[日本映画]犬神家の一族(1976年版)


いぬがみけのいちぞく 1976ねんばん / Inugami-ke no ichizoku
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注意: これは日本映画版。その他メディアのページ: ゲーム:犬神家の一族 / 文学:犬神家の一族 / ドラマ:犬神家の一族(1977年TBS放送)
日本映画総合点=平均点x評価数64位3,047作品中総合点28 / 偏差値73.91
日本映画平均点17位381作品中平均点2.00=とても良い/14評価
1976年日本映画総合点1位18作品中
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キャスト
配給:東宝
監督:市川崑
製作:角川春樹 市川喜一
日本 公開開始日:1976/10/16(土)
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最終変更日:2014/08/10 / 最終変更者:永田 / その他更新者: 霧の童話 / mosukuwa / 管理人さん / TCC / 提案者:ラマンチャ (更新履歴)
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2015/12/19 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:3324(33%) 普通:3510(35%) 悪い:3272(32%)] / プロバイダ: 2134 ホスト:1926 ブラウザ: 5213
そう言えば、当時原作者(横溝正史氏。ホテルの主人役として特別出演も果たす)もまだ
ご存命だった様ですが、確かに当時ブームになったのも・・・・・・な程の異色作
でしたね。

まあ2006年版の方を先に見たから、「確かここはこういう展開だったかな?」な
ノリで(?)この1976年版も見たのですが、当時まだ終わったばかりだった戦争にも
翻弄された、佐清らトリオと静馬らの関係も明かされた事件の真相も、「一体『彼』は
ホントは誰だったんだ?」な「良く分からなさ」等独特の意外性はありましたね。
見ている側も、思わず翻弄させられたような気分でした。

しかし、そうした謎解きもさることながら、本作で出色だったのはやはり演出面
だったでしょうね。猿蔵が助けてくれたあのシーンや、性交に夢中になって、結果
・・・・・・なあのシーン等の人間の欲望を赤裸々に映した白黒シーンや生首や
逆さ姿の死体、菊乃が松子らにいじめられていた際の流れる様なカメラ目線、
そして事件の真相がいよいよ明らかになっていったときの、落下した佐兵衛の
写真と・・・・・・・・見ていて度肝を抜かれたドラマの連続でした。

真に恐ろしかったのは、犬神家が次々と殺害被害者が出た等呪われていた事では
なく、もっと根本的に。遺産相続の条件がかなり独特だったのもそれに拍車を
かけたとも言えたのでしょうが、「家」に縛られた、一族達の遺産争い等
人間の醜い本性だったという事だったのでしょうね。それは分かっていても
なかなか断ち切れることでもないのでしょうが、そういう意味ではまた、最後
真犯人があのような退場をしたのも全く必然的だったという事なのでしょうね。

俳優陣も結構豪華だったけど、個人的には脇役でも故・大滝秀治氏の歯切れ良い弁舌も
冴えわたった演技が印象的だったと言うか、出番以上の存在感ありましたね。
2006年版は、流石に主演が石坂浩二氏なままだったのはちょっときつかった
かなあで、まあ安易に大手芸能事務所のイケメン俳優を起用しなかった(実際
スマップの稲垣吾郎氏主演のシリーズも存在する様ですが)という点では・・・・・
でしたが、この1976年版には及ばなかったかなあと。評価は前述した通り特に
演出面で異彩を放ったという事で「とても良い」寄りの「良い」で。

2014/03/19 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:7574(87%) 普通:641(7%) 悪い:463(5%)] / プロバイダ: 21846 ホスト:21816 ブラウザ: 1975(携帯)
おそらく日本のサスペンス映画の中でも金字塔ともいうべき名作ではないでしょうか。

序盤からの莫大な遺産を巡る犬神家のお家騒動が観ていて重苦しさを物語っておりました。それでも最後まで観られたのは主人公である金田一の存在でしたね。飄々としていて爽やかなイメージでまさに本作における清涼剤ともいうべき役割を果たしておりました。

それから、なんといってもマスクで素顔を隠しているスケキヨのキャラクターのインパクトと存在感の大きさ。後半にセリフを言うようになってからは正直化けの皮が剥がれてしまった感が否めませんでしたが、一言も喋らなかった前半は戦争で大火傷を負ってしまったことによる悲しい過去やトラウマを抱え込んでいるようで内に秘めた恐怖のオーラと威圧感に圧倒されそうでした。

