[小説]姑獲鳥の夏


うぶめのなつ / Ubume no Natsu
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注意: これは文学版。その他メディアのページ: 漫画:姑獲鳥の夏 / 日本映画:姑獲鳥の夏
文学総合点=平均点x評価数34位4,644作品中総合点49 / 偏差値98.67
文学平均点84位269作品中平均点1.69=とても良い/29評価
1994年文学総合点2位78作品中
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作品紹介(あらすじ)

梅雨も明けようという夏のある日、関口巽は、古くからの友人である中禅寺秋彦の家を訪ねるべく眩暈坂を登っていた。中禅寺は古本屋「京極堂」の主人であるが、家業は宮司であり、さらに副業として「憑物落とし」も行う。人間の心の奥に潜む負の感情に妖怪の名前を付け、自慢の長広舌で以ってそれを言葉巧みに祓うのである。関口は最近耳にした久遠寺家にまつわる奇怪な噂について、そのような京極堂ならば或いは真相を解き明かすことができるのではないかと考えていた。関口は切り出す。「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うか」と。京極堂は驚く様子もなく、「この世には不思議なことなど何もないのだよ」と返す。その後、妊婦の消えた夫や代々伝わる久遠寺家の「憑物筋の呪い」について、人の記憶を視ることができる超能力探偵・榎木津礼二郎や京極堂の妹である編集記者・中禅寺敦子、東京警視庁の刑事・木場修太郎らを巻き込みながら、事態は展開していく。さらに、この事件は、持ち出した関口自身の過去とも深く関係していた。
※ このあらすじ部分にはWikipediaを参考/または引用した部分があり、GFDLのラインスが適用されます。
著者:京極夏彦 出版社:講談社
日本 開始日:1994/09
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最終変更日:2009/12/21 / 最終変更者:雪霞 / その他更新者: あっちゃん / TCC / 提案者:もろっち (更新履歴)
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2016/07/09 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:15(83%) 普通:2(11%) 悪い:1(6%)] / プロバイダ: 7765 ホスト:7603 ブラウザ: 9155
「百鬼夜行シリーズは長い、分厚い、難しそう」というイメージから敬遠していたが、この「姑獲鳥の夏」はまだ短めなので挑戦してみたら、予想以上に続きが気になって読みだしたら止まらなくなった。今回読破したので感想を書いて行く。

【良い点】
◎個性豊かなキャラクター達
⇒まず何と言っても作品に登場するキャラクター達がみんな個性的なのだ。博学でクールな古本屋の店主でありながら悪しき憑き物を落とす陰陽師でもある京極堂こと中禅寺秋彦、鬱病に悩まされつつも本作の肝となる「久遠寺産科医院で起きた二十か月も身ごもった妊婦の謎とその夫が密室から煙のように消えた失踪事件」を持ち掛け共に事件を解決しようとする狂言回しの関口、記憶が見えるという特殊能力を持ちながら天真爛漫で常にその突飛な行動で関口を振り回す探偵の榎木津、硬派で男気に溢れる刑事の木場など、一癖も二癖もある登場人物の行動や掛け合いが、時に笑いを時に奇妙さを醸し出している。そしてそれらがこれまた奇々怪々な物語を盛り上げて行く。

◎作中で描かれる医学的、科学的な知識情報の量とリアリティー
⇒文庫の約半分を占めるのではないかと思えるほどの知識の数々。小難しいけれど中には納得出来る物もあり、また後半はそれらが事件の真相へと大きく関係して行く様は「そんなバカな」という驚きと同時に京極堂の「この世には不思議なことなど何もないのだよ」という言葉にも繋がる妙な納得感が生まれる。ネタバレになるのでその全貌はぜひ読んで確かめて欲しい。

◎ぐいぐいと引き込む恐怖描写の数々
⇒文章からでもその背筋が凍り付きそうな恐怖の描き方がひしひしと伝わってくる。特に関口がキーパーソンである妊婦の久遠寺梗子に会う場面では彼女の登場の仕方、変わり果てた姿がありありと脳裏に映し出される。そこから見たくないと思いつつも怖い物見たさで進むに連れて恐怖はより濃い物へとなって行き、終盤の京極堂が憑き物落としをする場面でそのドキドキ感は最高潮に達し、自身も関口達と共にその予期しなかった恐ろしい惨劇の場にいるかのようなゾクゾクした感覚が襲う。またそういった絵的描写だけでなく久遠寺家の人々が抱える闇、そこに渦巻く愛憎と狂気といった「実は人間こそが最も残酷」という点もしっかりと描かれており、特に作中でたびたび登場する姑獲鳥(うぶめ)の描写の伏線が、終盤意外な形で回収される時には恐ろしさ以上に悲哀とやりきれなさを感じた。ホラーが苦手な人にはかなり酷かも知れないが、もし読んでみようと考えているのならそういった描写を覚悟して読むことを忠告しておく。

