[小説]もらい泣き: 2019/01/27 mosukuwa


もらいなき / Morainaki
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2019/01/27 普通(+0 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2204(58%) 普通:769(20%) 悪い:858(22%)] / プロバイダ: 44288 ホスト:44225 ブラウザ: 8943
冲方丁が綴った、「実話を基にした『泣ける』フィクションのコラムショートショート」。
一応、周囲から聞いた話をベースにしてフィクションとして味付けした作品なので、分類上はコラムとも小説とも言われたり……。
そんな本作でしたが、泣けるお話と言われてハードルを上げて読むと、多分泣かないだろうなというか、てっきり「泣かせる自信」をタイトルにこめたのかと思って挑戦状として読んだのですけれど、そんな思いきりと勢いのある作品ではありませんでしたね。

本作、「実話から着想を得たフィクション」なのですが、この立ち位置がまず乗りづらかったのかもしれませんね。
実話と言われれば「こんな事が本当にあったんだ」なんて思えるし、フィクションと言われれば「良い話だな……」と泣くかもしれない。
ただ、「あくまでも意味やその話の大事な部分、感動的な部分はねじ曲げずに、ただ仮想も交えました」と言われると、どの話もどこまで真実でどこまで嘘なのかこちらの視点では勘繰るようになってしまいます。
作者の取捨選択がどんなラインで行われたのかがやはり伝わる術がないので、「ここが嘘だったらちょっとな……」という想いを感じながら読む部分があるんですよね正直。

伝聞として次々と語られるお話は、面白い物もあれば、「え?それで?」となってしまう物も多かったです。
やはり現実の感動には起承転結がなく、すーっと終わるんですよね。それを一貫しているのは気持ちとしてわかるんですが、泣ける引きがなく淡々としてるのがやはり本作を読みたいと思えた動機とは解離してしまったと思いました。

ただ、冲方丁と(元?)奥さんとの関係性みたいなのが記された文面は、後々にこの両者が謎を残した仲違いを起こしてしまった件からすると、どうしても「面白い」と不謹慎に思ってしまう箇所でしたよね。
ファフナー序盤について奥さんがプロデューサーに「なんであんなにつまらないんですか」と直談判した結果、冲方丁がそこから脚本を書く事になってしまった……なんていう有名な逸話もありつつ、エキセントリックな逸話をもうひとつ紹介していたのは印象的でしたが、「愚痴のふりをしたノロケ」の意図のある〆なのかなと思っていたら、今見ると愚痴でしかないというお話に。
とはいえ、例のDV前後も一貫して「子供想い」だったのは本作の中でも触れている通りかと思いましたね。

評価は「普通」です。
もらい泣きできるかどうかは人それぞれかとしれませんが、実話とフィクションの境界が曖昧な状態で心を動かせるコードみたいなのを持ってないとちょっと何かに感動を阻害されるかもしれません。



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