[漫画]私がいてもいなくても


わたしがいてもいなくても / Watashi ga itemo inakutemo
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2001年漫画総合点124位231作品中
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作品紹介(あらすじ)

主人公である安部晶子は高校卒業後はフリーターをしながら実家で暮らしていた。しかしバイトは長続きせず、大学生の兄・拓也に固執して溺愛する母に嫌気が差していた。 そんなある日、中学時代の同級生であり売れっ子漫画家の神田川真希と偶然に再会し、アシスタントの仕事を頼まれる。そして、真希の恋人である売れない漫画家の日山一とも出会う。 最初は寡黙な日山を敬遠していた晶子であったが、真希の無神経な発言や周囲とのズレにより悩み傷付いた時に慰めてくれる日山に徐々に惹かれ始める。
※ このあらすじ部分にはWikipediaを参考/または引用した部分があり、GFDLのラインスが適用されます。
著者:いくえみ綾
出版:集英社
※ この説明部分にはWikipediaを参考/または引用した部分があり、GFDLのラインスが適用されます。
日本 開始日:2001 別冊マーガレット 7月号 / 終了日:2002 8月号
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最終変更日:2014/09/24 / 最終変更者:ねぎ麻雀 / 提案者:ねぎ麻雀 (更新履歴)
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2018/09/01 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:43(58%) 普通:18(24%) 悪い:13(18%)] / プロバイダ: 14869 ホスト:15235 ブラウザ: 8321
十数年かぶりにいくえみ綾の作品を改めて読んだので感想を



十数年というのも理由があって苦手漫画家の1人だった
というのは彼女は恋愛において気持ちがはっきり定まらない女を描いており
取り上げられるヒロインの気持ちは常に揺れる波のように不安定で、
その不安定で朧げな揺れる気持ちの全容、在り様をどうにかして掴んで描こうとするも霧のような実体のなさなので掴み切れない、
そんな苦闘を彼女の昔の作品に感じていた
登場人物たちの揺れる気持ちの一瞬を切り取って、感傷的ながら少女漫画的な文学性を持って描くのが彼女なわけで独特の作家性はあった
まあ、難しく言えば内向的な感情型の人に典型的なストーリーなのだが

ただあまり好きではなかった
別にbitch反対と言ってるわけじゃなく、人間誰しも気持ちが動くときもあるだろうけど、
浮気や不倫って自分も含めて周囲をトラブル地獄へ追いやる道って覚悟して描いているのかなという疑問が付きまとっていた
どうしようもないドロドロの修羅場を描いているのに表現がキレイ過ぎるというか…
ヒロインも大変だけどそんな不安定な気持ちの人に振り回される周囲はもっと大変だよねと思うので、
「流されやすい女」であるヒロイン視点で描かれる彼女の話に
感情の機微を描く文学性があることが理解できても共感はできなかった
しかも彼女の話には「なぜヒロインは流され易いのか?」という人物の背景に一歩踏み込んで克明に描く視点がなく、
雰囲気押しで「察しろ」モードなので共感力のない私には物凄く厳しい
浮気も不倫も覚悟あるならどうぞやれば?と突き放すのが私なのでストーリーに対する不快感はなかったが




ただ久しぶりに最近の作品を読んでみて「おや?この人変わったな」という感想を持った
まず、昔に比べてそれぞれの人物像の輪郭がはっきりしている
昔は、男を描いても色々な特徴の男に作者の延長線上であるような気持ちがすぐ揺れる属性が追加されており
とってつけたような人物造型にあきれていたのだが、いつになくリアリティがあり、地に足がついている
彼女の作品は「恋愛あるある」を描くので、人物造型にリアリティはあった方が生々しさが増す


そして最も大きな違いは、この作品では「流されやすい女」である自分自身の在り様、足元を見つめ直そうとしていることだ
昔のように登場人物たちの揺れる気持ちに囚われ、そこを描くことに注力するのではなく、
掴みづらい揺れる感情を捉えようとする拘りから一旦離れて
生い立ちから自分を振り返る人物を描くのは作家自身の成長なのだろう



