が発生し易いという欠点があります。
ベレッタPx4とコルト・オール・アメリカン2000に採用されているロータリーバレル式と、発想は全く同じです。しかしロータリーバレル式ではバレルが回転し、ロータリーボルト式ではボルトが回転します。そのため原理は同じですが、構造は違っています。

ロータリーボルト式は、ハンドガンよりもライフルに多く採用される閉鎖機構で、本来はハンドガン向けではありません。しかしオートマグは数段威力の強いマグナム弾を使うため、閉鎖機構を頑丈に作る必要性がありました。そのためマグナム弾の強力なパワーに耐えられるように、ハンドガンでは珍しいロータリーボルト式を採用しました。
しかし作動に採用されているショートリコイルは反動方式の一種で、ロータリーボルト式と組み合わせるには向かないやり方です。反動方式ではボルトを動かすパワーが不足しがちになるため、ロータリーボルト式には向きません。
ロータリーボルト式の作動には、ショートリコイルのような反動方式ではなく、ガス圧方式が使われるのが一般的です。史上初の成功したマグナムオートであるデザート・イーグルは、ガス圧方式を採用しています。

オートマグに作動不良が多い理由の一つとして、作動にパワーを必要とするロータリーボルト式を、反動方式で強引に動かしている点も挙げられます。

↓は、オートマグの作動を捕えたスローモーション動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=tXLAw2R2Tcw

このように、バレルがわずかに前後運動しています。ショートリコイルで作動しているのが、この動画から分かります。
ショートリコイルはボルトの作動を、撃発時の反動と慣性によって行います。そのためマグナム弾やライフル弾のような高威力のカートリッジには向かない、低中威力のカートリッジ向けの作動方式です。
またバレルのスライド部分に隠れていますが、ボルトは閉鎖時と解放時に回転します。つまりボルトは、回転運動と前後運動の二つの動きを行ないます。
反動方式で二つの動きを同時に行うのは無理があり、これもオートマグの作動が不安定だった理由の一つです。ロータリーボルト式には、ガス圧作動方式の方が適しています。

ショートリコイル方式の利点として、メカニズムを小さく出来る点が挙げられます。そのためオートマグは、作動の確実さは犠牲となりましたが、非常にスマートで美しい銃となりました。
一方デザートイーグルは、作動の確実さを重視してガス圧方式を採用したため、武骨で厳つい外見となりました。


上がオートマグで、下がデザートイーグル。このように段違いで、オートマグの方が美しい。

オートマグに作動不良が多発した理由として、他にも当時の最新素材であったステンレスを採用したことも挙げられます。当時のステンレス技術は未熟なレベルだったため摩擦が発生し易く、作動部分の多い銃の使用には適していませんでした。
しかしハリー・サンフォードは、銀色に輝く新素材であるステンレスの美しさに惚れ込み、周りの反対を押し切ってステンレスの採用を強行しました。これもオートマグが作動不良を多発する一因となりました。
ただし銀色に輝くオートマグの美しさは、熱心なファンを生み出しました。当時の視点では悪手でしたが、長い目で見ればオートマグの人気の一因となったと言えます。

↓は、オートマグを解説している動画です。訳は超訳です。また冒頭部分は、本分と重なる部分が多いので省略してあります。
そして赤文字部分は、私が書き足した補足です。

https://www.youtube.com/watch?v=wLm-SA26Obo

48秒:この銃を撃つためには、ハンドロードする必要があります。オートマグのオリジナル・カートリッジは、市場には売られていないからです。

ハンドロードとは、撃ち終えたカートリッジを回収して、火薬と弾頭を取り付けて再使用することです。つまりカートリッジの自作です。もちろんハンドロードには、専用の設備を必要とします。
この動画は、オートマグの再生産が始まる前の、2014年に制作されました。売られていない銃用のカートリッジを製造する物好きなメーカーは存在しないので、オートマグ用のカートリッジが市場に存在しなかった時代です。そのためオートマグを撃つには、ハンドロード以外の手段がありませんでした。
もちろん現在はオートマグの再生産開始と共に、オートマグ用のカートリッジも市場に登場しています。そのため手間のかかるハンドロードをしなくても、射撃が楽しめます。


1分20秒:この箱は、オートマグ用のオリジナル・カートリッジです。私が昔、200ドルで購入したもので、50個入りです。

オートマグ用のカートリッジの製造が終了したため、売れ残っていたオートマグ専用カートリッジの価格は、急激に高騰していきました。やがて市場から無くなったため、この動画が制作された時点では、入手不可能に近かったはずです。
現在は様々なメーカーから、50ドルちょっとの値段で販売されています。


1分32秒:オリジナルの弾頭は、このように丸い形状のホローポイントです。カートリッジの部分は、.308ウィンチェスター弾を短くしたような形をしています。
撃ち終えたカートリッジは、Hornady社の弾頭を取り付けて再使用します。

2分40秒:このオートマグを操作方法は、一般的なやり方です。カートリッジを込めたマガジンを差し込み、ボルトを掴んで手前に引っ張れば、初弾が装填されます。
マガジンが空の場合は、このようにホールドオープン状態となります。

3分20秒:ほとんどの人にとって、この銃の操作は困難な作業です。なぜならリコイル・スプリングが非常にきついので、ボルトが引っ張り辛いからです。
そのためボルトを引く前に、ハンマーを起こします。ハンマーを起こすと、少ない力でボルトを引くことができるようになります。

通常のやり方では、ボルトを動かすリコイルスプリングとハンマーを動かすメインスプリングの二つがボルトを引く際の抵抗となります。しかし予めハンマーを起こしておけば、リコイルスプリングだけが抵抗となり、楽にボルトを引くことができます。
またボルトを戻す時に手動で戻した理由は、ボルトリリースレバーを使うと銃が壊れるからです。スプリングが強すぎるため、ボルトが戻る時の衝撃に、銃の材質が耐えられないのです。
それぐらいオートマグに組み込まれているスプリングは、他のハンドガンと比べると強力なのです。
このスプリングが強すぎるという欠点は、新生オートマグでは改善されました。ボルトの形状の見直しと素材の進歩によって摩擦が軽減され、オリジナルよりも弱いスプリングでの作動が可能となったからです。そのためボルトが引き易くなり、初弾を送り込む操作はオリジナルよりも楽になっています。


3分48秒:これはセイフティレバーです。このように押し上げると安全装置がかかり、撃てなくなります。
レバーを下げると安全装置が解除され、このようにハンマーを動かせるようになります。

シングル・アクションのハンドガンとしては、極めて一般的な操作方法です。初心者でも、操作に戸惑うことがありません。

4分15秒:この銃の分解方法は、とても簡単です。ボルトを引いてホールドオープンにし、そしてトリガーガード付け根にある分解用のラッチを押し下げます。
これでバレルが前方に抜き取れ、通常分解は終了です。

4分40秒:通常分解以上の分解を望むなら、この2本のネジを取り外します。これはリコイル・スプリング・ロッドです。これを引き抜くと、ボルトを取り外すことができるようになります。
ボルトの形状はAR15によく似ていて、作動時に90度回転します。

動画を見れば分かるように、ボルトの先端はマイクロロッキングラグとなっています。発売当時は、アサルトライフルのメカニズムを内蔵したハンドガンとして、話題となりました。

5分24秒:組み立てるためには、空のマガジンを差し込みます。そしてボルトを引いてホールドオープンにします。
そしてボルトを取り付けて分解用ラッチを戻せば、完了です。

前述の通りハリー・サンフォードは、経営者としての能力に欠けていました。ハリー・サンフォードは投資家から10億ドル以上の資金の調達に成功し、1970年にAMC(Auto Mag Corp)社を設立しました。しかしAMC社は1972年に、わずか二年で倒産しました。
しかし熱心なファンのいるオートマグには、根強い需要がありました。これに目を付けたTDE(Trust Deed Estates)社によって、AMC社が倒産した直後に、早くも製造が再開されます。
その後、ハリー・サンフォードは新たな出資者を見つけてTDE社を買収し、AMT(Arcadia Machine & Tool)社を設立しました。しかしオートマグをビジネスの軌道に乗せるのは難しく、1982年に生産終了となりました。総生産数は、六千丁から一万丁の間だと言われています。
根強い人気があったため生産終了後も部品の供給は細々と続けられましたが、1998年にAMT社が破産したため、その部品の供給もストップとなりました。

このように名声のみを残して、オートマグは市場から消え去りました。しかし製造再開を望む声は多く、2015年にAutoMag LTD社が設立され、復活計画がスタートします。
AutoMag LTD社はサンフォード家からオートマグの権利を購入し、オートマグの復活を決意します。そして現在の技術水準と市場の需要を調査し、2017年1月11日に、試行錯誤の末の先行量産品が完成しました。
しかし製造ラインの準備は、想定よりも手間取りました。本格的な製造が始まったのは、翌年の2018年半ばを過ぎてからです。

オートマグの製造が可能となった理由は、技術進歩によって当時では不可能だったことが可能となったからです。
ステンレスの技術は進歩し、摩擦抵抗の低いステンレスが生み出されました。そのため20世紀後半から、ステンレスはハンドガンの素材にも採用されるようになりました。
また製造技術の進歩により、熟練した職人と同レベルでパーツを製造することが、2010年代に入ると可能となりました。そのため形状が非常に複雑なパーツをミクロンレベルの誤差もなく製造することが、実現可能となりました。
さらに長年に渡るファンの熱心な研究によって、オートマグの設計上の欠点も明らかとなりました。オートマグはボルトとマガジンの形状に設計ミスがあることが判明し、この二カ所の改良で作動性は大幅に向上しました。

