[ドラマ]カーネーション


Carnation
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ドラマ総合点=平均点x評価数212位2,579作品中総合点10 / 偏差値55.51
2011年ドラマ総合点3位82作品中
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プロデューサー:城谷厚司
音楽:佐藤直樹
主題歌:椎名林檎
脚本:渡辺あや
日本 開始日:2011/10/03(月) 07:30-07:45 NHK / 終了日:2012/03/31
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最終変更日:2015/05/17 / 最終変更者:永田 / その他更新者: kunku / 十傑集 / 提案者:634 (更新履歴)
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2017/07/02 良いと思うコメント [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2319(50%) 普通:1165(25%) 悪い:1166(25%)] / プロバイダ: 25756 ホスト:25963 ブラウザ: 5173
本作は朝ドラ50年のノウハウ蓄積の上に製作され、最終回等は初の女性一代記「おはなはん」(お婆さんになった主人公が第1回放映を観て幕引き)のオマージュでしたが、最も影響を受けた作品は朝ドラ第一作、父親である「私」の視点で娘の成長を描いた「娘と私」でしょう。本作は小原糸子の一代記である以上に、「糸子と善作」の物語であり主役は糸子であっても作品の基準や本質は善作の側にあった。彼は前半で退場するが初孫として可愛がった優子を後継者として残している。

このため糸子が善作世代となり優子の青春時代となる三姉妹編がターニングポイントになる。糸子の直系ともいうべき直子の個性に目が行きがちですが優子が前半の糸子と同じイベントをこなしていくのがメインストーリー。ただし糸子と優子では立ち位置が決定的に異なる。丁稚から松坂家当主まで上り詰めた清三郎、その商才を受け継いだ糸子、母と異なる方向性の天性(これも国際色豊かな神戸の名家からの血筋であろうが)を持つ直子。この三人が「持つ者」なのに対して、狭間に置かれた「持たざる者」が善作と優子。優子役の新山千春は当初、かなり浮ついた口調で喋っているが、これは才と覇気にあふれた母と妹の間に置かれ自分をよく見せようとした意識の表れであり、清三郎と糸子の間で家長の威厳を保とうとした善作が威張り腐ったり癇癪を起すのと同質の「表に出せない弱さの裏返し」。
そして直子を助けるため優子が二度目の上京を決意する件、長女が長女として君臨するのは当たり前という感覚しか持たず優子が姉の面目を保つため積かさねた努力の結果としての「優等生」という側面しか見ていない糸子基準では「仲が悪くても姉妹」程度の感覚になるが、優子の弱さを踏まえると「姉の立場を脅かしてきた妹のために母に土下座する」行為の意味の重みが解る。
前半の糸子にもパッチ屋を解雇され、清三郎の引き抜きを知らない善作が就活を指示した際に「妹達の学費稼ぎ」という大義名分を得て説得にあたる事で自らの飛躍に繋げる機会はあった。しかし祖母とミシンについて語り祖父との会話までは思い出すが約束だけは思い出そうとしない。力で妹達の上に立ち力で妹達を引っ張ってきた糸子(清子や光子が空気キャラなのは凡人で年の離れた妹達が糸子から見て存在感が小さいため)は自分中心でしか家族を考えない性格から成長がないまま家長となり母となった。善作は同じ年頃の時期に洋物嫌いでありながら娘のために洋裁の講師に土下座していたのだから、その心理には優子の方が近い。

ここから戦前の善作、終戦前後の玉枝さんといった社会的弱者の葛藤を「強者は常に弱者の上に立つ」という先入観に基づき糸子基準でしか見ていなかった人と彼らの視点で真剣に見てきた人の捉え方の差が出てくる。弱者であればこそ「地道な努力の積み重ね(=勉強やで)を真剣に理解している」「自分の弱さと向き合い器量を磨く機会を多く得る」「他者の弱さに敏感になり適切な距離感で寄り添える」。先人達で示されてきた弱者の利点が優子に収束、直子が糸子から受け継いだ強者の利点(気性やセンス、デザイナーとしての視点の高さ)を身の丈にあった分だけ取り入れる。本来なら静子のように家庭に収まるか(静子自体が千代さんと優子にワンクッション入れるためのキャラ)、良くて小原洋装店の二代目店主という八重子さんレベルのポテンシャルしか持たない優子の中で強者と弱者の要素の融合による爆発的な力が生じデザイナー志向の強い妹達を牽引(直子と聡子が来客に応じている姉の姿を見て自らの行動指針を得る場面がそれぞれ描かれている)、糸子が作り上げた基盤を根底からひっくり返してしまう。糸子基準の「点」で観た場合は難関を立て続けに突破する第5週が最もカタルシスを感じるが、善作〜優子ラインを基準に「線」で観る感覚を培っていれば20週後半から第21週が最も盛り上がる。