ストーリーはやはり真犯人が明らかになってからの約20分間が真骨頂でしたね。それまで予想だにしなかった数々の謎に関する核心が怒涛のように種明かしされるさまはそれまでやや抑えめだったこともあり、見応えは十分でした。

しいていうと随所で観られるスプラッター描写が強烈なので観る人を選びますが、ラストで難事件を名推理で解決した自らの功を決して誇ろうとせずに報酬だけを受け取ってさっさと汽車に乗り込む金田一の姿には謙虚さと愚直さが感じられて好感が持てました。

評価は「とても良い」とさせていただきます。

2013/04/26 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2202(58%) 普通:766(20%) 悪い:853(22%)] / プロバイダ: 36042 ホスト:36054 ブラウザ: 5386
もう、とにかく素晴らしい映画。
原作は未読で、金田一耕助はたぶん「金田一耕助の冒険」しか読んでません。
どちらかというと、家に置いてある明智小五郎の方が手に取りやすいんですが、実際にキャラクターとして好きなのは金田一耕助の方なんですよね。
まあ、高貴でカッコいい「憧れの存在」である明智か、どこか子汚くて泥臭いけど「身近な存在」である金田一かと考えると、金田一の方に分があるって感じですね。

さて、「犬神家の一族」といえば、遺産相続の話やスケキヨの死体やらで有名だけど、ぶっちゃけ俺もそれだけしか知らず、は詳細には知りませんでした。
何となく遺産相続の話であるのは知ってたけど、それだけだったんですね。見てみると、複雑に絡み合う家系図や、グロテスクでおどろおどろしい殺人方法や表現に惹きこまれました。
それから、意外にもギャグシーンも結構多く、あまり重苦しいだけの事件にならないで済んでいるのも良かったですね。
金田一耕助が生真面目なタイプではないのも、重い事件でも見ていて気が楽になるので好きですね。
最初の事件の通夜でも、(明らかに不謹慎だけど)「紅茶はないですかね」、「甘いものが食べたくなっちゃって」なんて言ってるのが、凄かった。
女中さんが「今日の料理は私が作ったの。何がおいしかった?」と聞いたときも、「生卵」と答えてて笑えました。

冒頭で音楽とともにキャストやスタッフの名前が出てくる演出はかなり好き。
もうここだけで惹きこまれてるんですよね。なんなんでしょう、あのオープニングの迫力は。
スタッフ一人ひとりの名前がものすごい迫力に見えますし、音楽もカッコいいし。
その後も、金田一耕助が走るシーンのスピード感溢れる音楽は最高。
ボートに穴が開いたのを助けに走る金田一耕助の姿は、音楽の効果もあってかなりカッコよかったんですよね。

ゴムマスクをつけた不気味な男・スケキヨや、不気味な人形(しかも第一の事件で生首が置かれる)など、独特の世界観は更に魅力的です。
チラチラと不気味なカットが挿入される演出も非常に良かったと思います。和服の女の子が一瞬ずつ映るのは怖かった…。琴を引いてる姿が映し出されたり、変な撮影方法や演出も結構多かったですよね。
時代を再現しつつ、不思議と現代でも楽しめる雰囲気に作られていると思います。
グロテスクなシーンも結構多いですが、どうしてもその怪奇性に惹かれてしまう。

で、明かされたトリックも非常に良く、最後の方までかなり楽しめたのですが、犯人が全てを告白した直後の行動は「いや、気付けよ!防げよ!」と思いました。
金田一耕助も警察もいながら、何たる失態。これだけ犠牲者を出した挙句にあんな派手に死体を水中に突っ込むことまでしているというのに、犯人を逮捕するのは四人も死んでから。
まあ、ミステリーのご愛嬌ですが、流石に犯人の最後の行動は怪しすぎるし、犯人に自由に行動させすぎだろと思う限り。

