[ドラマ]遺産争族

まあそもそも、遺産相続という題材からして、それ自体はあまり新鮮味のない題材で
「どんなものだろうか?」な強い興味をひくほどのものではなかったですよね。
勿論、主人公が婿入りの医者で、嫁さんの実家が葬儀屋とか本作ならではの味付け
も決して皆無ではなかったのですが・・・・・・・・

彼自身も婿入り婚だった恒三役の岸部一徳氏の鋭い熱演はひと際光るものが
ありました。典型的な太鼓持ちだった吉沢のお世辞にも「お前会長にも同じような
事言ってただろ」というような皮肉で返したり、「そういうの葬式終わってからやれや!!」
とも突っ込みたくなったけど、醜い遺産相続争いしていた、主人公に先に注意されて
いた別の遺族にも熟練者らしい対応したり、その主人公と戦う事の是非とかについて
持論をぶつけあったりとある意味その主人公役、向井理氏をも食っていたほどでしたね。
(向井氏も秀忠とか演じられた頃よりは演技力向上したかなあとも思ったけど)

しかし、そこからのさらなる「押し」が思ったほどでなかった。
実は・・・・・・な真相が最後明らかになって、「この後起こる事こそが本当の『遺産争族』で、
今までのはその序章に過ぎなかったんだよ」とか言いたかったであろう(実際あの
鍵も発見されて、「人間の欲望には限りがなくて〜」のナレーションも聞かれましたが)
終盤の展開・結末は確かに「王道と見せかけた意外性」はありました。
しかし、会長こと龍太郎の娘達の中では長女の陽子が時にはあの婚姻届けを故意では
なかったながらも破ってしまった事もあった等三姉妹では一番遺産に対して強い執着心を
持っていたに見えましたが、中盤の登場も全く予想通りながらも根っからのク●でもなかった
親父とか共々途中の遺産をめぐるやり取りとかは。もっとドロドロしていたと思ったら、
なまじそういう意外性を狙っていた故でもあったのか、やや拍子抜けでもありましたね。

最初から終盤の様なノリで行ってほしかった・・・・・と言うのもハードルの高い要求
というものですか。凡作ではなく、現代の社会問題に対する風刺も効いてはいましたが、
凄い絶賛できる程でもなかったです。評価は「普通」で。