[小説]こころ (こゝろ)


Kokoro
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著者:夏目漱石 挿絵(集英社文庫版):小畑健

出版:新潮社 角川書店 集英社
文庫:新潮文庫 角川文庫 集英社文庫
日本 開始日:1914/04/20(月) / 終了日:1914/08/11
公式サイト
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最終変更日:2010/02/24 / 最終変更者:雪霞 / その他更新者: Merci / Janus01 / カトル / 提案者:TCC (更新履歴)
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2012/02/05 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2204(58%) 普通:769(20%) 悪い:858(22%)] / プロバイダ: 20089 ホスト:20180 ブラウザ: 7541
【良い点】
・「先生と遺書」の描写のリアルさや、登場人物への共感。
・先生やKの性格がなかなか個性的で、先生の視点から見た三角関係が面白かった。
・やり取りが妙に印象に残る。現代文の授業で習う前に読んで多少予習したが、「精神的向上心のない者はばかだ」、「覚悟ならないこともない」といった台詞は皆が口にする前からかなり印象に残っていた。
・登場人物を嫌いになれないこと。一見すると友人を裏切り、「教育相当の良心は持っている」と自負してしまう先生が悪人のような気がしますが、普段の彼を見ているとそうは思えない。Kも、正直言って先生とお嬢さんの恋に余計な要素を入れてしまった空気の読めない人間のようだけど、彼なりに考えている。

【悪い点】
・前半が微妙で、先生と海水浴に来ていた西洋人などが登場しないのには違和感。伏線として書いて忘れたのだろうか…。
・後半が遺書のくせに長い。10日で書いたにしても、長すぎる。漱石もそれは自覚していたらしいけど。

【総合評価】

教科書で読んだあと、全編読みたかったので購入しました。
教科書で読んだ部分が一番面白かったんですが、その他の部分も良かったと思います。

2012/01/31 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2280(50%) 普通:1143(25%) 悪い:1143(25%)] / プロバイダ: 36209 ホスト:36373 ブラウザ: 6425
人が他者と関わり人と生きていくことの難しさを扱った作品ですね。
一人の女性を二人の男が愛した。
仮に友人が彼女と結ばれていたら、やはり先生は自分の不甲斐なさに後悔したでしょう。
先生と友人が腹を割って話し合っていれば…というのは後からは簡単に言えてしまいますが、
愛するという感情は時に人を視野狭窄にも陥れるし他人が自分と同じような葛藤を抱えている事まで考えは至らない。
人の心にベストアンサーはおいそれと存在しないというテーマは重いものの、やはり読み応えがあります。

作品の発端となった明治天皇崩御と乃木将軍の自決に関しても、我々は理屈の上でしか理解できない感覚ですが、
将来にビジョンをもてない「私」など現代社会の若者にも通じる者があり、
その点でもリアリティを感じました。評価は「良い」で。

2011/11/29 普通(+0 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:10(83%) 普通:2(17%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 39069 ホスト:39322 ブラウザ: 9466
【良い点】
難しい表現は少なくてストーリーは長いけど読みやすい。

【悪い点】
人間のドロドロした関係が容赦なく書かれている。暗い作風。

【総合評価】

全体的に複雑な作品。理解するには予備知識が必要だと思う。評価は「普通」とさせてもらいましょう。

2011/09/21 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴 / プロバイダ: 18633 ホスト:18455 ブラウザ: 2619
【良い点】
・先生の謎めいた雰囲気の描写、しかし信頼は出来そうだと感じる点。
・病気の父親との交流は一見普通だが何かに関連している感じが見て取れ親戚の悪い部分も書いている点。
・kの圧倒存在感と不気味さ。
・明らかに善人である先生に複雑な点があることに気づかない、一方でKは徹底的に疑う、主人公の2面性を描いている点。
【悪い点】
・主人公がKを疑い過ぎ

【総合評価】
テーマが何なのか分かりにくく、ラストは時代及び明治天皇への贖罪意識になる事なのでしょうか。先生という偉大な師匠を持ちながら猜疑心と嫉妬 、力比べに目がいっていた。その事に対する悔恨と力のなさの両方に起因する罪ではと思います。
kは宗家の出身で勉強しすぎで逆に性格が悪くなったとはっきり書いてあるのですが、何をしていたか聞いてきたりする理由は普通存在せず、何故なのか考える必要があったという事なのでしょうか。しかし主人公を責める書き方でもなく難解です。
先生が何故謎かけの様な回りくどい言い方をするのか高度すぎるし勝手に解釈するのは駄目で、しかし恋愛は悪い事だと言うのはある種の過去と申し訳なさを伴っている雰囲気もあり逆に具体性のある発言もあります。
Kは主人公が嫌いなら自分に好きな人がいるなんて打ち明けませんが、全て裏があり力関係ばかり考えています。ただこの2人の発言解読するのは相当に困難で、主人公が決して力不足だと言う訳ではないのですが一回だとテーマがわかりにくく、自己解釈に陥りやすいです。主人公と読者をリンクさせているのかもしれません。