しかし善作が土下座に辺り発した「家財道具一式売り払ってでも」という自らの言葉の覚悟を次週で試されたように優子も上京に辺り述べた「あの子の理想をホンマに解って手伝ってやれるんはウチだけや」という言葉の真価を問われる。糸子は家族の中心で洋裁屋を立ち上げる事しか考えていなかったが直子が姉に求めるモノは方向性が全く異なる。「姉ちゃんに岸和田から見守られても迷惑や。とっととウチ追い越して前走っといてもらわんと困る」北村詐欺事件のどさくさで全く伝わっていない生涯一度の告白が伝わっている事を前提に心斎橋の物件を語り、二年間助けてくれた姉に「ウチはアンタが目障りなんや」とまで言い放つ直子。
糸子が「恵さんの頭には一言も入ってませんでした」等と横やりを入れて笑い話のように纏めていた点からも本作で主人公がナレーションを兼任している事自体が「台詞とナレーションが情報の中心」「父親が主人公のために行動するのは物語上の必然」「我が子の成長や成功も主人公の功績に還元される」等の並の朝ドラ感覚で観ている視聴者が無自覚に抱く先入観を利用したミスリード演出。姉の面子を保つため「家業を継ぐ」と言っていた優子が直子と真剣に向き合い、聡子に居場所を残し、従業員にまで配慮して自分が外に出る。これこそが引退を決意した善作の行動の本質の再現。確かに彼に商才は無かったが呉服屋の意地に最後まで拘った姿には「勝つにせよ負けるにせよ全力を出し尽くす」という人生哲学があり、それこそが力量の強弱、結果の勝敗、世代の新旧、それら全てを超えた普遍的テーマ。それを為して初めて見えてくるモノがある。人は成長する。糸子が才に任せてイベントをクリアしていた時期に、善作の内面を辿りテーマを突き詰めた優子がリーダー格に成長する形で小原三姉妹は世界に羽ばたいた。一方、父の呉服屋人生へのリスペクトを持たない糸子は年が並んだだけで同じ心境に到達したと思い込んで小さく纏まりテーマと正反対の方向に来てしまう。「物分りのいい母親」を演じようとする思惑は優子達に覆され彼女らの影になっていくが同時に作品の本質である善作(=弱者)が優子から糸子の側に移っていく。
第7週「お父ちゃんよかウチのがよっぽど、この家、支えとんのや」第23週「あんな仕事、ホンマはどないでもなんねん。お母ちゃんは何も心配せんでええ」
この二つの場面は画面右側の糸子を起点として善作の位置にお爺ちゃん子だった優子、千代さんの位置にお婆ちゃん子だった直子、三者を年長者の立場から見ていたハルさんの位置に年少者の立場で見ている里香という按配。優子を介しての善作の糸子に対する復讐であると同時に父に飲ませた煮え湯を飲み干した糸子の中で父が残した教訓が機能し始める。三姉妹編では優子の側で生じた強者の要素と弱者の要素の融合が晩年編では糸子の側で生じ、完全に強者の側になってしまった優子にコンプレックスを抱く孫の里香を立ち直らせるためにも齢70歳を超えてブランド創設に向け立ち上がった。しかし誰かを想う気持ちを自らのモチベーションに変える等、若い頃の糸子からは考えられなかった事。

潰れかけの呉服屋が二代後には姉妹全員が世界的デザイナー。中興の祖ともいうべき糸子の晩年になってからの若い頃もかくやの活動。そんな奇跡を台詞のみの絵空事で終わらせず世間に功績を湛えられる事もない小原善作を源泉とする事で本作は描き切った。そして、そんな父を糸子が生涯をかけて理解していく物語でもありました。

2017/05/15 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:22(76%) 普通:3(10%) 悪い:4(14%)] / プロバイダ: 80 ホスト:248 ブラウザ: 10249
【良い点】
糸子の努力家な性格
三浦や北村や周防など、濃い人間性を持った脇役
善作の頑固者だが根は娘想いなところ
糸子だけでなく娘三姉妹の成長描写も濃く描かれている

【悪い点】
全く無し

【総合評価】
渡辺あやを初めとしたスタッフの真摯な姿勢が伝わる作品
純と愛やまれやべっぴんのような行き当たりばったりな内容ではなく
しっかりと練られた内容で素晴らしい
これといった欠点が無くかなり良質な作品である
この作品も朝ドラの最高傑作の一つ

2016/11/09 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:494(78%) 普通:88(14%) 悪い:53(8%)] / プロバイダ: 4405 ホスト:4425 ブラウザ: 5171
【良い点】
尾野さんの演技、中々の逸材です、尾野さんと綾野さんの演技初めて見ました。二人が、愛人関係っぽいので、ドキッとしました。このドラマ以外で、綾野さんの良さが、わかりません。

【悪い点】
無いです。

【総合評価】
尾野さんとにかくパワフルで、かっこいいです。

2015/11/21 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:8(62%) 普通:1(8%) 悪い:4(31%)] / プロバイダ: 172 ホスト:337 ブラウザ: 10316
【良い点】
①洋裁職人、ファッションデザイナーとして生き、そして3人の娘を世界的ファッションデザイナーに育てた1人の女性の人生を、単に服飾だけに矮小化せず、女性差別に苦しんできた古今東西の無数の女性への共感を込めて女性史や家族制度史の視点からも骨太かつ丁寧に描いた。この点は、「(ミニスカートを)こさえ」と糸子と3人の娘、聡子(三女)、優子(長女)、直子(次女)が北村にミニスカートを作るように迫った場面とその前後の場面(第121回)で特に強く感じた。
②朝ドラではあまり描かれない老後と死を丁寧に描いた。70代以降の糸子の役を代えたことへの批判が目立つが、放送当時還暦近くなっていた夏木マリに代えたことで、作品に更に深みが出たように思えるので、間違ってはいなかったと思う。尾野真千子も10代半ばから還暦まで年齢によって演じ分けて非常に良い演技したが、尾野本人も話していたように、いくら卓越した演技力があるとはいっても、70代以降は当時30歳の尾野では最高の演技ができるか分からないと制作幹部は判断したのではないか。
③プロへの敬意が感じられた。この点は、病院でのファッションショー(第25週 第140-145回)のときに、服飾のプロたる糸子と医療のプロたる病院側が、重症患者の出演をめぐって、お互いにプロとしての責任感と誇りをぶつけ合って議論した場面で特に強く感じた。

