[小説]天使のナイフ


てんしのないふ / Tenshi no knife
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文学総合点=平均点x評価数530位4,523作品中総合点7 / 偏差値53.96
2005年文学総合点17位158作品中
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作品紹介(あらすじ)

生後五ヶ月の娘の目の前で惨殺された妻・祥子。
夫・桧山貴志は耳を疑った。犯人は、13歳の少年3人。
四年後、犯人の少年の一人が殺され、桧山は疑惑の人となる。
少年たちの事件後を追う桧山に突きつけられた信じがたい事実、恐るべき過去とは。
少年犯罪の恐ろしさと、少年法が影を落とす加害者と被害者の痛切なる感情を描いた作品。
作者:薬丸岳
出版社:講談社
日本 開始日:2005/08/08(月)
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最終変更日:2009/10/20 / 最終変更者:雪霞 / 提案者:アオイ (更新履歴)
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2018/11/17 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2210(57%) 普通:775(20%) 悪い:861(22%)] / プロバイダ: 36627 ホスト:36493 ブラウザ: 9177
江戸川乱歩賞を受賞した薬丸岳のデビュー作。
「少年犯罪によって妻を失った男」を主役に置き、その犯人少年が殺された事件の犯人を追うストーリー。
しかし、主人公の中に存在する私怨が当初は一般論的に「少年法のせいで犯人が裁かれない」といった怒りだったのが、徐々に様々な意見を経てその方向が変わっていくのが一番の軸でしょうね。
少年法について様々な資料を参照した形跡が確かにあり、現在も根本的な見直しがされているとは言えない「少年法の決定的な問題」を突き付けたのが本作でした。

まあ、単純にミステリ作品としても抜群の面白さだと思います。
「憎んでいる相手を殺した犯人を追う」というのもそうですが、その相手が「果たして更正していたのか?どんな背景にあったのか?」という、被害者遺族が知らされない事実さえもミステリーの軸に組み込んでいる。
要するに、物語は「今の事件の調査」と同時に、今の事件の被害者が起こした「過去の事件の調査」に、両事件を結ぶ当事者が負っていく構成なんですよね。そこがちょっと、「その発想はあった」状態だったんですが、それを踏まえて面白かったです。
しかしながら、犯人を追っていくうちに辿る少年の保護施設なんかでは、「本当に更正しているのかどうか」といった肝心なところを知らされない。知らされないというだけではなく、保護施設の人間とも話が噛み合わない。少年法における遺族の立場の弱さまで描いているんですよねコレ。

ただ、ポイントは、「少年法という法律自体は悪法ではない」という視点と根拠もいくつか提示され、主人公には強い「主観」があるけれど、客観的に見れば「中立」を示されるところです。
現状運用されている少年法が批判されるべき最大の理由は、「少年法によって少年少女は厳罰を免れる」からではなく、「償わせる方法の中に被害者に感情を向ける時間がなく、人生で得られなかった愛情やらを与える時間ばかり」といった無意味さのほうを突いていたり、「被害者遺族が一切、自分の大事な人を奪った人間のパーソナルデータを知れない」という冷酷さのほうを突いているんですよね。
まあ、最近、これを書く切欠になった女子高生コンクリート殺人事件の犯人が再犯に及んだようなんですけれど、その辺も最大級に問題だったのは、償い方を教えるワケでも何でもないあやふやで外に出る感じがいけないんでしょうね(もはや当人たちさえも死刑の方が精神的に望ましかったんじゃないかとさえ)。

主人公サイドの視点がなかなか「被害者側」としての意識が強まってしまっているために難しかった問題が、終盤でかなり意外な形でただの「被害者側」にならなくなっていく。
そんなどんでん返しも、ミステリーとしての意外性と、少年犯罪をテーマに持ってきた事に対する誠実さを感じさせます。
最初に乱歩賞で引いた作品がちょっとアレだったので疑ってたんですが、東野圭吾や野沢尚に続いてこの人の作品も良かったですわ。
評価は「とても良い」でお願いします。

2009/09/18 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:881(67%) 普通:182(14%) 悪い:257(19%)] / プロバイダ: 12010 ホスト:12222 ブラウザ: 10007
いや、これは面白かったです。ネタバレ厳禁の内容なので、あまり深くは言えませんが、評価を。

被害者側の立場の視点から描かれる少年法への疑問を背景に、鬼籍に入った愛する妻の隠された死の謎を探求する主人公の姿を通し、真の贖罪、更生とは何かを訴えている。

いちサスペンス作品としても上質で、『こいつ怪しいな』、と思う登場人物には、良くも悪くも裏切りがあり、特に終盤は、序盤・中盤からたまりにたまった伏線・謎が次々に解明されていくので、目が離せなくなります。

シリアスなテーマを扱ってはいるものの、+良質なサスペンス要素を巧妙に絡ませていることで、下手に説教くさくならずに作品を仕立て上げている構成は実に秀逸です。

文庫本も出ていますので、がっつり小説を読みたい方にはお勧めです。

2007/01/19 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:45(62%) 普通:12(16%) 悪い:16(22%)] / プロバイダ: 52822 ホスト:52894 ブラウザ: 4184
遺族は、名も顔も何一つ知ることができない少年犯罪の問題点を鋭く描いた作品。

全体的な感想としては、もう少しボリュームがあっても良かったと思いました。
視点も、書き方も、登場人物も素晴らしいと感じましたが、小奇麗にまとめすぎている気がします。
この手の物語で、人間の吐息が聞こえてくるような上手い小説をホームビデオとするなら、今作はドキュメンタリー。わかりやすく編集された、第三者のストーリーという雰囲気が拭えなかったです。
もっと人間くさく、もっともっと日常を書いて欲しかったです。

2006/11/05 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:792(58%) 普通:431(31%) 悪い:147(11%)] / プロバイダ: 18384 ホスト:18446 ブラウザ: 6287
第51回江戸川乱歩賞受賞作。
少年犯罪といった、題材はいかにも今時の物を扱った作品と最初は思いましたが、
主人公が少年に妻を殺された事がある男というのと、少年法そのものに疑問を感じている私には感情移入がしやすかったです。

リアリティがあるので、読んでいて辛くなる事もありますが、後味が良いので、非常に楽しめました。
設定が凄いとか、そのような作品ではありませんが、しみじみと心に残る物だったのは良かったです。

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記事日時:2007/06/15

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