2011/09/20 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:26(68%) 普通:1(3%) 悪い:11(29%)] / プロバイダ: 16070 ホスト:16024 ブラウザ: 2877(携帯)
全体的に暗い雰囲気で、エンターテイメント性は皆無だが(文豪作品に娯楽を求めるのもどうかと思うが)個人的には下手な恋愛モノよりもよっぽど人間らしさが出ていて秀逸だと思う。
この話は先生、女の子、友人の三角関係が生んだ悲劇とそれを苦しみ、私にそれをぶちまけた後死んだ先生の話。

明治という変革の時代を生きた人にしか描けない人間、背景のタッチが多くあり、でも時代を越えて、どこか酷く共感してしまう部分もある。彼等の血を受け継いで流す、日本人にしか持ちえない何かがあるのかもしれない。
それを見つけるのもまた一興だろう。

ただ、気になるのはお嬢さんの存在。先生の遺書故、先生が主観であるのでお嬢さんの細かい気持ちの機微は分からないにせよ、あまりにも存在が霞んでいて、逆に浮いて見える。
文豪、漱石はわざとそんな描写にしたのか。漱石だって人間だ、思いつくままに書いてああなったのか。本人が死んだ以上、恐らく永遠に分からないんだろうが、それでも謎解きしたくなる様な面白さを孕んでいる。

読み返せば読み返す程謎が生まれてくる辺りが素晴らしい。真意が迷宮入りしたこの作品を調べる学者の楽しさは計り知れないだろう。
上記でエンターテイメント性はないと言ったが、こういう意味での楽しさは発見できる。

取り敢えず、今からもう一度よんでみる事にする。
長文読んでいただき有り難うございました。評価は『とても良い』です。

2010/10/23 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:670(88%) 普通:60(8%) 悪い:33(4%)] / プロバイダ: 1740 ホスト:1857 ブラウザ: 3876
3部作とは独立した作品だけどなんとなくテーマが似ている感じがあります。

今までの清算そんな感じのする作品です。その清算の方法として自殺と言う決断で締めくくるのはなんとなく心苦しいです。切腹そんな感じがします。読んだ当時は門から続くグタグタ感に終止符を打ったのをすっきりして読んだのですが、今から思うとそういう選択肢が答えなのかと思うとなんだか逆にすっきりしない気持ちもあります。明治に入ったとは言え、当時の日本人の過去の清算方法としてそれは江戸からひきづった物があったのかなと。現代的感覚ではなんとなくすっきりしない気持ちもあります。多分自分が年をとったからだと思います。若いとき読んだときはすっきりしていたのですけど。(後から調べてみると日露戦争の乃木氏の自殺がきっかけとなり執筆したとありました)

もう一つ触れておきたいのは手紙と言う形です。これは良かったです。この点は無理矢理押し付けですが、自分の気持ちを受け止めてくれる相手を用意して死ぬというのはまだ何か救われるような気がします。この手紙はおそらく捨てられませんからね。後は物語の方法として、手紙を読んでいる時はもう死んでいると言う形が素晴らしいです。今では時折見かける方法ですが、これは漱石の発明だったのか、誰が最初にやったんだろうとかと気になります。それほど効果的でした。

私はこころが漱石の作品で一番好きです。やはり上記の激情を伴った結末と、この手紙を使って第3者読んで締める小説のスタイルが印象に残っているからだと思います。

とても良いに近い良いで。3部作とこの1作統一して良いをつけて後は微妙な差と言う事で締めます。
[共感]
2011/10/12 切腹…確かに幕末に生まれた乃木将軍にはそういう流れがあったに違いありません。 センセーショナルな出来事ですが「こころ」を読むかぎり作者は肯定派ですね。 by 墨汁一滴