ラストで、金田一耕助が去っていく姿は印象に残りますね。
たくさんの人が、金田一との出会いを胸に残してくれるんです。
事件とほとんど関係はないけど場を和ませてくれたホテルの女中や、口をほとんど聞かなかった使用人の猿造が金田一を見送りに行こうとするのは、物語が終わっていく閉塞感を感じさせましたね。
それでも、「見送られるのは苦手」と一本早い電車に乗って、一人で見送りもなく去っていく金田一と、「完」の文字。なかなか見終わった瞬間に「楽しかった!」と思えるようなエンディングでした。
昔の邦画は話の流れがつかみにくいものも少なくないですが、これは非常にわかりやすく、そして楽しかった。
とにかく、同監督の金田一耕助シリーズは全部押さえておきたいと思います。できれば、原作も読んでおきたい。

[推薦数:2] 2012/11/08 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:747(51%) 普通:408(28%) 悪い:309(21%)] / プロバイダ: 23537 ホスト:23257 ブラウザ: 8916
「欲望の前には血の繋がりなど脆弱なものに過ぎない」とばかりに、血族同士の潰し合いをテーマに据える事が多い金田一耕助シリーズの中でも、真骨頂といえる作品。

この映画で、「キレイだけど怖い絵を撮る監督」として「市川崑」の名が幼心に強烈に刷り込まれてしまいました。絢爛さと猟奇性が渾然一体となった演出や、細かなカット割りの積み重ねが齎すリズム感の心地よさは、146分という長尺の作品にも関わらず鑑賞する上での大きな見所となっています。市川氏を監督に抜擢した元プロデューサーの審美眼に狂いは無かったという事でしょうね…少なくとも、この時期に関しては。

『犬神家』の場合、作品全体を象徴するキャラとして強烈なインパクトを放つ犬神佐清(この名前自体ネタバレに関わる事なので以下、「スケキヨ」と表記)の存在が第一に挙げられますが、角川版スケキヨはマスクを被り直す際、皮膚との接地を合わせる為に口元を蠢かせる仕草と、それに伴ってニチャニチャと粘着質な不快音を生じさせる演出が非常に不気味で、横溝作品独特の怪異性を際立たせるのに大きく貢献していました。なまじ前述のシーンが脳裏に焼き付いてしまった為、以降は『犬神家』が映像化されると先ずスケキヨマスクの出来に注目するようになりましたが、造型・演出共に角川版を凌ぐ不気味さを秘めたものが未だに登場していないのは残念です。

事件解決後、「僕、見送られるの苦手なんですよ…」と呟き、予定より早く立ち去ろうとする金田一。それまでの陰惨な展開が幻であったかのような爽やかなラストにはニヤリとさせられました。「エンターテインメントとはかくあるべし」という事を実感させられる日本映画の傑作です。

2012/09/24 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:882(66%) 普通:353(27%) 悪い:93(7%)] / プロバイダ: 31188 ホスト:30920 ブラウザ: 7300
・一色(二色)
・偽物かもしれないという疑念が頭をもたげ・・
監督は市川昆。

音楽は『ルパン三世』でおなじみの大野雄二。
この人の音楽はすごく分かりやすい。それだけ作家性が強い人ということでしょうね。

複雑な人物関係に愛憎がいり混ざった骨太なミステリー映画。
金田一耕介のコミカルなキャラクターや視覚的にインパクトのある殺人が
エンターテイメント性も兼ねそろえられて楽しく見られる内容になってます。

そしてただの映像化でなく市川昆の作家性を感じるカットやシークエンスが見られる点も魅力。
大野雄二による音楽もいい。メインテーマは『ゴッドファーザー』、『禁じられた遊び』を想起します。

多くの作品で引用されるのも納得の内容でした。

この作品を気に入った方はルメットの『オリエント急行殺人事件』なんか見てはいかがでしょうか。
使われた音楽
東京ブギウギ

2012/06/02 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:121(54%) 普通:41(18%) 悪い:64(28%)] / プロバイダ: 20984 ホスト:20930 ブラウザ: 14684
初めて見たのはテレビで放送されてからです。その時は家族全員で待ちに待ったという感じで見ました。
(ちなみに原作を読んだのは割と最近です)
とにかく、怖い! 湖で脚がにょきっと出ている死体を見た時はビビッて眠れませんでした。
何しろ当時は自分も幼かったので、怖いのを見るのはイヤでしたが、それでも頑張って見ましたよ。