こうして多くの人を虜としながらも商業的には失敗に終わったオートマグは、2018年に製造が再開され、奇跡的な復活を遂げました。

↓は、新生オートマグを販売しているAutoMag LTD社のホームページです。

https://automag.com/

新生オートマグの改良ヶ所は、アッパー部分とマガジンです。フレーム部分はオリジナルと同じなため、ほとんどの部品はオリジナルのオートマグと互換性があります。
そのためオリジナルの所有者も、パーツを購入して組み込めば、作動性の向上が可能です。そしてAutoMag LTD社は、オリジナルの所有者のため、パーツのバラ売りも行っています。

次に紹介するAA12は、オートマグと違って、量産すらされていません。今だ正式採用に至っていない、試作品段階のショットガンです。しかも1972年に登場して以来、50年近くに渡って、ずっと試作品のままの状態が続いています。
しかし独特の外見と設計コンセプトのため根強い人気があり、映画やゲームでの登場が多いショットガンです。その根強い人気に答える形で、民間モデルが遂に発売となりました。
ただし内部メカニズムは、一般市販を可能とするために大幅に変更されました。全くの別物と言ってもいいくらい、異なるメカニズムに作り変えられています。

AA12


AA12は、MPS(Military Police Systems)社が軍用として開発していた、フルオートのショットガンです。しかし軍の採用を逃し、開発は長期間に渡って中断されていました。
そのAA12の製造権をSol Invictus Arms社が買い取り、民間用に内部構造を大きく変更し、販売へと漕ぎ付けました。作動方式も、オープンボルトからクローズドボルトへと変更されています。
またボルトの作動方式も、オリジナルは反動方式でしたが、ガス圧作動方式に変えられています。ピストンを使用する、オーソドックスな作動方式です。
作動方式の変更に合わせて、閉鎖機構が追加されました。プロップアップ式の一種で、ボルトに組み込まれている別パーツ(ロッキングブロック)が上下することで、バレルとの閉鎖と解放を行ないます。

メカニズムが変えられているので、外見がソックリなだけの別の銃と言えるかもしれません。最もAA12は軍専用に開発されていたので、内部構造を大幅に変更しないと民間への販売は不可能ですが。

しかし『コンスタント・リコイル』と呼ばれる反動制御システムは、オリジナルから受け継いでいます。このコンスタント・リコイルの性能は非常に優秀で、AA12の反動は、他のショットガンの10%ほどです。
そのためオリジナルと同様に、片手で撃てます。

またオリジナルと同様に、ボルトとバレルをはじめ、ほとんどの部品は錆びに強いステンレス製です。そして特殊なコーティングが、作動部品に施されています。
そのため洗浄も潤滑剤も、ほとんど必要がありません。メーカーの主張では、清掃が必要となるのは1万ラウンド後です。メンテナンス・フリーな点も、受け継いでいます。

AA12はゲームや映画の露出が多いので、昔から知名度の高いショットガンでした。オリジナルの人気を生かすため、外見の変更点を最小限に留めてあります。目に付く違いは、NFAの規制に合わせて、バレルの長さを18インチ(457mm)から18.25インチ(464mm)に変えてある点のみです。
しかし内部構造は、全くの別物です。AA12の民間バージョンというよりは、AA12のガワに、セミオート・ショットガンのメカニズムを組み込んだ商品です。

↓は、Sol Invictus Arms社のホームページです。

http://www.solinvictusarms.com/

↓は、ショットショーで公開されたAA12です。

https://www.youtube.com/watch?v=U1LjSodcAsI

ご覧の通り20発のドラムマガジンを付けると、対ゾンビ兵器のような凶悪さが増します。実際、ゾンビ映画に出てきそうで、アメリカ人が好みそうな見た目です。
のっぺりとした凹凸のない外見も、サメのような凶暴な海洋生物を連想させてカッコイイです。SF兵器のような、近未来感覚あふれる魅力があります。

MPS社からAA12の権利を買い取ったSol Invictus Arms社は、民間にターゲットを変更しました。そして軍用バージョンの開発は、完全に諦めたようです。
ただし軍用として開発が続けられていたオリジナルのAA12が、2019年のショットショーで一般に公開されました。

↓は、2019年のショットショーで公開された、AA12の軍用バージョンです。

https://www.youtube.com/watch?v=Wi_SoB-Per4

消費者に対するサービスの一環として、こういう民間人が合法的に軍用銃に触れられる場で、公開されています。また動画をよく見ると、オープンボルトなのが分かります。

↓は、そのショットショーでの、経営者のインタビューです。

https://www.youtube.com/watch?v=9DWUYQo4UGY

インタビューでは、AA12が好きな多くの人々に応えるため、AA12の民間バージョンを開発したと述べています。ショットショーでのサービスといい、消費者に目線を向けたメーカーです。
商品のバラ売りを行なうAutoMag LTD社といい、どちらも消費者に対しては誠実な経営を行なっているようです。



オートマグとAA12は、全く異なる経緯を辿った銃です。オートマグは民間用に開発されたハンドガンで、発売と同時に話題を呼びながら、製造会社の倒産によって、短期間で製造中止となりました。
しかし根強い人気に支えられて、いくつかの会社を転々としながらも製造が続けられました。最終的に製造が打ち切られたのは、十年以上たった1983年です。

一方AA12は、最初から軍用に開発されたショットガンです。しかし正式採用には至らず、試作品のままでした。
そのため民間にも公機関にも出回ることはありませんでした。YouTubeに公開されているフルオートのAA12の動画は、評価試験用に製造されたAA12を、軍用品を扱う資格を持ったディーラーから借りて撮影しているのです。

しかし結末は、二つとも全く同じです。どちらも消え去ることなく生き残り、新たな物語のスタートを切りました。
二つとも、斬新な見た目とコンセプトのため、人々の記憶の中に残り続けました。そして2018年に、奇跡の復活を遂げたのです。
オートマグは銀色に輝く流麗なボディが、AA12はミリタリックでSF風味なところが、それぞれ生き残れた理由かな?趣味のアイテムなだけに、見た目が大事ってことです。



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2.
2019/05/21 「25号ジャンプの感想:鬼滅の刃、Dr.STONE、チェンソーマン、ぼくの太星、サムライ8、神緒ゆいは髪を結い、最後の西遊記、お約束のネバーランド」 分類: ジャンプ感想
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鬼滅の刃

カナヲの実力を認めた童磨は舐めプを止め、実力の一端を見せつけます。こうなるとカナヲは、手も足も出ません。一見すると相手を見下し慢心しきっているように見えますが、観察眼が鋭く狡猾で底知れない実力の持ち主です。
今週の童磨は、まだまだ本気を出していない。今週の童磨は、遊びまくるだけの余裕がありますから。しのぶの時も、わざと毒を受けたりして、遊びまくりでしたから。
悪の魅力に満ちていて、憎らしいほど強くてカッコイイ悪役です。サイコパスなキャラとして、これほど完成されたキャラは久しぶりです。突き抜けた悪の魅力をもった悪役が登場するバトル漫画って、最高に面白い。

童磨の悪質なところは、決して卑怯で姑息な手を使わないことです。あくまでも自分の力と技のみを使った戦い方をして、真っ向勝負で相手から勝利をもぎ取ります。
そして相手に無力感を徹底して味あわせた上で、なぶり殺しにします。童磨が踏み躙りたいのは、相手の肉体だけではなく、心なのですから。
同じ真っ向勝負を好む敵でも、童磨と猗窩座とでは、理由が全く正反対なのが面白いです。猗窩座は決して相手の尊厳を踏みにじらないけど、童磨は徹底して相手の尊厳を踏みにじるために真っ向勝負を選ぶのですから。

そして実力も、猗窩座を完全に上回っています。猗窩座はまだ刀で受けたりは出来ましたが、童磨は近付くことすら出来ませんから。
もう完全に別次元の強さを、カナヲに見せつけています。

後、童磨は遠距離から接近戦まで広い攻撃範囲を持ち、また攻撃力を一点集中させたり広くバラ撒いたり、多彩な攻撃手段を持ちます。そして童磨自身も、自分の血鬼術を使いこなす高い知性を兼ね備えています。
しかし童磨の血鬼術は全て、物理攻撃なのが興味深いです。精神攻撃系は、今のところ1つもない。
まぁ童磨の性格からいって、相手の精神を無効化して倒しても楽しくないでしょう。精神を無効化してしまえば人形を同じですから、相手を精神的にいたぶることができないのですから。
だから相手の精神を踏み躙りたい童磨は、仮に精神攻撃系の血鬼術が使えたとしても、使わないでしょうね。

ただ、ラストではカナヲに、強力な援軍が現れます。童磨は性格的に、あの手の相手とは相性が悪そう。
もぢ上手く引っ掻き回せれば、カナヲたちにも勝機はありそうかな?