2010/09/04 悪い(-1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:53(50%) 普通:9(8%) 悪い:45(42%)] / プロバイダ: 14213 ホスト:14201 ブラウザ: 3440(携帯)
○概要●
「坊ちゃん」や「吾が輩は猫である」で有名な夏目漱石氏が描く、一人の女を巡る二人の男の悲しい物語。
【良い点】
「私」と友人の「K」と「お嬢さん」の三人関係がテーマです。大変読みやすい文章のため物語が分かりやすいです。
【悪い点】
「私」である主人公と友人「K」は「お嬢さん」の事が好きでした。「K」を差し置いて「お嬢さん」の家族(お嬢さんの母親)にプロポーズをしてしまいます。晴れて「お嬢さん」と結婚ができるようになった主人公ですが、「K」に対して負い目を抱くようになります。その後「K」は自殺をしてしまったのです。「K」の自殺に苛まれ、しまいには主人公も自殺するという後味が悪い物語でした。
☆総合評価★
私が、高校生の時に国語の授業で勉強した小説です。クラスメートが友達と一緒になって主要人物である三人の特徴をイメージしていたのを覚えていますが、お嬢さんの髪型が三つ編みしか思い出せません(笑)もし高校生の時に、評価をしていたらきっと違った評価をしていただろうと思います。昼メロのような展開にドキドキした思い出のある小説でした。後味の悪さを考えると評価は申し訳ありませんが「悪い」にします。

2010/04/16 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:431(69%) 普通:102(16%) 悪い:91(15%)] / プロバイダ: 14920 ホスト:14861 ブラウザ: 7336
聞き手が一癖ありそうな人物に接近して「貴方過去に何があったんですか?」としつこく聞き、
相手が後半でやっと衝撃の経歴を明かす形式は前作「彼岸過迄」とほぼ同じですが、
前作の欠点がほとんど消えているどころか昇華されていて驚きました。

具体的に良くなっていた所を挙げると、まずは過去話を聞き出すまでの前半部分に退屈さが無く、寧ろ味わい深い点です。
登場人物の人生観はかなり突っ込んで描かれており、特に先生と奥さんの深くしっとりとした哀しみの描写が見事です。
後半に繋がる伏線の文が多い所も良い。
次に聞き役の「私」にあまり嫌悪感が湧かない点です。彼の先生に対する執着は少し異常ですが、
純粋に・本気で先生を尊敬しているので「若さ故の情熱だな」と思え、許容することができます。
自分の故郷や親を馬鹿にしなければ、更に良い人だと捉えることができましたが…
最後にペース配分が理想的な点です。本題こと先生の告白が約半分あるので、
途中でしびれを切らして「早く本題に入ってくれ!」と思う事はありません。

こんなにも前作を軌道修正して次に生かせるとは…
自分の文章の特性を把握する能力と、欠点を認める懐の広さが無いとなかなか出来ない事だと思います。
予約殺到でなかなか読めなかっただけの価値はありました。

2010/02/28 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:21(54%) 普通:3(8%) 悪い:15(38%)] / プロバイダ: 24742 ホスト:24775 ブラウザ: 9812
この作品には主軸である人物は存在しないと思う。物語を進める面においての表の心理描写は先生と私の二人に任しているけど、本当は、先生、私、奥さん(お嬢さん)、私の父、K、物語に登場する沢山の人物のそれぞれの「こころ」を夏目漱石は書きたかったんじゃないのかなぁと思った。

三章の先生と遺書でKが自殺するまでのところ。先生の書いた遺書であるが故に先生目線で書かれているけれども、先生から見たKの客観的に見た行動、先生が解せなかったKの発言、そういったものを読み込んでいけば読み込んでいくほど先生の「こころ」だけでなくKの「こころ」も見えてくるし、お嬢さんの「こころ」も見えてくる

そういったものがあるから自分が解せないところも、もしかしたら深い真理描写が隠れているのかもしれない、とか、心理描写がとても上手いからどんどん探求したくなる

先生目線だけでKの「こころ」、お嬢さんの「こころ」を読者に示す夏目漱石は凄いと思った。

漱石の知る沢山の「こころ」の脆さ、強さ、不安定さを彼はこの作品の多くの登場人物にのせて表現していったんじゃないかなぁと思った。

2010/02/20 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:225(78%) 普通:25(9%) 悪い:40(14%)] / プロバイダ: 25618 ホスト:25775 ブラウザ: 10225
名作といわれるものを読み慣れない者の感想です。
物語は非常に読みやすく、読み進めていても途中で飽きたりすることなく、最後まで何かしら続きが気になる作品だった。とはいえ、最初にいきなり「私」が「先生」に海辺でいきなり興味をもち、親しくなろうとするところは突然すぎて困惑した(最初は「私」は同性愛者かと思った)
この本のテーマは正直わからない。
私個人の感想として、一つは、「先生」が親友「K」を裏切って死に追いやり、自分を責めつづけて生きてきて、ついに死を決断するのは日常のちょっとした出来事だったりする。「人間失格」でも主人公が死を意識する中で、連れ合いに食堂で財布をのぞかれて、「それだけしかお金持ってないの」といった何気ない一言に絶望し死を決心するという所があったが、はりつめた糸が切れる瞬間に自分の死を決心するところに恐怖を感じる。それは決して他人事でなく、回りの人や、自分にさえ起こりうる状況であるから。その人間の心(この心は題のこころ、とは違うと思われる)の不安定さが1つ。