【構成】
個人的にはこの作品は感覚的な流れが多い他作に比べてかなり構成が練られていると思う
大まかに纏めると以下の関係が出てくるのだが

1. ヒロイン晶子と母親の関係
2. 母親と晶子の兄の関係
3.晶子と友人真希の関係
4.真希の恋人である一(はじめ)と晶子の関係
5.真希と一の関係
6.晶子と恋人の剛史の関係

ただこの話でキーとなるのはやはり母親と晶子、晶子と真希、晶子と一との3つの関係だと思う

晶子も晶子の母親も実は似た者同士だ
どちらも1人でいることに耐えられない孤独に弱い依存型だ
母親は仕事にかまける夫から構われない寂しさを紛らわす代償として
男の子である晶子の兄にべったりと精神的に密着し、愛情を注ぐことで寂しさを紛らわせてきた、1人ではいられないのだ
長年に及ぶ過干渉と自由を許さない歪んだ愛情は兄を感情的に苦しめる一方で何もできない人間にしてしまう(実際にはヒモ男になるのだが)
そしてそんな母親から相手にされず育った晶子は劣等感の塊になるが、問題は2つあり
母親から肯定的な自己像を植え付けられなかった故に陥る自己卑下と
同じく精神的に自立して1人で立って歩けない晶子は母親と同じ道を歩む危険性があることだ
母親は未来の晶子の姿でもある
晶子と剛史の関係で晶子が寂しさから剛史とダレた関係を続ける描写がある
晶子の優しさと弱さは表裏一体であり、野放図な性格もあり浮気を続ける剛史を晶子は寂しさから切ることが出来ない
ダメだとわかっている関係性にしがみつき、続けるのは晶子も母親も同じだ



真希は晶子と正反対の性格であり、対比的な役割を担っている
キツイ発言で友人を無くす、典型的な「嫌な女」で同性の友人はいない
ただ、晶子のように人を羨んだり自己卑下に陥って行動を起こさなかったりはしない
全力で目の前の自分に与えられた仕事に取り組む、竹を割ったようなさっぱりした清々しい気性の女だ
自分とは全く違う真希と一緒に仕事をすることで晶子は欠けていた自主性や主体性を学んでいく
どこか反発しながらも惹かれ合う友人関係となる
最後の方は手をあげて殴るまで相手にとって大事なことを主張するし、母親にも兄との関係を見直すよう厳しく忠言する
自己主張が全く出来なかった晶子は真希から強さを学んで「進歩」する



一方で、一(はじめ)と晶子の関係はストーリーのターニングポイントになるのではないかと思う
晶子が一にどことなく魅かれるのは同じような「陰」を持つからだろう
一も似た者同士が故に晶子の自信のなさや弱さ、優しさを理解している
ただ、一は大人しいが晶子や真希よりも遥かに察しが良く、洞察力も観察力もある物わかりの良い男で、
どちらの女も深く理解している節がある
晶子は寂しい人間故に自分の孤独や寂しさを理解してくれる男に魅かれるのだが、
晶子と一は似ているようで決定的に違う面がある
一は物柔らかだがきっぱりとした一面があり、愛してくれなかった肉親への依存心を断ち切り、過去と決別できる孤独に強い男だ
孤独に1人で生きていくことができる上で愛する女である真希を自分は幸せにできるかを悩んでいる


一方、晶子は依存から抜け出せない女だ
晶子が一と自分の決定的な違いに気づいたのは後半で一が初めて家庭の生い立ちを晶子に語るシーンではないかと思う
晶子はずっと母親にかまってもらえない孤独を抱えて育ったが、それは自分だけではないと気が付く
このシーンは一の話に晶子が深く共感するシーンなのだが、孤独を抱えていたのは自分だけではないと知り
悲しみの感情をその場で共有することで過去の傷が癒されたのではないかと思う
晶子は共感型だけにその癒しは他のタイプからは想像もつかないほど深かったのではないかと
(私は感情がほぼ絶滅しかかっている図々しいオッサンなのでそう予想するだけしかできないのだが)