Dr.STONE

ひたすらド直球な千空だけど、関心のないことに首を突っ込んだりしない性格だと初対面で分かるから、相手の信頼を得られる効果があるかも?最も千空は無駄を省きたいだけで、そこまで計算してはいないと思うけど。
ただ千空の自分の本質を取り繕わない態度が、周りの信頼を得ている要因の一つなのは確かです。今回も上手く相手の気持ちを掴み取り、味方をゲットしました。

一方ソユーズの正体に関して、気になるセリフがありました。ソユーズは出生に関して、深刻な秘密を抱えていそうです。
前から気になっていたのは、あの頭の傷の由来です。あの世界に、あれだけの大怪我を頭部に負って助かる技術があるとは思えないので、どうしても意図的につけられた傷としか思えないのです。

チェンソーマン

この漫画のキャラのやり取りは、生々しいのに不快感が無い。登場人物の感性が普通っぽいところが共感を呼ぶから、やり取りが爽やかに感じるからかな。
朝食でのデンジの台詞が、良かった。デンジは無知でアホではあるけど、欠片ほどの狂気が無いキャラです。だから言動が爽やかに感じるし、あえて狂気を排除することによってキャラを立てるという発想は斬新です。

そして後半では、衝撃の展開。あの展開は、全く読めなかった。
これから先、どうやって話を進めていくのだろうか?とにかく度肝を抜かれた。あのシーンは異様なリアリティがあって、この視覚的な説得力に満ちている点も、目を釘付けにした。

ふたりの太星

期待していたより面白かったし、サムライ8より良かった。話は分かり易いしキャラも立っていて、ごく最近の新連載の中では面白い方だった。
ただ同じようなペースで話が進むし、ストーリー展開にメリハリがないので、そこがダメだった。あまり緩急がなく、話の流れが均一と言うかのっぺりとした印象を受けました。

今のところ普通の漫画です。貶すほど悪くはないけど、アンケを出したりコミックスを買ったりするほど面白くはない。
本当に普通の漫画で、ジャンプでは生き残れないけど、他の雑誌だったら生き残れたかもしれない。そういう漫画です。

サムライ8

新しい仲間に出会えて終わりってのは、物足りない。今回も前回と同様に、他の新連載よりページ数が多いのだから、旅立ちまで描いて欲しい。
テンポが悪すぎる。内容も無難すぎる。今のところ、私には合わない。

神緒ゆいは髪を結い

この漫画は前回から、急に面白くなったと思う。前回からキャラが立ってきたし、話の流れも起承転結の流れが整理されて読み易くなった。
古臭くて読み辛い漫画だったけど、急に取っ付き易い漫画になった。中身が良くなると、絵柄も魅力的に思えてきます。確かに古臭い絵柄だけど、上手いのは間違いないですから。

今週も、前回の流れでバトルになるかと思いきや、そのままギャグ展開に入ったのは愉快でした。ドタバタのギャグは、これぐらい意表をつく勢い重視の流れでないと、読んでいて乗れないです。
ギャグも一つ一つが小技が利いていて、面白かったです。大笑いできるほどの破壊力はありませんでしたが、今のジャンプで連載されているギャグ漫画の中では、これが一番面白い。

最後の西遊記

前回の最後のシーンで登場したコレラ先生が登場しなかったのには、心の底から呆れました。今回も説明回で延々と説明が繰り広げられているだけです。
せめてコレラ先生が極悪極まりない悪事を繰り広げて、それにフルカ先生のモノローグを重ね合せるなりすれば面白くなるのに。そういう工夫を入れれば、同じ説明回でも、グッと印象が変わるのに。
コレラ先生の強烈な悪事を楽しみにしていただけに、今回の展開にはガッカリしました。

この漫画はキャッチーな要素が多く、面白くなりそうな可能性だけはある。でも、そういう要素を生かそうとせず、説明のシーンだけが淡々と続く。
ドベ入りしたのに、全く危機感がない。打ち切りを回避するため面白くしようという工夫が、少しも見られない。

この漫画のキャラはイケメンばかりで、上手く描けば人気が出そうなキャラばかりです。主人公の父親はDr.キリコ風のイケメンだし、宿敵のサイも美少年だし、フルカ先生もミステリアスでありつつ人間臭くて共感し易いし、コレラ先生も美老人だし。どれも描き方によってはファンが付きそうなキャラなのに、生かさないのは本当に勿体ない。
如意棒の使い方も、本当に面白い。今回も如意棒の新たな使い方が描かれていて、なかなか面白かった。
こういう突出した設定の良さはあるのに、それが生かされることなく打ち切られて終ると思うと、本当に残念です。

設定を並べても物語にはならない。設定を台詞の説明ではなく、キャラの言動に組み込むからこそ、物語になる。
この漫画は、物語として成り立っていない。

お約束のネバーランド

『約束のネバーランド』が休載のため、急きょ載せられたスピンオフのギャグ漫画。元ネタの設定は生かされているし、小技は利いているしで、結構面白かったです。
エマの気持ちは、結構共感できてクスリと出来ました。私も目の前に達成しなければならない目的があると、それに捕らわれる性格なので、レイとノーマンに腹を立てるエマの気持ちは良く分かります。ギャグ漫画ほど、こういう共感できる描写が必要です。

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3.
2019/05/13 「ジャンプの新連載、サムライ8の第一話の感想」 分類: ジャンプ感想
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書いている内に長くなったので、今回のジャンプの感想はサムライ8のみに絞ります。
まぁ今週号は、ネタバレなしでの感想が書き辛いものばかりだったのもあるんですが。後は、長文を書いたら疲れ果てたってのも。

第一話は、あまり面白くなかった。絵は線が細くゴチャゴチャしていて読み辛いし、話は頻繁に場面がコロコロと変わるので分かり辛い。
またキャラも、上手く立っていない。そのため作中のキャラの誰にも全く感情移入できず、最後まで傍観者のまま読み終えてしまった。

ただ私は、前作のナルト自体があまり好きではなかった。前半だけ読んで趣味に合わなかったので投げ出したけど、前半部分の感想は個人的には嫌いな漫画だった。
主人公のナルトは、ただひたすらウザいとしか思えなかった。ナルト以外の人間も、全員周りの人間にお互いに依存しあっていて、誰も彼もがストーカー予備軍にしか見えない。
特にナルトは、あのしゃべり方がウザさを際立たせている。漫画ならまだ読み飛ばせるけど、アニメだと本当にウザくて、見てて苛々してきて脳が沸騰しそうになる。殺意が湧くレベルの凶悪なウザさです。

後、過去エピソードのみでキャラを立てるのが、好きになれなかった。過去エピソードはキャラ立ての最後の仕上げとしてやるべきなのに、ナルトでは初登場のキャラがいきなり不幸自慢を始める。
そのため登場人物全員が、ストーカー気質のメンヘラ人物列伝になっている。

岸本先生はキャラ立てを過去エピソードに頼り過ぎるので、過去エピソードが無いとキャラ自体は薄味です。このサムライ8の第一話は、過去エピソードに依存していないので、キャラが全く立っていない。
読み終えても設定しか感じ取れず、性格はよく分からなかった。主人公も猫侍も、まだよく分からないキャラなので、アンケートの項目が書き辛い。正直言って二人とも、好きでもなければ嫌いでもない、全く印象に残らないニュートラルなキャラです。

後、第一話ですでに主人公親子は、人生の目的を果している。主人公は生命維持装置と大量の薬物に依存しなければ生きていけない障害者だったけど、機械の肉体を手に入れて健常者以上の存在になれた。
一方、猫侍は、宇宙を救うためパンドラの箱を探し出すという使命がある。主人公は父親を捨てて旅立つ性格に見えないので、目的が全く異なる主人公と猫侍がどうやって手を結ぶのか全く読めない。これが分からないまま第一話が終ったので、読み終えた時の不完全燃焼感が強い。
第一話は72ページもあるのだから、せめて旅立ちぐらいまでは描くべきだと思う。新連載二話分のページを使っているのに、一般的な新連載の一話分の内容しかないので、非常にテンポが悪く感じる。
やたらと情報量の多い絵柄も、このテンポの悪さを際立たせている。話の展開がやたらと遅いのに、一つのコマに込められている情報量がやたらと多いから、読んでいて非常に疲れる。美味くも無ければ不味くもない料理を次から次へと出され続けているような気持ちになって、読んでいてウンザリした。

72ページもあるのだから、もっと濃い内容にすべきです。旅立ちだけでなく、ライバル・キャラの登場と敵組織の思惑も描くべきです。
そういえばデモンズ・プランは、第一話で早くも宿敵を登場させ、ツカミだけは上手かった。岡本喜道先生は、確かに作風は雑だけど、ツカミを生み出す才能だけはトップ・レベルで優れています。他の部分の技術を身に付ければ、大成する漫画家じゃないだろうか?
サムライ8は、ツカミが無さすぎる。

ただ海洋生物を模した宇宙船のデザインは、なかなかカッコ良かった。ロボットの馬も、カッコ良かった。
悪く言えば無難だけど、下手に奇を衒わないデザインだと思う。シンプルで灰汁のないので、見飽きないデザインだと思う。

世界観も、アンケの結果を受けての方向転換がしやすい柔軟なものなので、少年漫画には相応しいと思う。ハードSFでなくファンタジー色の強いSFなので、これも読者には受け入れやすいと思う。
SFは流行らないと言われるけど、それは下手にリアルでハードな設定を入れるからネットのリアル警察に目を付けられるからで、こういうファンタジー色の強いSFなら無粋な突込みを入れる層も少ないと思う。