それと、「なるほど、夏目漱石って偉大な小説家」と思うのは人間の心境を文章にするその表現力(?私はそこをなんと表現すればよいのか?語彙が貧しい)がすばらしいと感じる。この人物のこの状況ならまさにそう考えているし、考えている人物の感情はこう表現することが一番的確だと思わせる、表現力(?)。史上に残る小説家というのは人間の心情を掘り下げて、拡大して、具体化して、抽象化して、文章としてもっとも読者に適した形で表現できる人のことをいう、に違いないと独りよがりの感想でした。
結局「こころ」という表題の必然性はよくわからない。評価は「良い」。

2009/08/26 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:65(41%) 普通:37(24%) 悪い:55(35%)] / プロバイダ: 1761 ホスト:1626 ブラウザ: 9938
人間の深層心理の醜さを描き切った名作。
読んでいて疲れるので休みを見つけて取り組んだ方がいいです。
僕らも、この「先生」のような醜さを大なり小なり持ち合わせているのでしょう。彼のように事が起こってから悔むのではなく、周りに迷惑をかけないよう言うべきことははっきり言い、ひきょうなまねはしない人間になりたいものです。

2009/02/18 悪い(-1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:792(58%) 普通:431(31%) 悪い:147(11%)] / プロバイダ: 18384 ホスト:18446 ブラウザ: 6287
先日購入した文庫 「 二時間目 国語 」 では 「 下 」 のおおまかな部分だけが
掲載されていました。
本作の存在を知ったのは、確か高校の教科書と記憶していますが、
「 先生 」 に好感が全く持てませんでしたね。

じっくりと読むほどまでの興味も持てません。
人を自殺に追いやって、最後は自ら …… という鬱になるような内容で、
私には、作者がこの作品で訴えたかったことというのが、
全く理解できませんでしたね。

2008/09/25 良いと思うコメント [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:431(69%) 普通:102(16%) 悪い:91(15%)] / プロバイダ: 29983 ホスト:29908 ブラウザ: 8090
第3部の一部分を教科書で読んだだけですのでコメントで。
【良い点】
・さすが漱石さん。よく練られた文章で語彙力が素晴らしい
・私とkの心理描写、人物描写が緻密
・先が読めない、手に汗握る展開

【悪い点】
・結婚という人生の重大事件に際して、お嬢さんの描写が少ないこと。お母さんの描写は結構あっただけに不自然さを感じた。

【総合評価】
私の学校では不人気だった現代文の授業を、一気に盛り上げてくれた作品。
最後まで先に読んでしまった子が、授業と同じペースで読み進めている子の前でオチを言ってしまい、怒られるという微笑ましい出来事がありました。
それだけ先が気になる筋書きだったということでしょう。
未だに図書室では人気殺到、借りることができません。いつか最初からじっくり読みたいなあ。

2008/09/22 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:157(72%) 普通:34(16%) 悪い:28(13%)] / プロバイダ: 9753 ホスト:9934 ブラウザ: 6287
夏目漱石の後期三部作の一つで、則天去私という人生観に至る先駆けとなった小説でもある。

第1章「先生と私」では、鎌倉で出会った先生という人物に、小さなことから惹きつけられていくところが描かれている。それと同時に、主人公の「私」は、先生の日々の行動や態度から、自分自身の考えの変化や先生に対する見方の変化が生まれてくる。
先生の人物像への疑問が、次第に先生の過去と関係があることを知っていく。先生が毎年ある人物の墓参りに妻を連れずに必ず一人で行くこと、先生が恋は罪悪であると考えるということ、その他様々な行動や思考一つ一つが全て過去によって生じてきたということを認め、それらを私や妻にさえ話さないことから、先生に対する興味(そう言っていいのか分からないが)がより一層強まっていく。先生が隠す自分の悲劇が、今の先生の人物像に仕立て上げてしまったこと、その尊敬する先生の過去を私は過去の思想として重きを置こうとしていた。そのことを私は真面目であると信じていたからであった。その態度から先生は適当な時が来たら、自分の過去を話すことを私に約束した。