【悪い点】
×情報量が多すぎて一回では理解し難い&退屈。
⇒前述したように京極堂が論じる知識の数々は正直分かりづらく一回見ただけでは全てを理解出来ない。特には第一話の半分以上を京極堂が関口に「記憶とは何か?」、「見える物、見えない物とは何か?」を解説する場面に割いているが、とにかく淡々と語られるために見る人によっては退屈に感じてしまうかも知れない。こういった小難しさが「百鬼夜行シリーズは玄人向け」というイメージを持たれる要因なのかも知れない。それでも本作はこの要素も一つの売りのような物なので好き嫌いは分かれる所であろう。

【総合評価】
初百鬼夜行シリーズ。第一話の眠気を誘う(失礼)京極堂の解説を後半の展開が一気に巻き返す。次々に突き付けられる不可解でゾッとする描写の数々、それに振り回される人間模様、そして悲しい結末。読みだしたら本当に止まらなくて、久しぶりに小説でここまで夢中になった。もしも百鬼夜行シリーズを読むことを迷っている人がいるなら、まずは比較的短めの本作を読んで見て欲しい(これ以降は本当にデカいサイコロかってぐらい分厚いから…)。
それでは長文失礼する。以上。

2011/09/18 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:225(78%) 普通:25(9%) 悪い:40(14%)] / プロバイダ: 43305 ホスト:43295 ブラウザ: 10806
600ページ以上もある書物を一気に読んでしまったのは初めてだ。

と、この後書いていた人間の常識、日常、人格などを考察した長文章が手違いで消えてしまい、一気に気持ちが萎えたのでもう端的に書くことにする。

とにかく今まで読んできた〜殺人事件とは違うレベルのミステリーです。殺人犯に都合のよい偶然と刑事に都合のよい偶然から生まれ、犯人確定と同時に急に終わりを迎え、余韻をほとんど必要としないミステリーもいいが、人間の記憶、日常、常識の根底をゆさぶり、根源的な不安感からうまれるこの作品は背筋が寒くなるほど

前世の記憶のようなあいまいな記憶のなかで。頼まれた手紙を届けにいき、玄関に出てきた白いブラウスの美しい少女のスカートからのぞく白い足に赤い筋がつーっと流れ落ちる

あそびましょ

行間、ページの空白が不安感をあおる。そして主人公と感情がシンクロしていく。記憶までもが共有されるような。

脳内で膨らむイメージが加速度的にスピード感を増しつつ最高のドラマとなって物語は進んでいく。私の中では、白いブラウスに黒のスカートの、美しいが目を閉じると存在自体が消えてしまいそうな涼子という女性が確かにいる。
そういったしっかりしたイメージをあたえつつ、理屈やの京極堂のセリフも飽きの来させない説得力、途中からは目が離せないスピード感。

驚愕の一シーン。呪文を唱える京極堂の横ではじけるように妊婦から生まれてきた ○○!
もちろん挿絵などは1つもないが、私の脳内でしばらくはこの場面は鮮明なまま、折に触れてよみがえるだろう。

なにより他のサスペンスと違い本件が解決した後も主人公が日常に戻るまでが愛をもってしっかり書かれている所が私は素晴らしいと思った。

漫画大好きな私だが、漫画50冊読む時間が有れば、この本を読んだ方が面白いと感じた。評価は最高。他のも読んでみよう。

2010/05/30 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2(67%) 普通:1(33%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 13857 ホスト:13981 ブラウザ: 8732
一つ一つのエピソードが絡まり合い、結末に昇華する様は見事です。相当に分厚い本だというのに全く長さを感じませんでした。
ミステリ面では謎解きの苦手な私でも叙述系なんだろうなあ、というのは予想がついたくらいですから、皆さんには物足りない感じはあったのでしょう。
しかし、この作品の真に素晴らしいところはそんなところにはなく、「何が狂気で、何が正気なのか」、「この世界は突きつめれば個人の主観にすぎないのだ」とか、「この世の中は欺瞞で満ちているのだ」いうミステリの根本とも言えるような問いを明確に発しているところにあると思います。
このような哲学的な思索を呼び起こす素晴らしい作品には滅多に出会えるものではありません。評価は文句なしの最高です。

2009/12/09 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:177(76%) 普通:23(10%) 悪い:34(15%)] / プロバイダ: 5331 ホスト:5100 ブラウザ: 8914
講談社のメフィスト賞設立の契機にもなった京極先生の記念すべきデビュー作。