金田一の登場する横溝作品ではこの『犬神家』が最も映像向き、と勝手に思っています。
『犬神家』は他にも映画・ドラマになっていて、いろいろ見たけどやはりこの76年の映画がベストだなー。
加藤武氏扮する相棒役が「よし!わかった!」ひとつで原作以上に強いイメージを作ったのも凄いと思う。

で、評価ですけど、「最高」をつけたいところでしたが、ヨキ、コト、キクの「見立て」の解釈が一部
原作と違うのがどうしても気になるので「とても良い」とします。

2011/10/17 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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佐兵衛の遺言状。
これは、恐ろしい伏魔殿の蓋でした。

話は、次の様に始まります。
犬神佐兵衛の命日から7か月後、金田一は犬神邸がある那須に足を踏み入れて珠代の乗るボートが沈む現場に出くわす、
珠代を救助した時に何者かがボートの底に穴を開けた事を確認、金田一を那須に招いた若林が何者かに毒殺される事件を経て、
佐兵衛の遺言状が公開された時、惨劇の幕が開く。

遺言状を読み上げる弁護士に食って掛かる3姉妹、戦場で受けた傷や火傷を覆面で隠す佐清(静馬)に疑いの目を向ける犬神家の人々、
佐兵衛の事業に隠された麻薬を軍部に売り捌く等の闇、青沼母子の悲劇と静馬の復讐劇、珠代に隠された謎等、
佐兵衛の遺言状に踊らされる犬神家の人々を通して浮かび上がる佐兵衛の業は、人間の内に眠る醜悪さを余すことなく描き切っていました。

また、若林毒殺のトリック、切断した首を菊人形の首とすり替える、天窓から中を除くような形で絞殺死体を放置する、
水面から両足をまっすぐ突き出すように死体を湖に沈める等、作中の猟奇殺人の現場を描いた演出は、非の打ち所がなく、
猟奇殺人のカラクリも恐ろしい程に手が込んでいました。

評価は、文句無しです。

2010/09/28 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:670(88%) 普通:60(8%) 悪い:33(4%)] / プロバイダ: 14832 ホスト:14685 ブラウザ: 3876
何故映画を見るか?そんな事に綺麗に答えられるような作品。

一番の理由現実逃避。

私は感動したいとか人生観が変わったとか、自分の行き方に影響を与えたとかそんな映画好きではある。しかしどんな映画にも共通する動機は現実逃避。この映画はその点で素晴らしい。

この作品世界の中にのめりこんでみてしまうのだ。

実を言うと子供の頃、スケキヨのマスクの下の顔が怖くて、見るのを止めてしまった作品である。そう言う意味では私の人生に影響を与えた作品でもある。あのマスク今でも多少怖い。

大人になったときそれが重要だとわかった。あのマスク姿のスケキヨが現実逃避の象徴だと気がついた。異世界への入り口の様な効果を発揮していた。そこを通り超えれば、横溝ワールドと市川昆の映像が上手く混じりあった世界に入り込める。子供の頃はとても言えないが、今なら言えるふしぎの国のアリスのウサギ。私にとってそれがスケキヨだった。

話は面白い。因縁、人間関係がどろどろと入り乱れた旧家。見立て殺人それを見事に再現する映像美。次は誰が?次はどんな?どんどん引き込まれてみてしまう。そして最後金田一の推理が冴え渡り、気持ちの良い謎の解明がされていく。この金田一ショーが実に面白い。

何度もドラマでも見てるのだが、どうしても始めて見たこの市川監督の作品が忘れられない。私の中で犬神家の一族といえば、これと刷り込みになってしまっている。

2010/07/28 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:1150(76%) 普通:254(17%) 悪い:110(7%)] / プロバイダ: 13482 ホスト:13662 ブラウザ: 11416
76年に東宝が製作し、上映された横溝正史原作のミステリー映画。時は昭和23年。信州の`犬神財閥'の当主`犬神佐兵衛'が永眠。佐兵衛は生涯正妻を持たず、それぞれ母親の違う娘が3人いたが、彼女たちは皆、遺言状のことばかりを気にかけていた。唯一佐兵衛の死を悼んでいたのは、彼の恩人`野々宮大弐'の孫娘で佐兵衛もかわいがっていた“珠世"だけであった。犬神家の顧問弁護士を務める`古舘恭三'の助手で佐兵衛の遺言状を盗み見た`若林豊一郎'から「犬神家に容易ならざる事態が起こりそうなので調査して欲しい」との手紙を受け取った探偵“金田一耕助"は、犬神家の本宅のある那須湖畔を訪れるが、若林は耕助と会う直前に何者かによって殺されてしまう。そんな中、佐兵衛の遺言状は古舘弁護士によって耕助の立ち会いのもと公開されるが、その内容に不満をもった3姉妹の仲は険悪となり、やがて相続者の1人`佐武'が殺され、その後相続に関わる者が次々と殺されていく。