【悪い点】
最後の2週間での3人の娘がいずれも若く見えてしまっていた。既に50代後半から70代半ばになっていたのだから、せめて小皺が目立つようなメイクはしてほしかった。

【総合評価】
唐突な主役交代発表で視聴者を戸惑わせたり、以上の悪い点はあるものの、それらを考慮しても、朝ドラ史上の最高傑作の1つだと思うし、日本のテレビ史上の名番組でもあると思う。

2013/11/18 普通(+0 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:268(51%) 普通:86(17%) 悪い:167(32%)] / プロバイダ: 22279 ホスト:22412 ブラウザ: 5141
「夫婦善哉」を見ていて、このドラマが未評価だったのを思い出しました。

【良い点】

主人公・小原糸子役の尾野真千子さんをはじめ、キャストの演技力が高い。
糸子をはじめとする登場人物の逞しさ、必死さ。
必ずしも主人公が「正しく」ないため、賛否分かれるにしろ朝ドラにありがちな「ヒロイン様」ではなく、人間味がありました。

【悪い点】

まず、晩年編でこれまでの登場人物が軒並み行方不明状態になった点。
・・・昌子や恵や近所の人々がキャスト交代なかったのは、良かったのやら悪かったのやら。

3姉妹から、キャストの演技力が降下した点。
下の2人はそれなりに良キャラになっていたと思いますが、長女・優子の優等生ゆえの悩み感がイマイチ伝わらず。
晩年編は・・・主人公の関西弁のテンポの悪さからして酷過ぎてもう・・・。
キャストだけでなく、晩年編の糸子の描写がオノマチ編では考えられないほど「ヒロイン様」になっていました。
ファッションショーやら周防の娘とのエピソードやら・・・同じ作者が書いたと思えない始末の付け方。
勘助との別れでの糸子の「正しくなさ」は、一体何だったのか。

以下は単純な好みですが。
話の流れがスピーディな故に、糸子の物語だけでドラマが回っており、脇役が実は掘り下げられておらず唐突な設定が見られます。
糸子を正しく描かないのは良かったけど、禁断の恋の相手の周防には負の要素を背負わせず、キレイな位置づけにし過ぎていました。

【総合評価】

ちなみに、晩年編は別のドラマとして見るべきだと思える出来だと思います。
キャスト交代は仕方がないにしても、もっとさばけたイメージの女優さんはいなかったのか。
奈津役の江波さんの方が、糸子の逞しさを表現出来た気がします。
どっちにしても、糸子の最大の長所だった「ヒロイン様」臭さのなさがなくなったのは全くいただけないのですが。
成功の一方で批判もちゃんとされるのが、糸子(というか糸子の扱い)の良さだったはず。

尾野真千子さんのキャラのせいか、恋愛・夫婦関係よりも家族愛的な男女の関係の方が魅力的に見えたのは、長所でも短所でもあるなぁと。
勝さんとよりも勘助くんとの、周防よりも北村との関係の方が、見ていて心を動かされました
(恋愛関係にはならないんけど、糸子と勘助の、何があってもお互い大好きという関係はものすごく良かった)。

あ、ちなみに私がこのドラマで1番嫌いな人物を挙げるなら周防です、超が付くほど嫌いです、世間では人気あったけど。
例によって、周防のキャラそのものが嫌いと言うより、周防の作中での扱いが大嫌いなのです。
綾野さんは良い俳優だと思いますけどね。
一般的なヒロイン様臭さが、このドラマについては相手役の周防から臭って仕方がありませんでした。
糸子が「悪い」点はきちんと描かれているのに、周防についてはトコトンまでキレイに描かれたままですから
(その点、ヘタレと言われ続けた勘助や、グダグダな北村の方が良い・・・勝も優しいけどダメなところある感は出ていたし)。
キレイじゃないものを、ちゃんとキレイじゃないように描いてきたところが好きだっただけに、周防のキャラ付けによるバランス崩壊には失望しました。

脇役まできちんと描かれているとよく言われますが、個人的にはそうかなぁ?という印象です。
ただ、ドラマとしての完成度は非常に高いと思います。
しかし、ひたすら「糸子の物語」として流れており、「奈津の物語」や「八重子の物語」、「勘助の物語」にはなり得ない、なり得るほど情報がありません。
むしろ、脇役のエピソードはその場その場で糸子の物語に彩りを添えるほかは、割とすっぱりキャラを使い捨てている感が強いです
(静子をはじめとする妹達や春太郎、泰蔵、平吉などはもっと上手く使えたと思うんですよね。
奈津も意外と出番が少なく、昌子やサエはインパクトこそ強いけど苗字すら不明だし)。
糸子を主人公とするドラマとしては非常に正しい書き方だと思います・・・私のストライクゾーンからは外れますが。
とにかく流れを大事にした、ドラマらしいドラマだと思います・・・前半部は。
ただ、脇役の描き方まで細かいと評価されているのは、ちょっと過大評価ではないかと言う気がします、印象的な場面は多いですが。
評価出来るのは「糸子という人物を軸にした物語の流れの完成度が高い」部分だと思っています。

