[小説]東亰異聞


とうけいいぶん / Toukei ibun
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文学総合点=平均点x評価数237位4,739作品中総合点13 / 偏差値60.32
1994年文学総合点7位78作品中
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作品紹介(あらすじ)

首都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。夜道で辻斬りの所業をはたらく闇御前。さらには人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる……。
(文庫版裏表紙より抜粋)
作者:小野不由美
出版社:新潮社
単行本 1994年4月発行
新潮文庫版 1999年4月発行
日本 開始日:1994/04
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最終変更日:2013/06/15 / 最終変更者:ウクレレ / 提案者:遠野 (更新履歴)
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2008/04/27 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:17(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 9046 ホスト:8943 ブラウザ: 8090
【良い点】
さすが、小野さん!という印象を受けました。
十二国記の後に読んだのですが、相変わらず文の秀逸さは変わっていません。
知識の豊富さがよく分かる作品ですね〜。
ラストシーンはかなり圧巻されました。

【悪い点】
う〜ん・・・「悪い」と言えるような点はないですね。

【総合評価】
文章であれだけの雰囲気が出せるのはすごいと思います。
なので、「最高!」を。

2007/12/29 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:64(77%) 普通:6(7%) 悪い:13(16%)] / プロバイダ: 8142 ホスト:7883 ブラウザ: 7590
小野不由美作品で私が一番好きなのは「東京異聞」です。

どれも甲乙つけがたいんですけど、この作品が一番、小野さんらしいという印象を抱きました。

私の中で小野さんって、この作品の中の、くつくつ笑ってる黒子さんのイメージです。←失礼な。

出だしの、言葉の旋律からシビレました。

怪奇幻想譚と、混在に語られる政治情景。

果たして怪奇なるものは、物の怪か、人間か ?

小野作品はどれも映画化してほしいんですが・・・・・・それもアニメではなく、実写で。

このなんか超絶した作品の手綱を取れるような、器のでかい映画監督なんざ日本にはいないぜ、

と威張っても仕方ない。

その作品の言葉が、生の肉体から発せられ、生の空間に響き渡り、

その世界が眼前に展開することを、これほど望んだ作品はなかったです。

この東京異聞は、ティンカーベルという劇団の、舞台になったそうです。

人間の業の闇。

物の怪の跋扈する闇。

月明かりの夜の闇。

さまざまな闇の色が、豊かな彩で描かれる描写がすごい。

光だと思っていたものが、闇だったり。

クライマックスシーンは、圧巻。

2007/04/14 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:102(68%) 普通:29(19%) 悪い:20(13%)] / プロバイダ: 51058 ホスト:51141 ブラウザ: 6287
皆さん仰る通り、夜の描写が素晴らしい作品です。

文明開化に浮かれる昼の世界と、怪異や異形に対する畏怖が根強く残る夜の世界…混沌とした時代(架空ですが)の空気が
見事に描かれていると思います。
登場人物の会話も小気味よく、今では滅多に感じられなくなってしまった「粋」という言葉を感じさせてくれますね。
幕間の黒子など、とても魅力的です。

ミステリ風味の物語も時代の空気と同じように「不思議なものなど何も無い」という思いと「異形や怪異は存在する」
という思いの間を彷徨うもので、この独特な作品世界構築に一役買っていると思われます。
読んでおいて損は無い作品です。

2007/03/14 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:59(76%) 普通:1(1%) 悪い:18(23%)] / プロバイダ: 29662 ホスト:29503 ブラウザ: 6287
【良い点】
まず作品全体を通して描写がうまい事。特に、夜の描写にはすばらしいものがあったと思います。
首売りや闇御前といった妖怪?も、設定、描写ともに魅力的でした。
伏線の張り方も見事だったと思うし、結末も良かったです。

ただこれはおそらく私だけでしょうが、一番面白いと思ったのが最初の方の色々な妖怪の紹介がされていく所だったんですよね…。
怪談とかそういうのが好きなので、てっきりその類の本だと思ったのが運のつき。
だから次第に謎が解き明かされていっても、あまり面白いと感じられなかったです。
あと、謎解きのところで「妖怪だから入ったまま出てこなくても関係ない」というのはちょっといただけないです。反則ではありませんか?