第2章「両親と私」では、病気になった私の父のために、大学を卒業した私がいったん家に帰り、そこでの両親と私とのやり取りが描かれている。父は私に対して、自分が生きている間に私が独立してやっていってくれることを強く望んでいた。そこで父は、私の尊敬する(父の偉大という考えと、私の偉大だという考えの違いは顕著であった)先生に良い就職先を探すことを頼もうとする。私はそのことを手紙につづって送った。その後何の音沙汰もないので、自ら東京に赴こうとするが、その矢先父の病気が急変する。東京行きを先延ばしにして、家に留まった私の前で父の死が目の前に迫っていた。ところがその時に先生からの非常に長い返事が届く。父の病気のこともあり、その手紙を後にしようと思ったが、手紙の最後の部分を一瞥いた際、先生の死を悟った私は置手紙を残して家族のもとをあとにした。

第3章「先生と遺書」では全文が先生の遺書として描かれており、この遺書で私が先生の過去を知ることになる。この遺書で語られる先生の友人Kと過ごした先生の過去が先生を自殺にまで追いやることとなった。叔父との間で起こった財産問題を経て、先生の中に、ある固定観念が生まれる。下宿で出会った奥さんとお嬢さん、その出会いによって自分の考えが和らいでいく。Kの強引で頑固な性格が自らを神経衰弱に陥らせる。その状況を見かねた先生が、Kを下宿に連れて来ることで自分と同じように精神が安定することを想定してKを説得した。しかしKとお嬢さんの接近が私を動揺させるとともに、Kを押さえつけようとする感情が働くのであった。お嬢さんに好意を寄せていた先生は叔父との問題もあり、なかなか奥さんに自分の感情を打ち明けることが出来なかったが、決意を固めた私は奥さんに自分の思いを打ち明けた。奥さんはその思いにあまり驚くことなく応えてくれた。そのことを奥さんの口から知ったKの態度に先生は胸を締め付けられるような苦しさを覚えていた。先生がそのことについてどうしようか迷っている内に、Kの自殺を目にしたのだった。先生はその罪悪感を常に感じながら生きてきた。唯一の側近である妻にもその苦しさを伝えられなかった。それは妻自身が自分の過去の象徴であるからなのである。

この小説に語られる私と先生。その心情の変化は話が進むにつれて鮮明に変化していく。それを惹きつけるほどに表現する文章力は非常に素晴らしい。その表現から作品自体の深みへ繋がっていっているように感じた。
第3章の先生とKがゆっくりと重なっていくのは、本当に重要な感性で読むところであると思う。

明治天皇の死と及木大将の殉死とが、先生の自殺のきっかけとなるところは、今の僕たちの見方からすれば納得のいかなかった部分があるかもしれない。しかし、先生の自殺によって長い間存在し続けている「罪」の意識を消し去ることが出来るなら、先生の気持ちも分からなくはないだろうか?
先生の過去を知った「私」の心持ちとそれを読む僕らの心持ちは違っていただろう。しかし、僕たちは読んだときに感じた気持ちをいつまでも忘れずに持ち続けなければならない。それがこの作品が語るテーマであるからだ。
この小説で主軸の人物は「私」なのか「先生」なのか「K」なのか、それが最後までわからないところだったのだが、これは読者の捉え方次第であるから、ここでは断定できないだろう。しかしその不特定さが逆に多様な心情を描くための理由になっている気がしてならないのである。

夏目漱石の中のエゴイズムはこの作品によってぎりぎりまで押し詰められる。しかしながら、そこで生み出したこの作品の偉大さは言葉では表現できないところがたくさんある。そこにこの傑作の素晴らしさが隠されているのである。

文学の面白さをこの作品から教えてもらえたように思う。
評価「最高」

2008/09/10 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴 / プロバイダ: 32756 ホスト:32640 ブラウザ: 3028(携帯)
先生との関係が面白かったが・・自殺するなんてあんまりですよ(涙)
話も先生の関係など面白かったが、後半の手紙はやや読むのに疲れました。
しかし夏目漱石の作品は全般的に読者を引き込む感じがして、好きですな。

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2017/04/20 好印象 by (表示スキップ) 投票履歴 / プロバイダ: 10033 ホスト:10129 ブラウザ: 4936 [編集・削除/これだけ表示]
感じた事悲しい/考えさせられた/勉強になった 
ストーリーとても良い(+2 pnt)
キャラ・設定とても良い(+2 pnt)

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