私の個人的な願望としては、このデザインと世界観の良さを生かして、カッコイイ悪役を出して欲しい。トラウマ型の悪ではなく、絶対悪だけど魅力的な悪党を、どんどんと出して大活躍させて欲しい。
私の持論でしかないけど、バトル漫画の面白さの半分以上は、悪役の魅力が担っている。様々なタイプのカッコイイ悪役をドンドンと出して、盛り上げて欲しい。
まぁナルトから類推される岸本先生の作風からいって、そういう風に話が進むとはちょっと思えないけど。でも私の願望としては、魅力的な悪党の登場と活躍に期待したい。

後、ナルトってセカイ系の走りだと思う。先がけというか。バトル漫画とセカイ系の橋渡しをする存在だと思う。
そういう点では、岸本先生は時代を読む目があるのかもしれない。何回か私の日記で書いていることだけど、時代を読む目というのはヒット・メーカーにとって一番大事なことです。それがある岸本先生は、今回のサムライ8もヒットに導けるかもしれない。

後、ナルトが海外で人気というのは、なんとなく分かります。アメリカのドラマを見ていると、ナルトのようにウジウジしているくせに自己主張が激しい主人公が、やたらと多いですから。
後、共依存的な人間関係も、アメリカのドラマには多い。同じ毒親を描いたドラマでも、日本では毒親からの解放を描くけど、アメリカでは毒親を見捨てられない共依存的な関係に終わるドラマが多いように思えます。
だからナルトの性格は、アメリカでは受け入れ易いのだと思う。

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2019/05/11 「ジョン・ガーランドのライバル~メルヴィン・ジョンソンとジョン・ピダーセン~」 分類: 銃の知識
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第二次世界大戦が始まるまでは、世界各国で採用されている歩兵小銃のほとんどは、ボルトアクション式のライフルでした。しかし銃火器の技術進歩によりセミオートライフルの可能性が見え始めると、アメリカをはじめ多くの国々でセミオートライフルの開発が始まりました。
アメリカではアメリカ陸軍武器省の主導でセミオートライフルの開発が始まり、1909年にスプリングフィールド造兵廠に設計を依頼しました。しかし開発は難航し、正式採用が決定するまでには長い時間がかかりました。
ジョン・ガーランドが設計したM1ガーランドが、世界初のセミオート主力小銃として採用されたのは、1936年のことです。

今回はM1ガーランドにトライアルで敗れた銃と、その設計者を紹介します。つまりジョン・ガーランドのライバルです。


この3挺が、トライアルに参加した自動小銃です。上からM1ガーランド、ジョンソンM1941、ピダーセン・ライフルです。
ジョンソンM1941はメルヴィン・ジョンソンによって、ピダーセン・ライフルはジョン・ピダーセンによって、開発されました。どちらもM1ガーランドと異なり、現代の自動小銃では珍しい反動式の作動方式を採用しています。

まず最初に、メルヴィン・ジョンソンと彼の開発した銃火器の数々を紹介します。
またジョン・ガーランドとM1ガーランドに関しては、以前に紹介しました。↓が、その記事です。

https://sakuhindb.com/pj/6_A4CFA4F3A4D6A4E9A4D3/20190111.html

メルヴィン・ジョンソン

メルヴィン・ジョンソンは、1909年8月9日に、マサチューセッツ州ボストンの比較的裕福な家庭に生まれました。彼の父親は著名な作家であり、大学教授でもありました。

幼いころより銃火器に興味を持っていたメルヴィン・ジョンソンは、銃器設計者の道に進むことを望みました。しかし自分の理想にこだわりがあったメルヴィン・ジョンソンは、企業に技術者として雇われることを嫌いました。彼が望んだことは、自分自身が理想とする銃火器を、独力で開発することです。
そのためハーバード大学のロースクールに進学し、卒業後に弁護士事務所を設立しました。そして弁護士として短期間で大きな成功を収め、大学教授の職を得ました。
こうして時間的余裕と開発資金を得たメルヴィン・ジョンソンは、以後は子供の頃からの夢であった銃火器の設計に乗り出すこととなります。

またメルヴィン・ジョンソンは、大学在学中の1933年に、海兵隊の予備役士官の資格を獲得し、予備中尉の肩書を持っていました。この肩書きの入手目的は、海兵隊の銃器プログラムに参加する権限を得るためです。
これによってメルヴィン・ジョンソンは、民間人でありながら多くの銃火器開発への参加が可能となり、現場で様々な知識を獲得しました。そして1935年に銃火器に対する熱意と知識が認められ、陸軍のオブサーバーに選任されました。

このような下準備を経て、メルヴィン・ジョンソンは銃火器デザイナーの道を歩み始めました。そして1938年に、最初のライフルの設計を行ないます。
1938年に設計したライフルは軍の期待に応えることができず、トライアルに参加できずに破棄されました。しかしメルヴィン・ジョンソンは諦めずに研究を続け、1941年にジョンソンM1941自動小銃の設計に成功します。
そしてJohnson Automatics社を1941年に設立し、ジョンソンM1941自動小銃の製造と売り込みを始めました。この頃が、メルヴィン・ジョンソンの人生の中で、最も満ち足りていた時期だったと思います。

しかしジョンソンM1941自動小銃は整備性と信頼性に難があり、正式採用には至りませんでした。それでもメルヴィン・ジョンソンは諦めず、私財を投じて製造と売り込みを続けたので、しだいに経済的に困窮するようになりました。
そして1949年にJohnson Automatics社は破産し、ウィンチェスター社に買収されることとなります。メルヴィン・ジョンソンは、自らが開発した小銃を製造し売り込む手段を失いました。

そのため1940年代後半からは、銃器デザイナーの道を諦めざるを得なくなりました。彼が独自開発した最後の小銃はM1947オートカービンで、名前から分かる通り1947年の設計です。
以後のメルヴィン・ジョンソンは、銃器アドバイザーとして生計を立てていくこととなります。アドバイザーという裏方仕事を、メルヴィン・ジョンソンは好みませんでした。晩年のメルヴィン・ジョンソンは、妥協に満ちた不本意な日々を過ごしたと思います。

1949年にメルヴィン・ジョンソンは、海兵隊から陸軍に移籍し、大佐に昇進します。そして1951年に、国防長官の銃器アドバイザーとして任命されました。
その後、銃火器の専門知識を生かして、いくつかのメーカーでアドバイザーの職に就きました。そして1965年1月9日に、心臓発作で亡くなりました。享年55歳でした。


左の写真を見ると、押しが強そうな風貌をしています。しつこい売り込みを続けるメルヴィン・ジョンソンに、軍と政府の高官はウンザリしていたと言われていますが、納得です。
右は、自ら開発した小銃に囲まれてご満悦の、メルヴィン・ジョンソン。

ジョンソンM1941自動小銃


ジョンソンM1941自動小銃は、1939年に開発された自動小銃で、作動方式はガス圧ではなく、ショートリコイルによる反動方式を採用しています。しかし閉鎖機構は、自動小銃では一般的なロータリーボルト方式です。
そして技術史におけるジョンソンM1941自動小銃の最大の功績として、マイクロロッキングを採用している点が挙げられます。実はマイクロロッキングを採用した史上初のライフルは、AR-10ではなくジョンソンM1941自動小銃です。
つまりマイクロロッキングラグの発明者は、ユージン・ストーナーではなく、メルヴィン・ジョンソンです。しかしジョンソンM1941自動小銃は忘れ去られたため、マイクロロッキングラグを採用した初の小銃の名声は、ユージン・ストーナーが開発したAR-10のものとなりました。

また10連発のロータリーマガジンを採用し、当時としては突出した装弾数を実現していました。中心部分が膨らんだ子持ちシシャモみたいな外見は、ロータリーマガジンを内蔵しているからです。
さらに全弾撃ち切らないと再装填ができないM1ガーランドと異なり、いつでもカートリッジの補給ができます。その上、ボルトを閉じたままでも装填が可能なので、携帯時の安全性はM1ガーランドよりも上です。
装弾数と安全性の点では、M1ガーランドよりも勝っていました。

そしてM1ガーランドよりも30%ほど反動が少なく、撃ち易さと命中率の点で、有利でした。しかし反動方式は作動の信頼性に欠け、また部品数が多く整備性が劣っていました。
また激発時にバレルが前後運動するため、バレルの先端に銃剣を取り付けると、さらに信頼性が悪化しました。この時代は、銃剣を使った槍のような戦い方が、まだ重視されていました。
そのため信頼性と整備性が劣る銃と判断され、正式採用には至りませんでした。

しかし諦めきれないメルヴィン・ジョンソンは他国への売り込みを開始し、オランダ植民地軍に極少数が配備されることとなりました。またM1ガーランドの量産が軌道に乗るまでのつなぎとして、海兵隊でも極少数が配備されました。
1949年にJohnson Automatics社が破産し生産が終了するまで、ジョンソンM1941は約7万丁ほどが生産されました。

メルヴィン・ジョンソンは、自分が開発した小銃にニックネームを与えていました。このジョンソンM1941自動小銃は、『ベッツィ(Betsy)』と呼ばれていました。
メルヴィン・ジョンソンの、自分が生み出した作品に対する強いこだわりが感じられるエピソードです。

