[小説]モノグラム

40過ぎていた中年男の、青春の思い出と残酷な(?)現実を描いた短編小説だったという事ですか。本作は。

工場の守衛をやっていたらしい栗原がその中年男とのことで、彼がちょっと奇妙だった過去の体験談を語る形で物語は進んで行ったのですが、職を転々としていた様で、こらえ性のない人だったのですかね。奥さんもヒステリーだったらしいですが、あくまで彼の言い分だし、彼女からしたらなかなか仕事が長続きしなかったから神経をすり減らしていたかもしれないですね。

家にもいづらくなって、公園で時間を潰していたら、田中という30代だったらしい男と出会ったのですが、世間は狭いと思いきや・・・・・・・・・・お勢登場でも長持から出られなくなってしまった夫を助けず、死に追いやってしまったゲス悪妻がハッピーエンドを迎えた話を描いた乱歩だから、絶対懐かしきわが青春の日々万歳!!なオチにはならないと思いきや、やっぱり・・・・・・・でしたね。

まああの懐中鏡も機に夫婦仲も改善していったのだろうし、必ずしも悪い事ばかりでもなかったのでしょうけど、月並みながらも世の中知らない方が良い事もあるという事だったのでしょうね。そういう意味ではこの田中も罪な男だったと言えたのかもしれないけど、まあ元あと言えば栗原がちゃんと長く1つの職場に務めていれば彼と出会う事もおそらくなかったわけであり・・・・・・・・

悪くはなかったけど、もう同じ対戦チームの他投手と対戦した時にも投げられた変化球でしたな感じで、凄く意外だったとかはなかったですかね。評価は「普通」で。