晩年編の出来は酷いですが、私としては周防編辺りから毒気が妙になくなってバランスがおかしくなったなぁという印象。
個人的評価は、戦争編まで=とても良いor最高!、戦後編=良い→普通、晩年編=最悪。
トータルで「普通」です。

[推薦数:3] 2013/11/03 良いと思うコメント [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2319(50%) 普通:1165(25%) 悪い:1166(25%)] / プロバイダ: 36209 ホスト:36373 ブラウザ: 9950
本作は終盤に入り主演交替と共に意図的に作品カラーを変更したが、視聴者がその内容を完全に把握するのは容易ではなく、善作演じる小林薫氏再演が見られた第22週で終ってくれればという意見もある。確かに朝ドラではキーパーソンとなる他界した人物が今も主人公達を見守っている的演出や登場人物総出演の「何となくいい感じ」で幕引きとする作品も多い。

ただ、ここで大半の人が看過してしまうのは善作を見る事が出来たのは千代さん一人で、主役である糸子は唐突に浮上してきた東京行きの話を断っているだけという点。これに対極する伏線は既に第21週で張られている。娘に店を譲り引退を考えた糸子が若い頃の父との衝突を思い出す。
「お父ちゃんよか、ウチのがよっぽど、この家支えてるんや!」
ところが第7週で展開された実際の場面では、これまで孫よりのスタンスをとってきた祖母のハルさんが、
この時ばかりは顔を上げ、糸子を睨みつけているのに対して回想内では糸子自身のアップのカットに差し替えられているのだ。
そして父が家長の坐を自分に譲り家を出た事を知った糸子に対しハルさん曰く「解っちゃりて。お父ちゃんかてな、しんどかったんや」
対して当時を回想しながら糸子が洩らした台詞、「ええなぁ。お父ちゃんは。あんなカッコエエ事が出来て」。

「ちりとてちん」では伏線回収に回想を多用したが、本作は逆に登場人物の精神状態を示す演出に用いて布石にしていく。父のカッコいい所や怖い所しか見えていない糸子と、倅の表に出せなかった弱さや葛藤まで見ているハルさんの隔絶の差。伴侶となった千代さんも最終的にハルさんの域に達したが糸子はまだ届いていない。だからこそ晩年編はそこを描く。

自分を飛び越えていく娘達に父から譲り受けた看板を袖にされ挙句は引退まで迫られる。この過程こそ勝ち組として逞しく生きてきた糸子が負け組の悲哀を背負っていた小原善作という人間を理解するうえで避けて通れぬプロセスであり、最終週の行動こそが第21週では父の行動を模倣していただけの糸子がその本質を理解し昇華した行いなのだ。「看板を残して家を出た善作」に対して「サロンを残して世を去る糸子」である。

そして二階の改装と併せて着物リフォーム会を開き一言、「ウチの父は呉服屋やったんです」。晩年に入ってただ一度、善作に言及した台詞。このリフォーム会を戦時中に開いていたモンペ教室にダブらせる意見も多かったが本質はさらに古い。第2週で神戸に赴いた善作が義父の清三郎に「これからは洋服の時代や。お前みたいな小さい呉服屋もって後、5年」と宣告され、洋服を着た祖父や従兄弟と日差しの中で戯れる糸子を部屋の陰からぼんやりと見ていた場面の総括である。

ここから帰りの列車の中でうなだれる善作と父の隣に座りながら、その心境を全く理解できていない糸子の関係を総括した場面へと入っていく。
リフォーム会に出席していた栄之助から、その友人である譲の父親が亡くなり彼がしょげている話を聞かされ相談役を務める糸子。
「譲、お前なんぼや?」「はぁ、45です」
このやり取りの後に糸子は部屋の片隅に置いた思い出写真から、さらに二階の改装に伴いその上に移してきた家族の遺影まで視線を走らせる。この直後、栄之助を含めた三人のカットに戻るがアングルが変化して画面右隅に写真の一部が映る。ここで作り手が示しているのは糸子・譲・写真が「ぼぼ」一列に並んでいるという事。転じて糸子が45歳の譲越しに在りし日の父を見ているという事である。ラストシーンで譲の座る場所が次席に移り、糸子・譲・遺影の善作が「完全な」一列となる中で糸子は呟く。
「なあ譲、キラキラを剥されてむき出しになってしもうた四十男の本性はアンタが思うてるより、もっと、ずっと綺麗なもんなんやで」
これは間違いないく呉服屋の意地も家長のプライドも剥ぎ取られてしまった、あの日の父の事。77年かけて、ここまで来た。

主人公を越える存在感を示した唯一無二のキャラである善作の存在を介して、
若い頃はエネルギッシュではあるが単細胞だった主人公の肉体の衰えとは逆に内面が成熟していく様を描く。
朝ドラという枠組みに限らず、「老い」とここまで真摯に向き合ったドラマも無いだろう。
朝ドラで、このレベルの脚本と演出をもう一度やれと言われても出来ない事だが。