本作品は横溝正史ミステリーブームに則って、角川映画が市川崑監督の元で製作されたスケールの大きな本格ミステリー映画である。同作品はかつて片岡千恵蔵主演の『犬神家の謎 悪魔は踊る』というタイトルで上映されているが、本作品は主人公の“金田一耕助"を一番原作に近い石坂浩二に主演させ、原作通りのスタイルにメイクして行っている。それ故に原作に一番忠実に仕上がっているといえましょう。

ストーリーは信州の富豪の`犬神財閥'の当主`犬神佐兵衛'が亡くなったことにより、その遺産相続を巡って血筋である一族の醜い争いによって壮絶かつ惨質な殺人事件が引き起こされていくというもので、欲と野望により剥き出しとなった人間の本性をよく現した展開が凄かったです。当主の佐兵衛が正妻を持たなかったばかりに、その愛人たちの血の繋がらない娘たちによる骨肉の争いを、市川監督の壮大なスケールによって大きく演出されているのがとても見応えありましたね。火傷のためにゴムマスクを被った`佐清'の存在と入れ替わりの巧妙なトリック。そして真犯人による殺人の後に、犬神に纏わる男(青沼静馬)により、死者の首が切られたり屋根の上に置かれたりと、更に事件をややこしくされ、そのためにこの異常なる光景に翻弄される警察に変わり、複雑多岐に絡むこの事件の展開に金田一が推理していくところに本作の面白さがあります。
また“金田一耕助"演じた石坂浩二を初め、`珠世'を演じた島田陽子・`松子'を演じた高峰三枝子・`古舘弁護士'演じた小沢栄太郎・`佐兵衛'演じた三國連太郎、またあおい輝彦・草笛光子・地井武男・岸田今日子といった豪華名優人たちによる演出が作品のグレードを高くしていました。

本作品は巨大な遺産を巡った人間関係の複雑かつ欲に煽られた本性の姿を市川監督によってよく演出され、大きなスケールによって製作されていることによって、その凄まじい内容は正に映画というに相応しいものになっていて、今でも色褪せないものでありますので、評価は【最高!】です。2006年には石坂金田一を初め、本作の出演者を多く集められて、市川監督により30年ぶりにリメイクされました。市川監督として最後の作品となってしまいましたが、本作の魅力も引き継いでましたね。

2010/05/05 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2261(50%) 普通:1134(25%) 悪い:1136(25%)] / プロバイダ: 36209 ホスト:36373 ブラウザ: 6425
【良い点】
役者の演技力。
スーさん…もとい犬神佐兵衛の遺言状の内容が明かされた途端、
親族達が今までの上品な振る舞いをかなぐりすて欲望丸出しの本性をさらけ出す。
(昨年まで「仮面ライダー」で良いオヤジさんだった小林昭二氏まで入ってるのが凄い)
同時に彼らに対して推理作品の三下キャラ(=殺害の対象になるが犯人の可能性は低い)
というイメージが植えつけられるので、覆面を被った佐清を除けば親族一同よりも
悲劇のヒロインっぽい珠世や後から現れた謎の人物の方に視聴者の目がミスリードされる。
(まあ横溝作品に慣れると鬼子母神の本性を後から出してくる母親キャラに油断はしないだろうけど)
金田一により真相が明かされる場面での犯人や他の親族のやるせなさげな表情は
前半と同一人物かと思うほどで一人の人間が様々な側面を持つことをしっかりと描写している。

【悪い点】
終盤は盛り上がるが、二時間半近い長尺のため中盤は話の展開を掴みづらくタルイ。

孫娘を思う佐兵衛の執念に押されて悲劇のダシにされて終った青沼親子が不憫。

【総合評価】
「子を想う母」と「母を庇う息子」の想いが複雑怪奇な事件を作り上げる。
しかし、それすらも亡き先代が仕組んだ運命の歯車に過ぎなかったごとき救われなさ。
非常に金田一らしい作品であったと思います。
石坂・金田一としては「病院坂」より上かな?