↓は、ジョンソンM1941自動小銃のCG動画です。1分45秒以降のシーンを見ると、撃発時にバレルがわずかに前後運動し、またボルトが回転することによって閉鎖する仕組みが、確認できます。
また2分25秒以降のシーンを見ると、ロータリーマガジンの仕組みが分かります。スプリングの力で押し上げる点ではボックスマガジンと同じですが、ボックスマガジンと違って、取り外しができません。

https://www.youtube.com/watch?v=O-gSqKWbZpQ

ボルトに取り付けられたマイクロロッキングラグがバレルと噛み合い、バレルの閉鎖を行ないます。バレルが回転することによって閉鎖が解かれ、ボルトはそのまま後退を続けます。
このショートリコイルとロータリーボルト式を組み合わせた作動メカニズムは、第二次大戦中に開発されたモーゼルMG34機関銃と同じです。現在では、ライフルの作動方式としては、完全に使われなくなったメカニズムです。
ロータリーボルト式は閉鎖機構の強度を高くできますが、作動に強い力を必要とします。そのためショートリコイルではボルトを回転させる力が不足しがちなため、どうしても作動の安定性が他のメカニズムと比べると劣ります。
ショートリコイル方式のライフルが現在の市場に存在しないのは、これが理由です。現在の市場に存在するらいふるでショートリコイル方式を採用しているのは、対物ライフルのバレットM82のような特殊なライフルです。

↓は、ジョンソンM1941自動小銃の簡易分解と射撃を収録した動画です。動画で見ると、未完成な作品特有の、味のある外見をしています。

https://www.youtube.com/watch?v=kq3sz5uOvns

↓は、ジョンソンM1941自動小銃の完全分解と再組立てを紹介した動画です。このように非常に複雑で手間がかかり、分解後の部品数も多いので、戦場には向かないライフルです。

https://www.youtube.com/watch?v=Tc5-jqnPgVk

前線で毎回このような手間のかかる分解を行なうのは、極めて非現実的です。さらに部品の紛失が多発することも、予測されます。また整備し終えた後、上手く組み立てられているか不安になる小銃です。
このように整備性が非常に劣っているので、もし採用されたら、現場の兵士から非難轟々だったと思います。

ジョンソンM1941軽機関銃


ジョンソンM1941軽機関銃は、BARの後継を目指して開発された軽機関銃です。設計が完了したのはジョンソンM1941自動小銃と同じ1941年で、開発はジョンソンM1941自動小銃と同時に行われていました。
内部構造は、ジョンソンM1941自動小銃にフルオート機能を追加し、マガジンをボックスマガジンに変更した以外は、ジョンソンM1941自動小銃とほとんど同じです。そのため多くの部品が共通となっています。

マガジンは、横から差し込む仕組みになっています。そのため伏せ撃ちの状態からのマガジン交換が、素早く出来ます。
この利点は、実際に使用した兵士の間では好評でした。

ジョンソンM1941軽機関銃の風変わりな点として、作動の仕組みがセミオートとフルオートで異なっている点が挙げられます。セミオートではクローズドボルトで、フルオートではオープンボルトで作動します。
このような仕掛けにした理由は、フルオート時の過熱を防ぐためです。つまりチェンバーが閉鎖されている時間が、オープンボルトはクローズドボルトより短いので、オープンボルトはチェンバーの過熱を防ぐ上では有効です。
明らかにオーバーエンジニアリングな発想で、現代の銃火器には見られないメカニズムです。アサルトライフルという概念が生まれる前の、自動小銃の黎明期ゆえの発想だと言えます。

このジョンソンM1941軽機関銃にメルヴィン・ジョンソンが付けたニックネームは、『エマ』です。

このジョンソンM1941軽機関銃も、メルヴィン・ジョンソンの必死の売り込みにもかかわらず、正式採用には至りませんでした。アメリカ陸軍は採用を見送り、引き続きBARを使用することを決定しました。
諦めきれないメルヴィン・ジョンソンは、海軍に売り込みを始めました。そして海軍では仮採用が決まり、海兵隊と空挺部隊の一部に支給されました。
しかし海軍でも、メルヴィン・ジョンソンが望んでいた正式採用は得られませんでした。

後にメルヴィン・ジョンソンは、ジョンソンM1941軽機関銃を短縮したM1947オートカービン(ニックネームは『デイジーメイ』)を、1941年に開発します。しかしM1947オートカービンは試作のみに終わり、量産はされませんでした。
前述の通り、このM1947オートカービンが、メルヴィン・ジョンソンの最後の作品となりました。

次に紹介するジョン・ピダーセンは、ピダーセン・ライフル以外にもハンドガンやショットガンの設計も行った多彩な銃器デザイナーです。彼が設計したM53はガバメントと正式拳銃の座を争ったので、ジョン・ブローニングのライバルでもあります。
またジョン・ブローニングと共同で設計を行なったこともあり、ジョン・ブローニングはジョン・ピダーセンを、『世界で最も優れたガンデザイナーの一人』と評しました。

ジョン・ピダーセン

ジョン・ピダーセンは1881年5月21日にネブラスカ州グランドアイランドで、デンマーク移民の牧場主の家庭に生まれました。そして1951年5月23日にマサチューセッツ州ブランドフォードで、70才で冠状動脈で亡くなりました。
青年期までの経歴は、よく分かっていません。しかし20世紀前半には、レミントン社の技術者として、いくつかの銃器の設計を行なっていました。

ジョン・ピダーセンは非常に優秀な銃器デザイナーで、70件以上の特許を取得し、戦前のレミントン社の商品の設計の大部分に加わりました。特にポンプアクション式ショットガンの改良に多大な才能を発揮し、レミントン社を裏方から支えたデザイナーです。
その中でも特に重要な成果は、ジョン・ブローニングの基本設計に改修を加え、レミントンM17を完成に導いたことです。このレミントンM17は、現代のポンプアクション式ショットガンの基礎を形成した、技術史において大きな礎となったショットガンです。
ジョン・ブローニングのジョン・ピダーセンに対する高い評価は、この時の経験を元にしているのだと思います。このように優れたデザイナーで、ジョン・ブローニングの評価通りの実績を成し遂げました。

しかしジョン・ピダーセンの得意分野は既存の技術の改良と摺り合わせで、新しいアイディアの創出は苦手でした。つまり舞台裏の仕事でこそ、実力を発揮するタイプのデザイナーです。
レミントンM17も、設計の土台となる部分は全て、ジョン・ブローニングが考え出しました。ジョン・ピダーセンの役割は、あくまでも改修です。
ジョン・ピダーセンが独自に考え出したメカニズムは、複雑すぎるものばかりでした。作動や整備面のデメリットが目立つため、他の銃火器に採用されることなく忘れ去られました。


地味な風貌で、縁の下の力持ちって感じです。

レミントンM51


レミントンM51は、1917年にジョン・ピダーセンし、レミントン社が製造した、レミントン社初のセミオート・ハンドガンです。ヘジテーション・ロック式という、非常に独創的な閉鎖機構が採用されています。
ヘジテーション・ロック式とはディレードブローバックの一種で、スライド後部に内蔵されているブリーチ・ブロックがスライド作動時に上下することによって、チェンバーの開放を遅らせます。StG44やFN/FALのような、初期のアサルトライフルに採用されていたティルトボルト式閉鎖機構に、発想が似ています。
極めてマイナーな作動方式で、私の知る限りではヘジテーション・ロック式を採用したハンドガンは、M51しか存在しません。ヘジテーション・ロック式を採用したハンドガンが存在しないのは、上手く作動させることが難しい、非常にデリケートなメカニズムだからです。

ヘジテーション・ロック式の利点は、射撃時の反動が少ないことです。スライドを軽くすることができるので、同じ口径の他のハンドガンよりも、反動が少ない撃ち易い銃にすることができます。
この点をアメリカ海軍は高く評価し、レミントンM51に強い関心を抱きました。正式採用を目指すレミントン社は、M51を.45ACP弾仕様に改良したM53を開発しました。このM53は、海軍のテストを受けて一端は準正式ハンドガンとして採用されかけましたが、兵站の混乱を避けるためキャンセルされました。

M51は1927年に生産終了となりましたが、2014年にR51としてリメイクされました。しかしR51は欠陥が多く、作動不良が多発しました。
↓で、R51を説明しています。また作動不良に関しては、現行品のバージョン2では、大幅に改善されているようです。

https://sakuhindb.com/pj/6_A4CFA4F3A4D6A4E9A4D3/20190505.html

↓は、ヘジテーション・ロック式の作動を説明した動画です。CGのモデルはリメイク品のR51ですが、M51も、これと全く同じメカニズムで作動します。
R51とM51は、外見こそ違いますが、内部メカニズムは全く同じです。

https://www.youtube.com/watch?v=M8pQT5XxiuA

赤いパーツが、ブリーチ・ブロックです。ブリーチ・ブロックがフレーム上部(青い部分)に刻まれている窪みに引っ掛かることによって、チェンバーの開放を遅らせます。
またストライカー方式ではなくハンマー方式だということも、この動画を見ると分かります。M51はハンマーが露出していないため、一見するとストライカー方式のように見えますが、内蔵式のハンマーがファイアリングピンを叩くことによって激発します。