[推薦数:1] 2013/10/13 最悪(-3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:0(0%) 普通:1(11%) 悪い:8(89%)] / プロバイダ: 21970 ホスト:22037 ブラウザ: 2051(携帯)
良い点
小林薫の演技
悪い点
ヒロインである小原糸子と娘の三姉妹のヒドイン振り
尾野真千子の大根役者振り
小篠綾子に対するリスペクトの欠片もない脚本の全て
これのどこが「洋裁を愛して駆け抜けた女の生涯」を描いた話なのだろうか。このヒロインが愛したのは女としての自分と金儲けだろう。実在の人物とはかけ離れた下品さで、その人物に対するリスペクトの欠片もない脚本と演技では遺族がクレームするのも当然だ。主演の降板はやむを得ない。
脚本家と放送局のプロパガンダ満載の反戦や脚本家の趣味丸出しの不倫に力を入れて、肝心の洋裁や母と娘の親子愛はぞんざいに扱う。反戦の為に入れた、架空の人物の不幸は悪趣味。反戦とヒロインの不倫を正当化する為に、不倫相手の妻を原爆後遺症にしたのには唖然。
尾野真千子の演技は娘時代は小林薫と正司照枝のサポートやまだ思春期だから成長するだろうという期待で何とか観られたが、母親になってから大根振りを発揮。怒鳴る、喚く、顔を歪める、舌打ちするという下品でワンパターンな演技で不快だった。
朝ドラで不快な思いをし、主演や脚本家が嫌いになったのはカーネーションだけ
小原糸子と渡辺あやには赤いカーネーションより黄色いカーネーションの方が相応しい

2012/04/04 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴 / プロバイダ: 21970 ホスト:21941 ブラウザ: 1957(携帯)
【良い点】
・op

・キャラの個性

・声優の演技力

【悪い点】
・今のところ、なし

【総合評価】
19パーセントごえをした人気ドラマ。
今後も頑張ってください。

[推薦数:3] 2012/03/31 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2319(50%) 普通:1165(25%) 悪い:1166(25%)] / プロバイダ: 19279 ホスト:19141 ブラウザ: 12132
【良い点】
人物:
主要キャラは美点も欠点も持った個性として多面的に描写されている。例えば主役の糸子はバイタリティに溢れる一方でデリカシーに欠ける。
身銭を切って稼いだお金を人様のために気前良く使い拝金主義者や守銭奴とは一線を画する器の大きさを感じさせるが、
仕事人間の反動から(お金持ちだった母方祖母の血に由来する部分も加わり)即物的な一面もあり。
長女の優子は基本、優等生で姉的優しさも持つが自分の存在を脅かす次女・直子の才能や実力を母親や三女の前では素直に認めるのに
本人の前では空々しい褒め言葉で相手の神経を逆なでする等、直球で意地をはる直子より本性は捻くれていて正に「イケズ」。
ところで糸子が仕事で優子を注意するため店の外に連れ出す場面は放課後、校舎裏に歩いていくヤンキーみたいで怖い…。

脚本:
ウィットとウェットのバランスが良く、重い話の後にユーモア溢れるやり取りで気分を切り替えもすれば、感動の余韻をぶち壊す事も。
戦時中、しばし対立した澤田さんを上手くやりこめた後、彼女の次男が戦死した場面が入るなど観る側の感情を安易に偏らせない。
視聴者の想像に任せる部分は任せて情報を取捨選択しており(晩年を除き)テンポが速い上にストーリーの密度が高い。

演出:
深い感情ほど台詞よりも表情を重視しており、役者もその意図をくんでいるため演技に対するテンションが非常に高い。
特に綿密な過程の積み重ねの上に描かれるシーンは数々の名場面を生んでいる。
例えば第20週、怖い者知らずな直子が初めての挫折を味わい優子が助けに訪れた場面。
ライバル視している姉に今の自分を見られた惨めさの涙が途中から安堵の涙に変わっていく。
愛娘を抱いた優子には千代さんに通じる母性が感じられ、第19週のお婆ちゃんのお見舞いイベントと先だって上京した糸子のオヤジ属性、
三段構えの構成と二人の表情だけで優子の女性としての成長や姉妹間の心の機微を巧みに描き出していた。

【悪い点】
主演交代時のゴタゴタ感。
90代で大往生するまで描いていく以上、交代自体は当然(実年齢から-10〜+20歳を超えるとメイクをしていてもキツイ)だが、
晩年役の夏木マリ氏が放映直前には知っていたのに対し、作品全体を支えた尾野真千子氏は放映後半に入ってから知らされたらしい…。
30歳で念願の朝ドラ主人公に抜擢された尾野女史の演技に対する気迫は作品のテンションに直結していたので終盤は微妙にトーンダウン。
主人公の「老い」を視聴者に実感させる演出の一環という意図は理解できるが、仕事の引継ぎで揉めるのはドラマ内だけにして欲しい。

成立しないカップルのフラグ描写が妙に多い。
周防との不倫話は、ベースとなった実話の北村との関係を喧嘩友達にシフトした事による名残であり、
主人公が自分でも洋服を着るようになる(=デザイナーとしてのステップアップ)という形にむしろ上手く纏めていた一方、
幼い日の優子と安岡太郎や、里香とヤンキー青年など進展がありそうな雰囲気で実は何も無い。
対して駆け落ちで嫁入りしてきた千代さんを除き夫婦間にはロマンス描写は少なく(恋愛は甘酸っぱいが結婚は甘くない?)
優子のモデルになった長女の恋愛観が繁栄されたのか、あるいは脚本家のそれがそうなのか疑問に思ってしまった。