謎解きのミステリとして接すると裏切られたという思いが募る作品であり、「こんなのミステリじゃない!」と立腹してしまう人もいることでしょうが、私は間違いなくこれは完成されたミステリ作品だと評価しています。

本作で印象的なのが、冒頭から延々と繰り広げられる京極堂による知識・薀蓄の披瀝ですが(なかなか事件の現場に赴かないだから凄い!)、そこに黄金期のアメリカを代表する長編作家ヴァン・ダイン氏(特に初期の作品)に見られる作者のあざとさ・周到さを強く感じてしまいます。
ヴァン・ダイン氏初期の作品では、その探偵役ファイロ・ヴァンスに「物的証拠を排し、心的証拠のみを重視して推理を行う」という独自の探偵法を採らせています。決してそれが完成された形で表現されているとは思えませんし、瑕疵もなくはないのですがそれを読者に納得させてしまう強烈な説得力を物語は秘めています。それはペダンチックと表現される氏の作風の中で繰り広げられるヴァンスの悪く言えば饒舌な詭弁によって物語独自のロジックを構築してしまう上手さによって齎されるものだと言えるでしょう。
この京極氏の作品でもやはりその上手さが光っています。それが冒頭で京極堂によって延々と刷り込まれる「記憶/認識の曖昧さ」ということであり、この段階で読者は既に最終的な真相に対する作品中のロジックを受け入れさせられているということになるでしょう。それを関口との会話の中で自然と成し得ているのが見事ですし、また、アン・フェアともいえるトリックを成立可能とさせている点が見事としか言いようがありません。
加えて、この独自のロジックの構築が本書を代表する印象的な
「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
という台詞を体現させています。

もう一点印象的なのが探偵・榎津という男の設定と役割の上手さ。このシリーズは実に魅力的な登場人物が多いのですが、彼がその最たる存在だと思います。そしてその威力が最も発揮されているのが本書ということになるでしょう。
人の見えざるもの、人の記憶を見てしまう幻視家の榎津の特異体質と、自由奔放な彼の性格を知らしめた上で最初の久遠寺家訪問で既に真相を見せておきながら読者には悟られず、終局に於いて関口とともに見てきたものが一変するカタルシスを演出する鮮やかさが作品の魅力を更に高めているのではないでしょうか。

評価としては初読時には「最高」と思っていましたが、更なる物語性の充実で進化を見せた『魍魎の匣』なる傑作の誕生があったために「とても良い」とします。

2009/02/02 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:25(53%) 普通:18(38%) 悪い:4(9%)] / プロバイダ: 36101 ホスト:36109 ブラウザ: 6392
冒頭部から数十ページにわたって続く、関口と京極堂の会話に度肝を抜かれた。
「長っ!」と最初はそう思ったが、次第に京極堂の蘊蓄に惹きこまれていった。
知識を、ただ知識として披露するのではなく、会話に巧みに織り交ぜて読者の頭に刷り込む。
作者の技量が高いからこそ為せることだろう。
また、その蘊蓄が一分の無駄も無くストーリーに絡んでゆく。
読者に隙を与えない小説である。

文体も、作品の世界観とマッチしており、一見高尚に見えるが、けっして回りくどいとか解りにくいいうわけでもない。
人に「読ませる」文章がしっかりと練られている。

キャラクターも魅力的である。
語り手である関口は鬱気味なのだが、彼の心理描写がじつにリアルだ。
関口と同じような性格の者なら思わず「ああ、わかる、わかる」と手を打つだろう。
京極堂や榎木津をはじめ、「まとも」から少し、あるいは大きく外れた人間が多く登場するが、登場人物の異質性が物語の異質性と同調して、むしろ自然な世界観を作り出している。
黒装束の陰陽師としての京極堂はエンターテイメント性にも優れている。京極堂が謎解きに立ち上がるシーンはなかなか見物である。

ミステリー作品として、「トリック」にあたる部分で評価が分かれそうだが、作者の配慮は十分なされているので、決して「アンフェア」ではない。
もっと「ミステリー」の範疇を広げれば間違いなく名作の一つである。

2008/11/25 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:4(40%) 普通:1(10%) 悪い:5(50%)] / プロバイダ: 48714 ホスト:48860 ブラウザ: 7590
トリックとかが無茶すぎる。だけど、日本語は綺麗だし、登場人物が妙にかっこよかった。