↓は、レミントンM51の分解方法を説明した動画です。
スライドが小さくてバランスが悪いですが、そのアンバランスさが独特の魅力を生み出しています。レミントンM51だけでなく、この時代の銃には全て、黎明期特有の魅力があります。

https://www.youtube.com/watch?v=OcUS5TrqwFY

バレルを取り出す前にスライド後部から取り出したパーツが、ブリーチ・ブロックです。あのパーツがフレームに引っ掛かり、スライドの後退を遅らせます。
またファイアリング・ピンとブリーチ・ブロックが、干渉し合わないようになっているのが分かります。なかなか工夫された構造です。

ピダーセン・ライフル


ピダーセン・ライフルは、M1ガーランドと正式小銃の座を争った試作ライフルです。開発は1923年から1929年にかけておこなわれ、ジョン・ピダーセンが設計を担当しました。
M1ガーランドよりも軽量で反動が少なく、撃ち易さの点では優っていました。しかし作動性と整備性がM1ガーランドよりも劣っていたので、正式採用には至りませんでした。

メカニズムは、トグルロック式ディレードブローバックという、極めて珍しい独創的なものです。ジョン・ピダーセンは、オリジナルデザインをやらせると、メカニズムを無駄に複雑にする悪癖があったようです。
トグルロック式とは、二つのパーツを連結して作られたボルト部分が、逆V字型に折れて伸縮運動を起こすことによって、チェンバーの開放と閉鎖を行なうやり方です。伸縮運動に対する抵抗がブレーキとなって、チェンバーの開放を遅らせます。
閉鎖を行なうボルト部分のメカニズムは非常に複雑で、作動性を維持するには頻繁な分解整備が必要でした。またカートリッジには、装填と排莢を滑らかにするためのワックスがけが必要でした。

このように前線で使うには、あまりにもデリケート過ぎる小銃です。そのため少数の試験運用としても採用されず、生産は試作品のみに終わりました。
それでもジョン・ピダーセンは諦めず、ヨーロッパ諸国や中華民国に売り込みを図りました。しかし、いずれの国も採用を見送りました。
唯一、関心を示した人物が、日本陸軍の銅金中佐です。彼はピダーセン・ライフルを日本の小火器体系に合った自動小銃と確信していましたが、日本でも正式採用には至らず、自動小銃の研究用のサンプルとして極少数が購入されるに留まりました。

↓は、ピダーセン・ライフルの射撃シーンです。このようにボルト部分が折り畳まれることによって、チェンバーの開放を行ないます。
ルガーP08と似た仕組みですが、作動方式は違います。ルガーP08はショートリコイルで、ピダーセン・ライフルはディレードブローバックです。

https://www.youtube.com/watch?v=FDPAMAheqYg

ボルト部分の動きがメカニカルで、カッコイイです。銃全体のデザインもスマートで、繊細で華奢な、美しい見た目をしています。
また撃ち終えると、空となったクリップが放出されます。装填方法は、M1ガーランドと同じクリップ装填です。


解放状態にあるボルト部分。メカニック・ビューティーで、非常にメカニカルな魅力に満ちています。

またトグルロック機構と並ぶピダーセン・ライフルのもう一つの特徴として、.276ピダーセン弾という独自開発のカートリッジを採用している点が挙げられます。.276ピダーセン弾とは、.30-06弾に代わるライフル・カートリッジとして、ジョン・ピダーセンが設計したものです。
.30-06弾は威力が強すぎて、自動小銃で安定させて作動させるには、当時の技術では難しいカートリッジでした。一方.276ピダーセン弾は、.30-06弾よりも小型の、より自動小銃用に最適化されたカートリッジです。
.276ピダーセン弾の性能は.30-06弾を上回りましたが、兵站の混乱と予算の肥大化を嫌った陸軍上層部の意向により、正式採用には至りませんでした。そのため.276ピダーセン弾は試作カートリッジに留まり、ピダーセン・ライフルと同じく量産されていません。

前述の通りピダーセン・ライフルは試作品しか製造されませんでしたが、様々な国に売り込みを行ないました。そのため試作品のみに終わった軍用銃の中では比較的多く製造され、総生産数は200丁ほどです。
製造されたピダーセン・ライフルは、ごくまれにオークションで非常に高価な価格で取引され、民間に流れます。上記の動画も、そういう経緯を経て民間で所持されているものです。
ピダーセン・ライフルはメカニズム的に面白いので、複製すれば一定の売上は達成できそうな気がします。しかし模倣した商品が存在しないのは、メカニズムとしてのデメリットが多過ぎるからです。

今回紹介した二人が考え出したメカニズムは、全て『後のデザイナーに模倣されなかったもの』です。つまり後世への影響力は皆無で、技術史上の価値は存在しません。
唯一、ジョンソンM1941自動小銃のボルト前方部分の形状のみが、マイクロロッキングラグとして現在の小銃に使われ続けています。後は全て消え去った、淘汰された技術です。
優秀なメカニズムは、なんらかの形で後に模倣されるはずです。しかし二人が考え出したメカニズムは技術史の中に埋もれて消え去り、再評価されることはありませんでした。



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2019/05/05 「駄作なハンドガン」 分類: 銃の知識
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今回は、駄銃として名を遺したハンドガンを紹介します。多くの致命的な欠陥を抱えていたため、早い段階で製造が中止となった失敗作です。
駄銃には、大手が作ったものと、零細メーカーが作ったジャンク・ガンとがあります。今回は大手が作った駄銃に限定して、紹介します。

まず最初に紹介するのは、コルト社が開発したコルト・オール・アメリカン2000です。実際に市販されたハンドガンの中では、最も大きな赤字を生み出した商品だと言われています。
これはロータリーバレル式ショートリコイルという、非常に珍しいメカニズムを採用した実験的なハンドガンです。メカニズムの独創性を追求したため、実用性が著しく低い失敗作となりました。

コルト・オール・アメリカン2000


コルト・オール・アメリカン2000は、著名な銃火器設計者であるユージン・ストーナーによって設計された9㎜オートのハンドガンです。独創的なメカニズムとユージン・ストーナーの名声で民間市場の興味を引きつつ、ポリマーフレームとダブル・アクション・オンリーの採用で法執行機関の採用も狙った商品です。
また名称から分かる通り、『アメリカ人が設計し、アメリカで製造された』銃だということを、大々的に宣伝しました。アメリカの銃火器市場を席巻しているSIG、CZ、H&Kといったヨーロッパ製のハンドガンに対抗して、アメリカ人の愛国的情緒に訴える意図もありました。

コルト社はヒットを確信し、大規模な設備投資を行ないました。しかしターゲットを定めない商品は売れないという鉄則通り、商業的には大失敗に終わりました。
製造期間は1992年から1994年までのわずか二年間で、製造された二万丁は在庫の山となりました。

この銃の問題点は、以下の三つです。この欠点によって、商業的に失敗しただけでなく、購入者からも酷評されました。

1、トリガー・メカニズムのデキの悪さ

この銃の欠点として、最も多く取り上げられるのが、トリガー・メカニズムです。ダブル・アクション・オンリーなためトリガーを引く距離が長く、またトリガー・プルも重い。長くて重いトリガー・メカニズムのため、操作性は最悪です。
このためガク引きになりやすく、命中率は同じクラスのハンドガンと比べると、大きく劣っています。当たらない銃に価値はないので、酷評されたのは当然です。
しかし等身大の的に当てる精度は持ち合わせているので、法執行官向けと考えれば、十分な命中率です。趣味で買う層にまで売ったため、酷評された面もあります。

またローラーによるトリガーの移動という、全く前例のないトリガー・メカニズムを採用しています。これはユージン・ストーナーが開発した、オリジナルのメカニズムです。
他のハンドガンは、トリガーがピンでフレームに固定されています。そして指で引くと、トリガーはピンを中心として、旋回運動を行ないます。
しかしコルト・オール・アメリカン2000は、トリガーの両側面にローラーが取り付けられていて、そのローラーがフレーム内の溝に沿って動きます。そのためトリガーを引くと、水平に動きます。
非常に複雑なトリガー・メカニズムで、信頼性は従来のものよりも劣ります。そのためトリガーを引いた後に指を離しても、トリガーがレスト・ポジションに戻らないというトラブルが、稀に発生します。

2、独創的な作動メカニズムによる信頼性の低さ

この銃はロータリーバレル式ショートリコイルという、自動ライフルと似た閉鎖機構を採用していました。そのためコルト社は、M16のメカニズムを取り入れたハンドガンとして、大々的に宣伝しました。
ただし作動方式はM16と異なりショートリコイルなので、ガス圧ではなく反動で動きます。つまり一般的なハンドガンの作動方式に、M16の閉鎖機構を組み合わせたメカニズムです。

他の一般的なショートリコイルとの違いは、バレルの傾きではなく、バレルの回転によって閉鎖と解除を行なっている点です。そのためバレルの基部には、自動ライフルのボルトと同様に、マイクロロッキングラグが取り付けられています。このマイクロロッキングラグがスライドの溝と噛み合うことによって、チェンバーの閉鎖と解除を行ないます。
本来はライフル用のメカニズムなので、ライフル弾よりも威力の小さい拳銃弾では、バレルを回転させるだけのパワーが不足します。構造上、どうしても作動不良が多くなるメカニズムです。
そのためロータリーバレル式ショートリコイルを採用したハンドガンは、バレルとスライドの隙間を多くする必要があります。タイトに作ることができないため、精度を犠牲にせざるを得ない作動方式です。