【総合評価】
既存作品のヒロイン像等、ぶっ壊せ!お茶の間の皆様の前でガンを飛ばし、舌打ちもする小原糸子。そこに痺れる!憧れるー!!…か?
そんなアグレッシブ主人公に象徴されるかのような製作側の観る側に勝負をしかけていく姿勢が凄い。
視聴者に媚びない。一から十まで台詞で説明しないと物語を理解できないだろう等と馬鹿にもしていない。
三姉妹編は複数主人公体性でどんどん視点が切り替わっていったし、晩年編はキャストや舞台が様変わりして展開もスローになる等、
物語が進むにつれて生半可な気持ちで観ている視聴者を容赦なく突き放していく。
しかし、さり気無く描かれる場面場面にこめられた情報が繋がり形成する大きな流れが一定ラインを超えて見えてくる。
(これはDVDレンタルやHDDへの一括録画の普及も見越していたものと思われる)
この大河ドラマ全盛期的手法の中で描かれる名場面の殆どにおいて、強烈な存在感を示す主人公が脇に回っていたのにも注目。
裏表は無いが機微にも疎く、モノローグでナレーションを兼ねる主人公は作品の性質を考えれば異端児だが、
敢えて設定の根幹に、この相反する要素を組み込んだ製作側の意図を理解すれば作品の二面性も見えてくる。

本作は単なる女傑の一代記ではなく糸子を通じて大正〜平成にかけて岸和田を生きる人々を描き出す群像劇。
そこまで理解することで本作のテーマがようやく見えてくる。「昔は良かった」などと過去を美化してはいけない。
どの時代にも嫌な事はあり人は悩みを抱えているが、笑顔を忘れず精一杯生き、次の世代にバトン(本作ではだんじりがこの象徴)を託していく。
このテーマは物質的に困窮していた前半より、人間関係が希薄になる終盤に描く事の方がはるかに難しい。
しかし製作側は高度経済成長期を背景とした充実感溢れる三姉妹編を「たまたま時代が良かった」と糸子に言わせ、その先に踏み込んでいく。
晩年の孤独を抱えた糸子と、だんじりを忘れて自分の殻(=ジャージ)に閉じこもる里香の交流を描いた第23、24週。
そこを起点として自らの老いに抗うように生き続ける糸子が新しい絆を残す様を描く第25、26週で完結となる。

朝ドラの枠組みすら超えたシリーズ最高傑作。同時に本作に続け等とはなかなか言えない。
閉塞感漂う現代社会に対する挑戦的な内容を微妙なバランスで表現している上、視聴者にも相応の度量を要求してくる。
(肩の力を抜いて観る事を許してくれない作品のため面白いものの観終わった後は相当疲れました…)
評価はドラマ部門「最高中の最高」で。
[共感]
2016/10/12 先程無記名推薦から記名推薦に変え、十傑集さんがこの作品で評価投稿された他2件についても併せて記名推薦しましたので報告します。この作品は、過去の朝ドラの中でも、服飾関係にとどまらず女性史、家庭史、岸和田の地理・歴史・文化・社会、日本史、経済システム論など多角的な視点から広く深い思考で世界観が構築され、個々のエピソードでも制作者特に脚本家の人生観、社会観、戦争観、死生観をところどころ滲ませているのを改めて強く感じました。人権問題について取り上げた書物を多数出版している高文研から作品評本が出版されたのも、分かるような気がします。これだけでも、この朝ドラが桁外れの名作であることが改めて示されているのではないかと思います。 by kst0225
2012/04/01 一から十まで台詞で説明しないと物語を理解できないだろう等と馬鹿にもしてない。←このワンフレーズがとても気に入りました。ベタだけど説明しすぎないというスタンスも本作の魅力でしたね by 青い羊

2011/12/24 良いと思うコメント [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:59(83%) 普通:6(8%) 悪い:6(8%)] / プロバイダ: 15708 ホスト:15361 ブラウザ: 4647
タイトル、もーちょっとひねりが欲しいな〜、
どうせこのタイトル通りひねりのない、
いかにも典型的な良妻賢母なお母さんが出てきて、
子供たちに旦那さんにやたらと感謝されるって感じの話なんでしょう?
二匹目のドジョウ狙いなのはちゃんとお見通しなんだから!
って感じで先入観ガンガン持って見ていたら、
見てる方がひねり倒された…(僕が好印象を持つ黄金パターンね)。

いろんな障害(女性差別とかおとうちゃんとか)があって、
自分が望む選択を次々と封じられるが、
抜け道を探して、別の新しい選択肢を見つけ出し、
あえて自らきわどいしんどい方をわざわざ選んでヒーヒー言いながら進んでいく、
そしてすばやくデカイ決断をしていくたび、
それが成功だろうが失敗だろうが、
それで後々後悔しようが、
良くも悪くも変わっていく主人公糸子とその周り。
時代やらその頃の社会状況やら誰かに押し付けられた運命より、
主人公のごう快(たまに繊細)な意思決定で話をうねらせていこうという、
最近じゃめずらしい主人公主体の王道なドラマに思うのだがどうだろう?