2008/05/04 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:28(67%) 普通:8(19%) 悪い:6(14%)] / プロバイダ: 37316 ホスト:37323 ブラウザ: 5533
前半の長い、一見無駄に思える薀蓄は後半のトリックの説得力を持たせるための伏線なんですよね。
このシリーズはどれもこれもブ厚いページ数なんですが、
それらの長い薀蓄・伏線も軽妙なキャラクターで退屈しないよう工夫しているのだと感じます。
なので、京極氏のこれらの妖怪シリーズは必ずこの姑獲鳥の夏から読み始める事をオススメします。

2008/03/24 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:11(65%) 普通:2(12%) 悪い:4(24%)] / プロバイダ: 48513 ホスト:48614 ブラウザ: 4317
戦後という時代設定でありながら妖怪の設定を持ってくるのは面白い試み。
最初は小難しそうな内容に堅そうな文章に辟易していたのですがこれが案外読みやすい。
京極シリーズを読んだのはこの本と「魍魎の箱」だけなのですが、その時点での評価を。
この京極シリーズで面白いのはやっぱり登場人物だろう。
鬱病持ちの小説作家、関口に頑固な刑事の木場、破天荒極まる性格の探偵、榎津。
古本屋の店主でもあり神主でもあり陰陽師でもある中禅寺秋彦。別称「京極堂」。
そんな一癖二癖もある彼等を軸に人の因果が絡みついた事件を解決していく話。
久遠寺家の悲しき歴史とそれ故に犯した業と姉妹の狂気的なまでの女という性に対しての執着。
そして今回の主役である関口の過去ますら巻き込んで話は進む。
この作品を読んだ方が評価でよく言われるのがトリックに無理があるという事です。
確かに色々と「推理でそれってアリなんだ・・・」と思った箇所が多々ありました。
多重人格のくだりもそうですし藤牧の死体とかダチュラの花とかも。
しかしそんな風に矛盾は見られたものの、物語はとても奥が深く、面白い。
「姑獲鳥の夏」という題名にちゃんと意味があって最後に繋がるのも良いです。
今度は塗仏の宴か、女郎蜘蛛の理(字が違うかも)あたりも読みたい所。

評価は「とても良い」です。

2008/03/17 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:15(88%) 普通:0(0%) 悪い:2(12%)] / プロバイダ: 19811 ホスト:19948 ブラウザ: 8090
【良い点】
意外と読みやすいところ。
メインキャラクターが面白い人ばかり。
文章がとても綺麗。
【悪い点】
特にありません。

【総合評価】
あまりすすんで小説を読まないのですがこの作品は今まで読んだ中で一番面白かったので京極堂シリーズをすべて読んでみたいと思いました。

2007/09/15 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:53(76%) 普通:17(24%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 2688 ホスト:2558 ブラウザ: 5540
ご存じ、京極堂が活躍するシリーズの一作目。初めて手に取ったときはあまりの分厚さにビックリしたもんだ(笑)。
でも厚いのは量的な厚さだけじゃない。京極堂の機知に富んだ台詞回しや「憑物落とし」など、妙な説得力に気圧されてしまった。
キャラクターの好みでは、僕は京極堂より榎木津のが好きかな。あの自由奔放さが何とも小気味良いね。基本的に皆魅力的だけど。
このシリーズを読むと、京極夏彦の知的レベルの高さが窺える。極めて客観的な視点に豊潤な知識。非常に僕が好きなタイプの作品だ。

[推薦数:1] 2007/08/23 普通の立場コメント [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴 / プロバイダ: 49730 ホスト:49811 ブラウザ: 5234
好きなんです、このシリーズが
リアリティとかどうでもよくって、ただ好きで
通勤の電車で読むために、レンガ本持ち運んじゃうくらい

初めて読んだ頃は前半の京極堂と関口の会話を読めるほどの根気がなくて
「悪ィな学がなくって!!」
と筋肉質な脳みそが悲痛な叫びを上げていました
や、今も頭の出来は同程度ですが、根気がついたんです
そしてしっかり感覚に叩きこむまで読みました
そうしたら…暗がりを直視できなくなりました
何かが見えるようで

2007/06/08 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:184(72%) 普通:34(13%) 悪い:36(14%)] / プロバイダ: 21376 ホスト:21493 ブラウザ: 4665
普通の推理小説だと「ありえねー」と思わざるを得ないようなトリックを、
京極堂の膨大すぎる薀蓄とそれを支えにした長広舌(詭弁?)によって、
「ああ、人間ってのは間違ってしまうものなんだなー」と納得させられてしまうような、
物凄い力業っぷりに脱帽しました。
当時は賛否両論巻き起こったんだろうなぁとか思ったり。
見た目は引くくらい分厚いし中身も陰鬱な話なんですが、
後々レギュラーになる個性的な面々の小気味よいやり取りなど、
キャラクター小説的な読みやすさも随所にあって、
意外なほどすんなり読破できたのは好印象。
とはいえ、さすがに無理のない話だとは思わないし、
同じ京極夏彦なら「巷説百物語」の方がずっと楽しめたので「とても良い」ということで。