しかしコルト・オール・アメリカン2000以外の採用例がない訳ではなく、ベレッタ社のPx4は、同じメカニズムを採用しています。こちらは作動性と精度の良さの両立を実現しているので、このメカニズムを採用したハンドガンの全てが、失敗作という訳ではないです。
しかしロータリーバレル式ショートリコイルの採用例は非常に少なく、滅多に採用されないのには、それなりの理由があるのも確かです。広く普及しているティルトバレル式ショートリコイルと比べると、確実性に劣るメカニズムです。

3、エキストラクターの壊れやすさ

エキストラクターは、エジェクションポートの横側ではなく、上部に取り付けられています。また形状も、円柱形という独特のものです。
このエキストラクターは上から押さえつけているだけなので、取れ易いという欠点を抱えています。エキストラクターが無くなれば排莢不能となるので、これも大きな欠点です。


通常分解されたコルト・オール・アメリカン2000。分解自体は簡単で、専用工具無しで十数秒で行なえます。
トリガーはピンで固定されていないので、簡単に取り外すことができます。トリガーに付いている銀色のパーツは、ストライカーを激発位置に持っていくためのシアです。
一番下の真ん中にある四角いパーツは、カム・ブロックです。カム・ブロックとは、バレルに付けられたカムと噛み合うことによって、バレルの動きをコントロールするためのパーツです。


上がバレルで、下がカム・ブロックを取り付けたフレームを上から見たところです。
緑色の枠がマイクロロッキングラグで、スライドの溝と噛み合うことによって、チェンバーの閉鎖を行ないます。
赤い枠は、ティルトバレル式のハンドガンでは、バレルリンクに当たる部分です。これがカム・ブロックの黄色い枠の部分と噛み合い、バレルの回転と水平の動きを制御します。

↓は、コルト・オール・アメリカン2000の射撃シーンの動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=53T4IKX7Inw

エジェクションポートの内側をよく見ると、バレルが回転しているのが分かります。

↓の動画を見ると、トリガー・ストロークの長さが実感できます。

https://www.youtube.com/watch?v=OWKBWZuhVDA

このようにトリガー・ストロークが長いので、非常に引き辛いハンドガンです。そして長い距離をローラーで動かすため、どうしてもトラブルが発生し易くなります。
またセイフティのように見える大型のレバーは、スライドストップです。コルト・オール・アメリカン2000には、マニュアル・セイフティは付けられていません。

↓は、コルト・オール・アメリカン2000を説明した動画です。訳文を付けます。また赤文字は、私が書いた補足です。

https://www.youtube.com/watch?v=j_RoFTWKAoY

この銃は、有名なデザイナーのユージン・ストーナーによって設計されました。プロトタイプの出来は優秀で、特許権をコルト社が買い取りました。
コルト社は、設計に多くの変更を加えました。オリジナルは、グリップとバレルが短かく、シングルカラムのマガジンでした。しかしコルト社は命中率を求めてバレルを延長し、装弾数を増加するためダブルカラムのマガジンに変更しました。
これ以外にもコルト社は、設計を変更しました。

ユージン・ストーナーは、護身用の小型ハンドガンを目指して設計したようです。一方コルト社は、販売対象を趣味の射撃から軍警察まで幅広く想定していましたが、護身用は対象外でした。
ストーナーとコルト社とでは、想定していた購買層が全く異なっていました。これでは開発が上手くいかなかったのも当然で、失敗作となったのは当たり前です。


2分40秒:引金を引くシーンを、注意深く見て下さい。非常に引く距離が長いです。

2分53秒:オール・アメリカン2000の長くて重いトリガーは、コルト社の顧問弁護士の指示によるものです。ストーナーがデザインした時点でのトリガー・プルは6ポンドでしたが、暴発事故による訴訟を恐れたため、12ポンドに改悪されました。

3分17秒:オール・アメリカン2000のメカニズムは、かなり変わっています。ロータリーバレルによる閉鎖機構とショートリコイル式システムの組み合わせです。
バレルとスライドがロックされた状態で数ミリ後方へ移動し、バレルが回転してロッキングラグが外れ、閉鎖が解除されます。このサイクルで、排莢と装填を繰り返します。

3分48秒:オール・アメリカン2000の分解は、非常に簡単です。スライドを引くと、スライドストップがスライドを固定します。
テイクダウンピンを引っ張り出し、スライドストップを操作すると、スライドが前進し、フレームから取り外せます。

4分24秒:(トリガーメカニズムをフレームから取り外して)オール・アメリカン2000の最も珍しい部分は、このトリガー・メカニズムです。
トリガーはローラーによって、前後水平に動きます。他の銃のようなピンを軸とした旋回運動でなく、フレームのガイドに沿って真っ直ぐに動きます。

4分59秒:(トリガーメカニズムを手にしながら)この金属製のシアが、ストライカーを激発位置まで引っ張ります。

5分52秒:このトリガー・メカニズムの欠点は、トリガーを引く距離が非常に長いことです。

6分24秒:フレームは、いくつかのピンとエジェクターを除いて、全てポリマー製です。

6分38秒:(カム・ブロックを手にしながら)この金属製パーツは、バレルを回転させるためのカム・ブロックです。

6分52秒:(スライドを分解しながら)バレルブッシングは、長さ1インチです。
設計が悪いので、使っている内に磨滅してグラつくようになります。そのため前方に付いているフロントサイトもグラつくようになり、サイトとしての役割を果さなくなります。

7分30秒:(取り出したバレルを手にしながら)バレルには、四つのロッキングラグと一つのカムが付けられています。このカムが、カム・ブロックと相互作用することによって、バレルが約10度から15度ほど回転します。

ロッキングラグは、スライド内部の窪みと噛み合ってロックを行ないます。カムはカム・ブロックと噛み合って、回転だけでなく前後運動も含むバレルの動きを、全てコントロールします。

7分56秒:(バレルとカム・ブロックを取り付けた状態のスライドを手にしながら)ロッキングラグがスライドの窪みと噛み合っている時は、完全にロックされています。
しかしスライドが後退すると、バレルとカム・ブロック双方に付けられているカムの働きによって、バレルが回転します。そしてバレルとスライドのロックが解除されます。
その後は、バレルはカム・ブロックに固定され、スライドだけが後退します。以後の動きは、他のショートリコイル式ハンドガンと同じです。

9分00秒:組み立ては、まず最初に、トリガー・メカニズムをカム・ブロックに取り付けます。後は分解した手順と逆のやり方です。

80年代以降、高性能のヨーロッパ製オートマチックが続々とアメリカ市場に入ってきました。そのためオートマチックの分野で後れを取っていた米国製メーカーでは、太刀打ち出来ない状況が続きました。そのためコルト社とS&W社は、長きに渡って衰退の道をたどることとなりました。
これを打破するため、コルト社は一石三鳥を企てたコルト・オール・アメリカン2000を販売し、大失敗しました。一方S&W社は、他の銃を丸パクリという、恥も外聞も捨てたやり方を選び、シグマSW40Fを開発しました。

オリジナリティにこだわったコルト社は、プライドがあったというべきか。あるいは他の商品をパクっても確実なものを販売しようとしたS&W社は、堅実だったというべきか。

シグマSW9F


シグマSW9Fは、S&W社が1994年に発売した、ポリマーフレーム製のハンドガンです。内部メカニズムはグロック17のデッドコピーで、そのためグロック社から訴えられ、莫大な和解金を支払う羽目になりました。
パクリの度合いは酷く、メカニズムが似ているだけでなく、いくつかの内部部品の形状が同じでした。つまり部品に互換性があり、シグマとグロックの内部部品を入れ替えて作動させることが可能でした。グロック社から訴えられたのも、当然です。

メカニズムにおけるシグマとグロックの違いは、セイフ・アクションの有無です。グロックには、セイフ・アクションという独特のトリガー・メカニズムが組み込まれています。しかしシグマは、セイフ・アクションが省略され、普通のDAOを採用しています。
そのため常にダブル・アクションで撃つ必要があり、グロックの長所である速射性は失われました。この点が、デッド・コピーと酷評される所以です。

グロック社と和解したS&W社は、設計をリニューアルしたシグマSW9VEを、1999年に発売しました。これは300ドルという低価格で、他のポリマーオートと比べると200ドルほど安価な商品でしたが、ヒットには至りませんでした。
そして2011年にS&W社は、SDシリーズという新たな低価格ポリマーオートを、市場に投入しました。そして商品としての役割を終えたシグマは、カタログ落ちしました。

↓は、シグマの分解方法です。グロックと全く同じです。

https://www.youtube.com/watch?v=jCFY-pwQzlQ

次に紹介するのは、1816年創立というアメリカ最古の歴史を持つレミントン社が、2014年に販売したハンドガンです。名称をレミントンR51といい、ヘジテーション・ロックという独特の閉鎖機構を採用しています。
これはレミントン社が1917年に販売したM51を、9㎜オートとしてリニューアルした商品です。本来は.380ACP弾用のメカニズムを、9㎜パラべラム弾のハンドガンに導入したため、真面に作動することすら出来ない欠陥商品となりました。

