[漫画]夏の前日: 2011/09/24 みゆきちいいいいい


なつのぜんじつ / Natsu no Zenjitsu
RSS
漫画総合点=平均点x評価数1,647位8,765作品中総合点6 / 偏差値50.35
2008年漫画総合点53位275作品中
  投稿の系統で絞込
この評価板内限定
[推薦数:1] 2011/09/24 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:48(52%) 普通:24(26%) 悪い:21(23%)] / プロバイダ: 28413 ホスト:28193 ブラウザ: 5234
【良い点】
・絵
・内容
・テーマ

【総合評価】
どうにも埋められない孤独を抱えながら芸術と葛藤する美大生と、そんな彼を優しく見守る画廊の美人店員の恋愛話。
まだ粗削りでとげの残る青年と、妖艶でありながらどこか少女の顔も持ち合わせている彼女との恋模様は
アダルティックな艶めかしさと、10代の少年少女のような青臭い初々しさを絶妙なバランスで溶け込ませている。

作者の前の作品である『恋風』がなかなか面白かったので、手に取ってみたのだが
前作と比べると、絵が上手くなっており、これまた前作とは違ったクセの無いストレートな恋愛は万人受けするのではないだろうか

主人公の哲生は、頑固な芸術家タイプで口数は少ないがその胸の内では様々な事を思案しており、
自らの将来、本当に描きたいモノ、他者との距離などといった、
若さの象徴でもあるかのような悩みに喘いでいる彼の姿は、誰もが在りし日に経験するようなほろ苦い思い出を想起させる。
そんな青木を優しく見守る年上の彼女・晶がこれまた実にいい女で、
いい女すぎて男を堕落させそうな危険因子は孕んでいるものの、こんな女性に愛されるというのは男冥利に尽きるであろう。
火が灯ったばかりの彼らの恋愛はおそらく今が一番幸せな時期であり、読み手であるこちらもその高揚感に引きずり込まれてしまう。

と、ここまでが『夏の前日』のみを読んだ時の感想である。

ここからは、『水の色、銀の月』という作品も交えながら評価したい。
『水の色、銀の月』とは作者のデビュー作である『水と銀』を含めたオムニバス作品であり、この『夏の前日』の数年後の世界が描かれている。
『夏の前日』というタイトルはこの作品の前日譚という意味合いも含まれているのであろう。
『水の色、銀の月』の中での哲生はあくまで、数あるエピソードの一主人公というだけなのだが、
後日談であるだけに、さり気に本作のネタバレにもなっている。
出版されたのは本作が後であるから、厳密にはネタバレとは違うのだが、哲生と晶の恋愛に陶酔したい読者にはオススメできない作品である。
これを読んだ後に本作を読むと印象が180度変わってしまい、
それまであった高揚感に翳りが差し、彼らが幸せであればあるほど切ない気持ちになってしまう。
別の視点から見る事ができるようになったのはそれはそれで作品の味わいを深くさせているのだろうが、
結末が分かっている恋愛と化してしまった今では、その終わりの形の方に興味が集中しがちになってしまった。

ともあれ、どのような道を歩むのかはやはり気になる所。
今は全く別の位置にある点と点がどういった軌跡を結ぶのか怖々であるが注視していきたい。



共感コメントは階位を持っている論客の方のみが投稿可能ですが、貴方は階位を持っていないか、ログイン状態ではありません。階位は評価を投稿等すると、1日1回の深夜の定期処理により付与されます。
この評価板に投稿する

この作品の全ての書込みを表示する
↑上へ