2009/06/04 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:503(44%) 普通:378(33%) 悪い:254(22%)] / プロバイダ: 21257 ホスト:21301 ブラウザ: 9125
【良い点】
・雰囲気が良く出ている。
・キャストが合っている。
・音楽が良い。

【悪い点】
・特になし。

【総合評価】
財閥一族の呪われた物語が、非常に不気味かつ美しく描かれていました。
そして、映像の雰囲気やキャストが、とても良く合っていました。
壮絶な人間関係で、非常に怖く悲しい物語なんですが、金田一ののんびりした感じが絶妙なバランスを生んでいて観やすい。
佐清と逆さに突き刺さった死体もすごいインパクトでした。
すべての面で非常に良く出来た映画だと思います。
あまりこういうのは好きではありませんが。

2009/01/19 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:363(80%) 普通:53(12%) 悪い:35(8%)] / プロバイダ: 17828 ホスト:17861 ブラウザ: 6707
雰囲気、緊迫感が凄く良かったです。古い演出だからこそ、殺害シーンや死体のシーンはかなり迫力がありました。
キャストも凄く良くて言い争うシーンが見事でした。終盤の松子と佐清のやりとりがとても好きです。

ラスト事件の後味が無くは感じましたがあっさりしていて良かったと思います。耕助が早々と去っていくのが面白かったです。

2009/01/14 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:442(63%) 普通:152(22%) 悪い:103(15%)] / プロバイダ: 2339 ホスト:2336 ブラウザ: 6034
TVでやっているのを見ましたが、なかなか面白かったです。

この映画でえがかれる人間関係は壮絶です。(良い意味で)

悪い点としては、

・血しぶきの描写とか、古臭くてかなりなまなましかった。

・あれだけの血しぶきを上げて、証拠(返り血を浴びた着物など)を一つも残さなかった真犯人、またあと処理人はすごい??

・事件が解決したとはいえ、たくさんの人が死んだ悲惨な事件だったのに最後のシーンみんな幸せそうに笑っていたのがちょっと不自然にかんじました。

結構古臭い映画ですが、実際見てみるとリメイクされるだけのことはある名作だったと感じました。

2006/04/22 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:792(58%) 普通:431(31%) 悪い:147(11%)] / プロバイダ: 18384 ホスト:18446 ブラウザ: 6287
私は 「 本陣殺人事件 」 や 「 獄門島 」 よりも 「 犬神家の一族 」 が好きなので、新たな映画化を機に、
多くの人に是非1976年の作品を見てもらいたいと思います。
しかし、その魅力を言葉で表すのは難しいです。

謎の行方と雰囲気、登場人物の個性、印象的なテーマ曲。
そのすべてが合わさって最高の作品になったと思います。
何といっても、犬神佐清が復員してきた時に登場した姿 …… ゴムの仮面を被っているのがとても印象的でした
( それを外した場面の気持ち悪さも忘れられません ) 。

覚えているのは、小学生の時映画を見にいってパンフを購入したのですが、
犯人が凶器を持っている場面が掲載されていてショックでした。
でも面白かったから良いのですが。

個人的には、金田一は古谷一行の方が好きなのですが、
何故か 「 犬神家の一族 」 だけは、石坂浩二ですね ( 島田陽子もよかった …… ) 。
唯一残念なのは、現在発売されているサントラのCDのジャケットが、
映画が公開された当時の原作の表紙の絵でない事です …… 。

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2017/06/24 好印象 by (表示スキップ) 投票履歴 / プロバイダ: 19103 ホスト:19125 ブラウザ: 5171 [編集・削除/これだけ表示]
感じた事悲しい/怖い/びっくり 
ストーリー良い(+1 pnt)
キャラ・設定良い(+1 pnt)
映像良い(+1 pnt)
声優・俳優とても良い(+2 pnt)
音楽良い(+1 pnt)

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