しかしレミントン社は諦めず、レミントンR51の改良バージョンを開発しました。そのためレミントンR51は、現在でも販売が続けられています。

レミントンR51


レミントンR51は、レミントン社が2014年に発表した、9㎜パラべラム弾のオートピストルです。サブコンパクトのサイズとポリマー製のフレームという、護身用ハンドガンとしての需要を狙った商品です。
しかし内部メカニズムは独創的というよりは懐古趣味で、レミントン社が1917年に販売したM51と全く同じメカニズムを採用しています。R51とM51の違いは、口径を9㎜パラべラムに改め、フレームをポリマー製に代えた点のみです。
つまりレミントンR51は、100年近く前に製造されたハンドガンを現代風にリメイクしたものです。実用性が要求される護身用ハンドガンの設計に、なぜ懐古趣味的な要素を入れたのかは不明で、理解に苦しみます。


左がM51で、右がR51。外見は違いますが、中身は全く同じです。作動装置も、トリガーメカニズムも、安全装置も、同じものが採用されています。よく見比べると、全体の配置がソックリなことに気付くと思います。

M51は、ヘジテーション・ロックという、他に例を見ない閉鎖機構を採用していました。オートピストルの黎明期に考え出された閉鎖機構で、ディレード・ブローバックの一種です。
スライド後部に取り付けられているブリーチ・ブロックがスライド作動時に上下運動し、これによってチェンバーの開放を遅らせます。発想としては、StG44やFN/FALのような、初期のアサルトライフルに採用されていたティルトボルト式閉鎖機構に似ています。
またディレードブローバックを採用した他のハンドガンと比べると、燃焼ガスを使うH&K/P7より、機械的な仕掛けで閉鎖の解除を遅らせるローラー遅延式のH&K/P9に近いと言えます。
もちろんブロックの上下運動は、ローラーの回転運動と比べると、はるかに作動の安定性に欠けます。そのため作動の確実さは、H&K/P9と比べると大きく劣ります。

↓は、レミントンR51の作動を説明したCG動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=JnxmpF6Iouc

スライド後部に、ファイアリング・ピンが内蔵されている部分が、上下に動いているのが確認できます。あれがブリーチ・ブロックで、スライドとは独立して動くことによって、閉鎖の開放を遅らせます。
動画を見れば分かる通り、上手く作動させることが難しいデリケートなメカニズムです。非常に無理のある作動方式で、採用例がM51のみだったのも納得がいきます。M51が作動したのは、.380ACP弾という低威力の弾頭だったからです。
R51は、このヘジテーション・ロックを、なんの工夫もなく9㎜パラべラムのオートに採用しました。そのため作動不良が連発し、一マガジンを撃ち尽くすことすら難しいハンドガンとなりました。

レミントン社がディレードブローバックを採用した理由は、バレルがフレームに固定されているからです。バレルが固定されているため高い命中精度が得られると、レミントン社は推測しました。
しかしショートリコイルはバレルが動くため命中率が劣るというのは、俗説です。なぜならバレルが傾くのは弾頭が銃口から出た後なので、バレルの傾きは命中率には全く影響を与えません。
なぜ、このような基礎的なことをレミントン社の技術者は知らなかったのか、不思議です。あるいは話題を集めるため、あえて懐古趣味的なメカニズムを採用したのかもしれません。

作動メカニズムだけでなく、R51はトリガーメカニズムや安全装置までM51と同じで、100年前のものを全く改良せずに採用しています。そのため試行錯誤の時代に設計された銃特有の欠点の多くが、R51には残されたままとなりました。
例えばトリガー・メカニズムはシングルアクションですが、R51にはマニュアル・セイフティが付いていません。また内蔵ハンマー式なので、手動でデコッキングすることができません。
そのためチェンバーに初弾を送り込むと、安全性が完全に欠落した状態(ハンマーはコックされ、しかもロックされていない)で携帯することになります。グリップセイフティが付いていますが、護身用として携帯するには、非常に危なっかしい銃です。

苦情の多さから、レミントン社は2016年に、バージョン2の開発を発表しました。そして従来のユーザーには、無償交換を約束しました。そのため作動不良に関しては、大幅に改善されました。
しかし、なぜか安全装置の欠陥は、改良しませんでした。現在もレミントンR51は製造が続けられていますが、マニュアル・セイフティは追加されていません。

↓が、レミントンR51の分解方法を説明した動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=-fwEqnRUq0g

スライドストップを取り外したら、一端スライドを後退させて、バレルの先端を掴んだままスライドを前方に引き抜きます。
1分40秒のシーンでスライドから取り出したものが、ブリーチ・ブロックです。これがスライド内部で上下に動き、チェンバーの開放を遅らせる働きをします。

↓は、レミントンR51のバージョン2の作動性能を、様々なカートリッジを使ってテストした動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=fcf1cTJCGk4

1分50秒~2分53秒(通常のカートリッジを使ったテスト):最初の射撃は、第一発目から失敗しました。しかし、その後は2マガジンを無事に撃ち終えました。

2分53秒~4分07秒(スチール製のカートリッジを使ったテスト):作動不良が連発し、真面に作動しません。

4分07秒~4分46秒(ウィンチェスター社の弾薬を使ったテスト):一流弾薬メーカーであるウィンチェスター社の弾薬では、完璧に作動しました。

5分50秒~6分28秒(Magtech社のHP弾を使ったテスト):これも完璧です。

6分28秒~7分20秒(Speer社のGold Dot弾を使ったテスト):これも完璧です。今のところ、真鍮製カートリッジでは問題なく作動しています。

7分20秒~9分00秒(Tula社のスチール製カートリッジを使ったテスト):再び安価な鉄製カートリッジを使ってテストします。これは上手く作動しませんでした。

9分00秒~9分30秒(Fiocchi社のカートリッジを使ったテスト):これは素晴らしい作動を見せました。

10分34秒~11分38秒(ドイツ製の軍用カートリッジを使ったテスト);一つ目のマガジンは無事に撃ち尽くしましたが、二つ目で装填不良が発生しました。

11分38秒~12分23秒(Federal社、Winchester社、Fiocchi社のカートリッジを使ったテスト):これらの一流メーカーのカートリッジでは、全て全く作動不良を起こさず、素晴らしい性能を発揮しました。

12分23秒~13分43秒(Brown Bear社のスチール製カートリッジを使ったテスト):不発と作動不良が多発しました。

スチール製カートリッジでは、作動不良が多発しています。しかし真鍮製カートリッジでは、確実に作動しています。
スチール製のカートリッジとは、鉄で出来たカートリッジです。一般的にカートリッジは真鍮で出来ていますが、鉄製の安価なカートリッジも、市場には存在します。
ただし銃火器は、本来は鉄製のカートリッジの使用を想定していません。鉄は真鍮と違って変形し易いので、チェンバーに貼り付き易くなるからです。
だから鉄製カートリッジで作動不良が発生しても、特に問題視することではないという気がします。バージョン2の作動性能は、私は完璧なように思えます。
しかし動画製作者は、練習には鉄製カートリッジを使用するという考えなので、鉄製カートリッジでも問題なく作動することを重視しています。

↓も、レミントンR51のバージョン2の作動性能を、様々なカートリッジを使ってテストした動画です。こちらはマガジンに三発だけ詰めて、テストしています。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=elbgb8pafUE

最初に作動不良が発生した以外では、快調に作動しています。上の動画でも最初に作動不良が発生したので、箱出し後にはアタリを取る必要があるのかもしれません。しかしアタリさえ取れれば、後は快調に作動します。
採用されているメカニズムは、オートマチック・ハンドガンの黎明期に考え出されたものです。この点を考慮に入れれば、バージョン2の改良を行なったレミントン社のスタッフの力量は、極めて優れていると言えます。

レミントンR51のバージョン2は、安全装置の不備以外は、それほど悪いハンドガンではないようです。そのため今回紹介した三つの中では、唯一販売が続けられています。
しかし安全装置の不備というのは、無視できない欠点のはずです。安全装置を取り付けること自体は難しくないのに、なぜ改良しないのか不思議です。

ポリマーオートの時代を切り開いたグロック17は、『世界一醜い銃』と揶揄されながらも、その高性能で全世界を席巻しました。そして以後のハンドガンのデザインに多大な影響を与えました。
今回紹介した銃は全て、そのグロック17の多大な影響の元に開発されました。そのため工芸品的な美しさと対極の、武骨で野暮ったいデザインとなりました。
つまり見た目にリソース(労力)を注ぐことを、極限まで減らしたデザインです。

しかし購買意欲において、見た目は重要な要素です。外見が良ければ、そこに惚れ込むファンが必ず生まれますから。
オートマグはオートジャムと呼ばれるほどの欠陥商品のため、1982年に生産が終了となりました。しかし見た目の美しさ故に、熱心なファンを生み出しました。そして生産終了から40年近く経った現代に奇跡の復活を遂げ、販売が再開されました。
今回紹介した三つの銃は、製造終了を誰も惜しんではくれません。製造終了となったオール・アメリカン2000とシグマSW9Fは惜しまれていないし、まだ製造が継続しているレミントンR51が製造終了となっても惜しまれないと思います。



当たり前ですが、材質とデザイン性とは無関係です。ポリマー製でも、デザインを美しくすることは可能です。だからポリマーオートにも、美しい銃はあります。
と言っても数は少なく、私が知っている中ではベレッタPx4ぐらいです。ベレッタPx4は著名工業デザイナーのジウジアーロがデザインしただけあって、美しい外見をしています。

https://www.youtube.com/watch?v=G3kmJ7N-5os



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