いくら自分には合わなかったといっても作品としての完成度はかなりのものだと思うので、評価は『良い』とします。
機会があれば、この作者さんの他の小説も読んでみたいと思います。

2006/11/03 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:54(84%) 普通:7(11%) 悪い:3(5%)] / プロバイダ: 8516 ホスト:8658 ブラウザ: 5234
江戸が東京になり、西洋文化がどっと流れ込んできた、そんな時代。
文明開化だと騒いでも、人々の心のなかは変わらない。

ファンタジーではありますが、その危うい時代の心を書ききったのが本作だと思うのです。
もちろんフィクションですけどね。

この世に妖怪などいやしませんよ、という言葉で捜査を始めた新聞記者平河。
捜査を続けながらも揺れ動く心。
文明開化のこの時代に、そんな妖かしなど・・・。
いやいや、もしかしたらやはり、この世には・・・。

子供が夜道を振り返り、振り返り、歩むように探偵を続けた結果得られた安心感。
ほら、やはりこの世には不思議なものなど・・・。

しかし、その安心感は一瞬にして・・・。

この平河の心のゆれ幅が、この時期の社会を描く上で非常に良い味を出していると思うのです。

本作最後の場面の世界観は、押し込められていたモノが復活した結果の世界で、なんとも日本的ではないですか。
すべては混ざり合って、共存してゆく。
和製ファンタジーの傑作だと思います。

ところで、途中まではミステリーだと思ってました。

[推薦数:1] 2005/10/23 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:250(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 7995 ホスト:8083 ブラウザ: 4184
明治改元より30年、架空の帝都「東亰(とうけい)」を舞台に展開する、伝奇ミステリ。

文明開化の名の下に、日々華やかさを増す帝都。そしてその裏側、昏さと妖しさ、艶やかさに満ちた夜の世界。
日中は覆い隠され、夜ともなれば灯火を点して追い払った筈の闇が、徐々にうねり、蠢きはじめる。
ふとしたきっかけで、そこに足を踏み込んだ新聞記者の平河。
その行動を軸に物語は展開し、やがて回りはじめた物語は、昼の者の手を離れ、思わぬ方向へと転がってゆきます。

特筆すべきは、筆者の夜の描写でしょうか。
陽光のない空間、そこに在るモノの存在を、光のもとにあるものよりも鮮やかに表出させる。その筆力は見事。
日が落ち、闇が路地裏を、軒先を、川縁を浸食する――そこに跋扈する火炎魔人、闇御前。人魂売りに首を刎ねる居合い抜き。
得体の知れない魑魅魍魎たちが、背筋をひやりとさせる程に恐ろしく、しかしとても魅力的に描かれています。

幕間における黒子と、文楽人形の遣り取りは、とくに美しい。
人形の衣装など、その豪奢な様が目に浮かぶようです。退廃を感じさせる、虚ろな華やかさ、匂いたつ色香。
二者の遣り取りも、あざとさを感じさせつつも軽妙。
黒子の台詞なども面白い。作品世界の方向性を読者に示しつつ、またぼかしながらも深遠をのぞかせます。
「灯火は畢竟、紛いものでしかない。夜はただ暗いだけじゃないのだからね」
「川面に板を浮かべて蓋するようなものだ。板の上に土を盛って石を敷いて、それで川をなくしたことになるだろうか」
一度読了してから、再度冒頭まで引き返すと、これ以上無いほどに的確な暗喩だったりするのです。

勿論、明治の東亰の雰囲気、雑然とした空気の表現も見事。緻密な舞台設定は、小野不由美の十八番と言っても良いでしょう。
時代背景と入り組んだ人間関係の描写も、それによって発生する感情、思惑、疑惑も、丁寧に描かれています。
終盤部分、謎の一部がほどかれるシーンは、やりきれない程にせつない。惹きつけられます。

因みに、「東亰異聞」は完結した作品である、とは少々とは言い難いです。寧ろ終盤で新たな展開がひろがってゆくものですから。
……続編、もしくはシリーズ化も可能だと、個人的に思っています。いつか、書いてくださらないでしょうか(笑)

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