[日本映画]海底軍艦: 2018/11/17 霧の童話


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かいていぐんかん / ATRAGON: THE FLYING SUPER SUB
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2018/11/17 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/]
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押川春浪氏の同名SF小説を原作としながらも実際は基本プロットに名残が窺えるのみで、殆ど脚本を手掛けた関沢新一氏の「オリジナル作品」と呼んでも差し支えが無いほど激しいアレンジを施された、予告編で言うところの「雄大なスケールで描く大冒険科学活劇」。
原作の「回転式衝角」を「ドリル」へと置き換えた事で、ドリルメカの嚆矢的存在と成った海底軍艦「轟天号」が具えるキャラクター性に因り、ゴジラのようなスター性を具えた怪獣不在の作品であるにも関わらず、今なお好事家の間で根強い人気を誇っている模様ですね。

敵役を「ロシア」に据えていた原作小説から架空の「ムウ帝国」へと改めた上で幕を開ける序盤の展開は、技術者拉致事件や蒸気人間(此のアナクロなネーミングがイカス)の暗躍といった不穏なシチュを織り交ぜつつ、戦死( ? )した神宮司八郎大佐の特別任務と「虎の子」たる秘密兵器・海底軍艦の存在を軸に、サスペンスフルなタッチで小気味好く物語が転がりますが、「大戦時の戦局を変えていたかも知れぬ秘密兵器」という都市伝説めいた噂は、別段「架空戦記好き」という訳でも無い自分ですら大いに興味をソソられるものが有り、「掴み」としては及第点だったと言えるでしょう。あからさまに胡散臭いトップ屋は「アレ」だけどw

ムウ帝国からの脅迫フィルム、及び彼らの潜航艇を追尾中に圧壊した最新鋭潜水艦の事故を経て、本格的に海底軍艦へとスポットが当てられる運びと成りますが、「秘密基地」たる孤島を資源の豊富な地と設定する事で、轟天号の高性能振り(特に装甲の材質)に説得力を持たせてあるのは巧い見せ方だったと思います。ドックに注水した上でゲートを潜って浮上する発進シークエンスは、まんま『スーパーロボット マッハバロン』に継承されてますね。
豪快な排水を伴いつつ浮上する轟天号の出撃シーンや、艦橋を収納して空気抵抗を減らす高速飛行モードの特撮も然る事ながら、個人的にはドリルで掘削した土砂を艦体後部から撒き散らす削岩シーンの細かな描写に、ドリルメカの正しい運用法を感じて唸らされましたw

戦時中の価値観のまま雌伏の時を過ごしてきた神宮寺大佐の一見「頑迷」に映るキャラクターも、其のスタンスを維持出来なければ自身の存在意義すら喪失するという悲壮さが滲み出ており、典型的な現代人たる主人公・旗中進から「戦争キ○ガイ」「亡霊」と批難された程度で己のナショナリズムに揺らぎが生じる辺り、神宮寺も内心では戦争に対して疑問を抱いていた事が窺え、其れがラストに於けるムウ皇帝の祖国への「帰還」を「武士の情け」とばかりに見逃す温情へ昇華するに至ったのでしょう。中盤以降は完全に神宮寺が主役だったもんなあ。

難点は既に指摘されている轟天号の「無双」振りも然る事ながら、敵役たるムウ帝国の戦力がどうしても貧弱に見えてしまい、クライマックスに於ける「アトミック冷凍砲」を用いた一方的「虐殺」の悪印象も相俟って、主役サイドのワンサイドゲームに感じられる点でしょうか。
そもそも彼らの主戦力たる潜航艇自体、タンカーなどの非武装船ばかり攻撃しており、轟天号はおろかアメリカ潜水艦のような戦闘力を具えた艦船が出張ってくると、帝国にスタコラ逃げ帰る始末ですからね。手に汗握る艦隊戦を期待していた身としては、肩透かし感が凄まじくて…。
一応、パナマ・ベニス・香港といった大都市群を壊滅させた事でムウの「強大さ」を示す描写も存在してはいるのだけれど、何れも新聞報道に因る簡素な処理のみで済まされ、実際に特撮シーンが組まれてる訳じゃあ無いンですよね。この点もムウの脆弱さが否めぬ遠因かと。
三原山を襲撃した円盤の大群が、轟天号との決戦に全く姿を現わさないというのも不自然極まりないでしょう。仮にも帝国の存亡が掛かってるンですぜ ?
怪竜マンダに至っては、旗中らが轟天号へと辿り付くまでのサスペンスを盛り上げる為のガジェットに過ぎず、彼らが生還したのと同時に事実上「お役御免」と成っている体たらく…仮にも「守護神」として崇められてるのなら、もちっと根性見せンかい !

敵役のスケール感の乏しさと被弾ひとつ負わない轟天号の無双振りがネックに成ってはいるものの、其れ以外は概ね楽しめたので「普通」寄りの「良い」を。
余談ですが、あたくしが借りてきた本作のDVDは轟天号の試運転シークエンスという重要なチャプターに丸ごと傷が入っていており、再生も儘ならず少々途方に暮れていたものの、幸いにも「映像特典」として収録されている短縮版の試運転シーンは無傷だったので、全長版を鑑賞しつつ問題のチャプターに近づいてきたら短縮版へ切り替える、という二度手間な方法で内容を把握するに至りました…ディスクは丁寧に扱えって書いとるやん(怒



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