「あの花は根性あるっておばあちゃんが」
「ほかの洋花とちごてカーネーションは簡単にしおれん、
カビはえるまで咲いてるって感心してました」(by糸子「第23話」)、
そういえば仏壇に飾る花瓶の花を替えるとき、
他の花と違って、この花だけはピンピンしていてモチがいい。
ついつい、この花だけまだいけるかって感じで花瓶に戻してしまうんだよね、
カビ付き(あの白いのってカビ?)のまま。

だけどドラマはカビ付く暇を与えない風通しいいというか、
おっぴろげっていうか、
外から突風のごとくやってきた得体の知れないものを
アタフタしながら受け入れていく、
(やがて?)自分のものにしていく(?)、
いい意味で節操ないな〜(特におとうちゃん)、そんな話(っぽい)。

【パッと思いついた特徴】
一つ。
ヒロインが恐い。ついでにおとうちゃんも恐い。
それとは逆におかあちゃんがナヨナヨしてる、やけにおとなしい、頼りない。
常に良き強き、世話焼きな典型的な母親像を提供していた朝ドラでは珍しい。
ヒロインの関心事、相談事がおかあちゃんをスルーしていく。

いきなりどーでもいい話だが、うちの母方のおじいちゃんは大阪で元呉服屋さんで、
おばあちゃんは元そこそこお金持ちの長女と、
このドラマのキャラとイロイロかぶっていて、個人的に親しみやすい。
それはともかく、
そんなおじいちゃんとおばあちゃんから生まれたうちのかあちゃんが昔なんかの話題でふと言っていたこと、
「…岸○田の女性は恐い」
おそらく知り合いにいたのかもしれない。
喋り口調なのか、気性なのか、具体的な話はすっかり忘れてしまったのだが。
(覚えていても書かないけどね)

ドラマの中で恐いヒロインの例を、いっぱいあるのだが、一つ上がると、
眉毛八の字糸子の春太郎へのガン飛ばし(第23話)、強烈!
あの目つきは、昔、っても80年代ごろ、
駅前でう○こ座りしている剃りこみ入れたヤンキーといっしょだよ!
これだけでなく、女性らしかならぬ、
ビクっとする聞き捨てならないセリフを糸子がガンガン吐く。
例えば、
「(頭ドついて)この、ボ○ナス!」
「どの頭がそこまで腐とるねん、(襲いかかって)見せてみ、見せてみ!コラっ!」
(by糸子 被害者は勘助ちゃん 第33話)
どこの任○映画で覚えたんだ!そのセリフ!

「(略)どこの親分や、(略)しろーとちゃうで、あのドス」byオハラ洋装店の(ムライ)参謀長の、
糸子の暴走を唯一止めに入る(ちょっと阻止率悪い)ストッパー役の、
昌ちゃん(第69話)。
僕が、いや視聴者が糸子に感じていることを昌ちゃんがちょくちょく言ってくれてる。

しっかし、朝ドラの歴代ヒロインの中でこんな恐ろしいこと言ったのって今まであったかしら…。
たいてい、相手の売り言葉への切り返し、
「はあ?↑↑」発言から怒り狂いモードに突入する、周りはオロオロ戦々恐々。

その一方で、糸子は意地でも弱みを見せない仁義な関係の吉田奈津を除いての同姓同士だとその辺の女の子と変わらない、
結構キャピキャピしてかわいいところあるのだが、でも恐ろしい面を知った以上、そのギャップすらある意味恐い。
今の段階でこうなわけだから、
のちのち“いい意味"で(←ここすごく強調!)化け物じみてくること間違いない。

二つ。
話の展開もヒロイン糸子も、割りきりと切り替えが早く、引きずらない。
話も彼女とおとうちゃんの機嫌もくるっと変わる。
あんなに散々泣き(または怒鳴り)騒いでいたのに、
場面転換したとたん、あっさりケロっとした顔。
突っ走るダンジリが勢い落とすことなく、ぐいっと角を曲がる“やりまわし"ような、
急な方向転換したような。
たまには家屋に突っ込むけど。
そう都合よく、自分の思うとおり進める世の中人生プロセスありしない、
ってことを本能的にどっかで悟っているのか、この地の人の気質なのか、
実にサバサバとあっさり折れる、曲げる。
布を扱っているだけあって、あってか?柔軟なんだろうか、考え方が。
若いうちから何かと世間とおとうちゃんに痛い目に合っている糸子、
案外、これは一種のストレッチ運動かもしれない。
「柔軟ハ若イウチカラ」(『潜入!リアルスコープ』で大阪の外人の体操の先生の言葉)

悲嘆に暮れても、ダメなら次の手を考えてすばやく行動する糸子、
そんな猛烈に気合入れているところとやたら気が抜けてだらーーっとしているところのメリハリが見所のひとつ。
とにかく、スキあれば、よー寝っ転がっている。それでおばあちゃんに注意される。
動と静、緊張と弛緩のバランスがよく取れている。

三つ。
もはや大阪出のドラマという上の絶対使命(命令?)なのか、
定番というか、笑かそうとするシーンが多い。
そのためなのかどうなのか、糸子を取り囲む、
なんかアホでダメな男たち。
実は、登場人物に関しては作り手の悪質な(?)意図的な女尊男卑の世界。
(第59話の糸子の妄想とはいえ、おっさんらのニヤケタアホ面を見て欲しい)
そんな中、あからさまに無神経な男尊女卑的発言が飛び出るが、
なーんか、この段階であの時代でも結構ダメと思うだが、
彼女の尊敬の対象にまるで値しないダメ男たちにダメ出しされても、
彼女は卑屈になるどころか、闘争心の火に油を注ぐだけ。
そんなあかんたれなイメージを付けられて大阪の男性はそれでいいのかしら?
あくまでドラマの中ではいいように作用しているけど。
結局頼れるのは女だけ、敵も女だけ。

