[小説]ロッキン・ホース・バレリーナ


Rocking Horse Ballerina
RSS
文学総合点=平均点x評価数4,387位4,548作品中総合点-3 / 偏差値43.39
2004年文学総合点171位180作品中
評価統計
評価分布
自分も評価投稿する
属性投票する
作者:大槻ケンヂ
イラスト:浅田弘幸
出版社:メディアファクトリー 角川書店
日本 開始日:2004/07
4,02022
最近の閲覧数
1000111000
この作品を文学として最高の中の最高と投票した方はまだいません。
(階位と権限/特典の関係の説明)
最終変更日:2014/01/18 / 最終変更者:永田 / 提案者:あっちゃん (更新履歴)
  投稿の系統で絞込
この評価板内限定
2014/06/17 悪い(-1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:494(44%) 普通:197(18%) 悪い:428(38%)] / プロバイダ: 45203 ホスト:45060 ブラウザ: 10201
メンヘラ●ッチの町子と売れかけバンドマンたちの話
文章に作者の色が出すぎていてあんまり好きにはなれなかった
内容も〆のところの言い回しというかまとめかたが微妙

そして何よりこういう馬鹿やってる社会の底辺の話ってそんなに好きじゃない

【総合評価】
評価は悪い
若者にはウケそう(私も若者だけどw)

2008/08/21 とても悪い(-2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:269(37%) 普通:160(22%) 悪い:305(42%)] / プロバイダ: 5473 ホスト:5279 ブラウザ: 7395
大槻ケンヂ氏による、パンクロックを題材とした青春小説。舞台裏やメンバーの懊悩など、ロックバンドの地味な部分を表現することを主眼とし(作者談)、そのサイドストーリーとしてグルーピーとバンドマンの恋愛模様、落ちぶれた元ロッカーの葛藤を描いている。

そんな本作を一読して抱いた自分の印象は…あの清々しいラストとは裏腹な、湿ったものだった。その湿り気の正体は、一見して明るいこの作品から感じられてならない、「女性に対するコンプレックス」だ(以下、非常に子供っぽい文章になってます、申し訳ございません)。

本作に登場する男性と女性を比べてみると、嫌になるほどその差が表れている。
20間近の少年少女に注目すると、現実に対峙するまで悩みすら知らないバンド野朗共に対し、町子は老獪にして博識、現実認識もしっかりしている。耕助が抱えるトラウマという「砦」にしても、町子のそれの方が遥かに深刻だ。
40間近のオヤジたちにしても、金だ夢だ何だと振り回され続けている矮小な男性陣に対し、珠世という女性は非常に屈強で、しかも慈愛と貫禄を併せ持つ。バンドで失敗したことから来る懊悩を一番、現実的に受け止めているのも珠世だ。
町子は小悪魔的な役回りでバンドメンバーを翻弄する、珠世は人生経験から道を示す、といった風に、役割に違いはあるけれど、本作からは常に「男性が女性の手の上で踊らされている」ような不快感が漂っていた。それはそうだろう。町子の苦悩はバンド野朗たちのそれとは桁外れだし、同じような憂き目に遭った中年組にしても、その境遇で最も気丈に生きているのは珠世、即ち不等号(というより集合)の関係が明確化されているのだから。また、バンドマンたちが異様にバカなのも、彼らに賢三並みの思考回路があったら、町子へのコンプレックスを喚起させてしまい、物語を暗くしてしまう危険性があるが故に、設定の段階で彼らから考える資質を奪ったからだと思えてしまう。
そして、あの悪女のような町子を説得できたのが珠世しかいない、ということが、本作の性別の位置づけを如実に物語っているのではないだろうか。

このような描き方をすれば、男性は立場が低く、女性によって諭されるべき存在だと思えて仕方ないのだが、これは「僻み」の結果であるように見えた。僻みを正当化する為にわざと自虐する、あの心理と共通したものを、本作から感じ取らずにはいられなかった。丁度、「グミチョコ」の美甘子が女優への階段をのぼる過程で、全てを超越した魔女になっていく様子を泣きながら見つめることしか出来ない賢三と、共通したものを…
だから、本作の半ば暴走気味とも言える弾け方や、ロックに対する愛情ゆえの(ように見える)快活さは、現実的には女性の方が強くて賢い、それはどうしても覆らない真理だ、というネガティヴな諦念が根底にあるが故の誤魔化しように思える。そして、弾けてみせ、ロック魂を語り、「勝者も敗者も存在しない、比べる必要なんてない」と叫ぶことは、このままではあまりに惨めだから、彼女たちとは別の土俵を無理矢理用意したという、悪足掻きのように感じられるのだ。

ギャグを散りばめて明るく纏め上げてはいても、斯様に圧倒的な「差」を見せ付けられると、バランスが悪く感じられる。そして、本当は泣きたくて堪らないくせに、無理矢理に笑顔を作って明るく振舞っているかのような、ぎこちなさが付き纏う。
そう感じられた自分は、男性の超越者を一人、本作にも用意すべきだったと思う。フィクションに於けるキャラのバランスは、平均値で劣っていても最大値によってある程度の差を埋められるものだし、そのことによってバランスが取れると、本作はもっと溌剌とできたかも知れないと考えてしまうから。それに、悲しいくらいに幼稚な男性に対し、男性の立場から「オマエら、シャンとしろや」と言う方が、(とりわけ女性に「何さ偉そうに」と言いたくなることしきりな本作の中にあっては)納得しやすいだろうから…

バカな少年は少し成長し、傷を抱えた少女は救われ、落ちぶれ中年は輝きを取り戻す…一個の小説としては、確かにいい話ではある。悪玉が弾圧され、善悪含めてそれぞれの道を見出すことで、カタルシスも齎される。また、異なるテーマを自然に調理して見せた、作者の筆力の素晴らしさも健在だ。
しかし、自分には本作の根底に流れているとしか思えないコンプレックスを感じられてならなかったので(自分のそれも非常に強い)、読んでいても弾けきれていない印象を抱かせられたし、何よりめでたしめでたしなラストにも関らず、読後感が湿ったものとなった。これでは、ロックを媒介にした作品のテーマを感じる余裕など、自分に持てる筈がなかった。
だから、自分から見た本作は、「人にオススメする分には決して悪くない(グレードの低い作品ではない)、けれど、自分自身は到底受け入れられない」という、微妙な立ち位置にある作品なのだ。

以上の理由と感想から、自分の本作に対する評価は「悪い」寄りの「とても悪い」とさせていただきたい。

この評価板に投稿する





作品の評価またはコメントの投稿欄
お名前 <=サイト内では一つのHNで。複数のHN使用は投稿全削除&アク禁対象です。実名ではないHNをお勧めしてます
この作品に対する評価文またはコメント文(丁寧な文面を心掛けて下さい)
※↑のボタンは評価のテンプレート[=形式例]を消すのに使って下さい
[コメント(?)]
良いと思う 普通と思う 悪いと思う
ルール違反の書き込みでなければ=>
↑上へ