と同時にこのシーンで晶子は一と自分の決定的な違いに気が付く
一は自立しているが故に真希の自由を許し愛することができるが
依存心の強い晶子は孤独から解放されたいが故に相手と関係を続けるだけで相手を真に愛することが出来ない
自由で対等な恋愛は同じレベルの者の間でしか成立しない
晶子と一は同じ土俵にすら立っていないのだ
おそらくここで晶子は1人でも生きていけるようになりたい、
依存心を断ち切りたいと強く願うようになったのではないかと思う
この後、母親との「対決」があり、晶子は過去と決別する、剛史との関係も見直していく
感情の糸でストーリーが繋がれているので感情型ではない私には非常に分かり難かったが、
ターニングポイントや変化は描かれていると思う



【気になる点】
晶子は母親や真希、カレンにはっきりものを言うことで自分を嫌な女だと思う描写が後半にある
でもそれは必要な主張で、ましてや相手の為に主張していることもあり、晶子の優しさでもある、全然「嫌な女」ではない
もちろん作者も分かっていると思う
ホントにこの作品での「嫌な女」というのは、相手を羨んで努力しない、劣等感や自己卑下の塊の女で
晶子は始めはそうだった、でもそこはとことんエゲツなく描いていない、描写がすごーく甘い
ホントに「嫌な女」は一方的に悪意の塊として晶子の影の部分を投影して描かれるカレンであり、
これまた異常に悪意を持って描かれている、自分の分身であるヒロインでなく
脇役に自分の一番醜いところを投影して描くのはちょっとズルイよねと思ってしまった
この話では晶子のズルさをもっと描かないといけなかったんと違う?私はそう思うけど
でないと後半のくだりで真希の「あたしのこと見下してるくせに!」という叫びが空回りしてしまう、上手く響かない
ここが作者の甘さでもあり、繊細な部分なんだろうが




【総合評価】
個人的に作者の変化と成熟を感じられた作品
私は非常に興味深く読めた
甘いところもあるが、作者が今までの自分の殻を破って変化しようとする瞬間が分かり、読んでいて嬉しかった
典型的な感情の機微を描く作家であり、感情型から最も程遠い私の解釈は自分でもあてにならなんなあと思うが、
個人的には面白い試みだと思った
何より人物の背景を詳細に描くやり方は、「察しろ」「感じろ」パワー押しではないので
私のような無粋なオッサンにも分かり易かったのが良かった

2016/05/03 普通(+0 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:153(49%) 普通:125(40%) 悪い:34(11%)] / プロバイダ: 21451 ホスト:21466 ブラウザ: 7911
うーん、私に共感する能力が欠けているんだろうなあ
という漫画でした。

リアリティはあるんです。
私の周りに、こういう人はいないけれど、いたって不自然じゃない。
そんなキャラクター達の行動も、これまた不自然じゃない。
その意味では、理解可能な人達ばかりです。

わからないのは、作者の意図です。
そのリアリティを使って、何を表現したいのか、よくわからない。

「私がいてもいなくても」というタイトルは主人公・晶子の心情を表したものでしょう。
晶子は、最終的には「私は私の力で立って歩きたい」という結論にたどり着きます。
しかし、その過程において発生したキャラクター同士の葛藤のどれが、その結論に導いたのか
頭の悪い私にはわからない。
それぞれの葛藤はリアリティがあるんだけど、リアリティがあるだけで、わかりやすい
物語性は無い。
その為に、主人公の成長因子がなんだったのか、全くわからない。

個々のキャラクターは理解可能でも、それらを繋げて成長させた有機的な関連性
とでもいうのしょうか
どうにもそれが、見えてこないんです。

いくえみさんの作品は、プリンシパルや、G線上のあなたと私、なんかは私でもわかりやすく
恋愛エンターテイメントとして楽しめたんですが、タマにこの作品のように、わからない
作品も出てくるんです。

おそらく、私に理解力というより共感力が欠けているのではないか、と痛感する作品でした
評価は「普通」で。

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