【第一部までの雑感】
75話のあの茜空(!)に向かって糸子が叫ぶシーンを見て気づいたけど、
そっか!オハラって、あの『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラからだったのか!
…って今さらのようです。某N○K雑誌で書かれていました。
話はピューと飛びますが、
かなり昔に新春のテレビ放映でその『風と〜』がやっていたのを、
僕とおばあちゃんとおかあちゃんといっしょに見ました。
途中であまりの長さに僕とおばあちゃんは寝ちゃったが、
おかあちゃんはこの映画のファンだったみたいで、見終わった後、
スカーレットは絶対□型だわ、生まれ変わるなら私は□型になりたいわとか、
あー優柔不断なアシュレーにはイライラする(近親憎悪?)とか、
一人ベラベラくっちゃべった中で、
「もし(アメリカと)戦争始める前に(日本人がこの映画)見とったら、(日本はアメリカと)戦争しなかったのとちゃう?」
みたいなことを言ってたような記憶がある。
(たしか真珠湾攻撃の二年前に出来た映画)

この映画とこのドラマのヒロインに共通点するもののひとつ、
周りが女だらけで、この苛酷な環境に立ち向かっていくには、
周りを引っ張っていくためにも男以上にたくましくなければいけなかったヒロイン糸子。
彼女は馬車馬のように、みんなを乗せてデコボコ道をひたすら突っ走る…。
そういう圧倒的な存在感、スカーレットと糸子にはある。
まさか、のほほんムードのメルヘンチックな歌から始まるあの一話から、
こういう展開になるとは。まったく予想できなかった。
うちのおばあちゃんとおかあちゃんに見せたかったな〜、このドラマ。

『76話』→第二部からOPの終わりがちょっと変わって、
赤い服の女性(糸子)のほかに3人の子が出てくる。
おそらく、黄色の服のオカッパが直子、緑の服のオサゲが優子、
水色の服のマッシュルームカットが聡子なのだろう。

『77話』→倒れた姉(優ちゃん)にすばやく反応して、マウントポジション、
その体勢から持っていたかばんで姉の顔面を上から何度も叩く直ちゃん。
彼女の破壊的欲求の矛先は物から人へ、進化した心花ちゃん(直ちゃん役の人)。
裁縫テクより先に、すでにバーリ・トゥード(?)テクニックは親から子へと継承されている。

『78話』→ちくわをくわえて、パ○パ○をじっと見る糸子の眼つきは、
今にも獲物を狙おうとする猛禽類の眼つき。
八重子に対して、顔近づけての糸子の説得の仕方は、
くろーと押し売り詐欺師のやんわりとした恫喝。

『79話』→恩を仇で返されたけれど、懐の痛みの元は、お金でなく子を思う親心。
あいつらの本ボスはどうも押入れふすま近くにいたおっさんだと思うよ。
彼らを知ることで、今までちょっと邪険に雑に扱っていた我が悪ガキらを、
改めていとしく思う糸子、おそらくこのドラマのポイントになる重要な回。
[共感]
2011/12/27 33話は糸子がお父ちゃんに最大スケールで怒られた次回の清涼剤(?)でしたね。72話の後には幸せな日常のやりとりと気付きます。69話は前回の経験からクレバー成分が加わり逆に凄みと貫禄が増したという成長の方向性が普通のヒロインとはどこまでも別の糸やんでしたなぁ・・・。 by 十傑集

[推薦数:1] 2011/10/09 良いと思うコメント [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2319(50%) 普通:1165(25%) 悪い:1166(25%)] / プロバイダ: 19398 ホスト:19369 ブラウザ: 11721
前作の反動からか男尊女卑の世情を全面的に押し出していますね。

男の子と喧嘩をして戻ってきた子役のヒロインが父親に張り倒される場面は度胆を抜かれました。
もっとも次の回ではお父さんも陰で「きつく叱りすぎたんじゃないか」とオタオタしているなど
人間味のあるように描かれており、あざとくなるギリギリのラインでバランスが保たれているようです。

出だしのテンションを上手く保っていって欲しい。

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2012/03/05 [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示] by (表示スキップ) プロバイダ: 36209 ホスト:36373 ブラウザ: 6425
視聴者の想像に任せる所は任せるという形でテンポ良くなおかつ情報を詰め込みまくってますからね。
それでなくても22週間、癒し系サポートに徹してきた千代さんの老いを丹念に描いて
最後の名場面に繋げた手腕を見れば善作との馴れ初めを見てみたいと思うのは人情。

オノマチ糸子の一代記としては3月3日が事実上の最終回であり、晩年は1週間程度の後日談でいいと考える人も
いるようですが、敢えて一月かける理由は私も考えが纏まってきたので完結後に評価文にする予定です。

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2017/05/15 好印象 by (表示スキップ) 投票履歴 / プロバイダ: 80 ホスト:248 ブラウザ: 10249 [編集・削除/これだけ表示]
感じた事感動/涙流した/友情/ロマンチックな気分/可笑しく笑える/楽しい/面白い/格好良い/美しい/考えさせられた/勉強になった/勇気貰った 
ストーリー最高(+3 pnt)
キャラ・設定最高(+3 pnt)
映像最高(+3 pnt)
声優・俳優最高(+3 pnt)
音楽最高(+3 pnt)

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