それにしても、このシリーズは個々に評価欄があるんですね。
話を忘れないうちに全部評価できるかな・・・。

2006/12/23 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:143(57%) 普通:47(19%) 悪い:60(24%)] / プロバイダ: 3813 ホスト:3717 ブラウザ: 6342
京極堂シリーズ・第1弾

語り手の関口の不可解さや危うさも手伝ってか、中盤辺りで犯人の見当は付いてしまいました・・・が、本作は犯人当てにはさほど重きが置かれていません。真の見所はやはり、民族学、心理学、医学、宗教・・・等々、様々な蘊蓄を語る京極堂の弁舌の冴えでしょう。単語だけ聞くと敬遠してしまいそうなものもありましたが、一般人の関口に分かりやすく噛み砕いて説明するという形で語られるので興味深く読めました。・・しかも単なる知識の披露というワケではなく、全てが事件の解決の為の伏線となっており、ストーリーの構成に無駄がありません。“妖怪"という名の幻想を言葉を以てただの現象としてしまう京極堂の“憑物落とし"によって、伏線が一気に収束するクライマックスはまさに圧巻でした。関口と犯人が対峙するラストも、さながら映画を彷彿とさせる様な美しさで印象的。
定めた独自のルールを破綻させずに、読み手を納得させるだけの論理的な解を提示するという事をデビュー作でやってのけたのは見事の一言。京極堂、榎木津といったキャラクターも非常に魅力的なので、本シリーズも読み進めてみるつもりです。・・・二作目以降の本の分厚さと言ったら相当なものですが(苦笑)。
・・・・・余談ですが、京極夏彦氏と森博嗣氏の作品にはどこか類似性を感じますね。例えば、人は理解出来ない物事に直面すると、曲解してでも仮初の安心感に浸ろうとする・・・等、「人間が如何に固定観念に縛られているか」という事に関する言及は、森作品でも至る所で見られましたし。理系色が強い森作品に対して京極作品は文系的であるという相違点はありますが、根底に流れている類似性が一見堅苦しい本作にすんなりと入り込めた理由の一つかも知れません。
最後に京極堂の口癖・・・もとい、座右の銘を(笑)。

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」

2006/12/01 悪い(-1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2(20%) 普通:0(0%) 悪い:8(80%)] / プロバイダ: 36678 ホスト:36649 ブラウザ: 5944
これはミステリーでは無いなと思った作品ですね。
そもそもミステリーであるというのに謎解きはそれほど重視されていませんし
根っからのミステリーファンとしては何とも物足りない感じでした。
問題点としては展開が強引すぎる、トリックが陳腐すぎる、何となくラストが予想できてしまった、無駄な蘊蓄が多い。
ここですかね。
特に酷いのは二番目。
長々となるので簡単にしか書きませんが、(ネタバレ注意)
「実は二人目の人格が全てやったことなんだよー!!」
「何だってー!!」
「実は三人目の人格が全てやったことなんだよー!!」
「何だってー!!」
謎解きの部分はこれで解決してしまいます。
初めにも記しましたがこれはミステリーではないです。
どちらかと言えば伝奇かな。
まあ文章はそれほど酷い物ではないし伝奇として読めばそれなりに楽しめるから評価は普通に近い「悪い」で。

2006/05/10 良いと思うコメント [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:792(58%) 普通:431(31%) 悪い:147(11%)] / プロバイダ: 18384 ホスト:18446 ブラウザ: 6287
〔 ネタバレあり 〕
再読して結構好きになりましたが、何故ラストで女性を助ける事ができないのかという事については疑問を感じますね。
それは、これが小説だからではないでしょうか。
現実の出来事ならば、もっとドタバタしてしまい、あのように美しくは終わらないと思います。
とはいうものの、最初とラスト両方の文章は特に綺麗で気に入っています。
このシリーズの 「 塗仏の宴 」 までの中では、、私は本作の最初の場面の、関口が京極堂を訪れるところが 1番好きですね。

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2013/03/06 好印象 by (表示スキップ) 投票履歴 / プロバイダ: 44111 ホスト:44018 ブラウザ: 10030 [編集・削除/これだけ表示]
感じた事面白い/悲しい/怖い/びっくり/考えさせられた 
ストーリーとても良い(+2 pnt)
キャラ・設定最高(+3 pnt)

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