[小説]玩具修理者


がんぐしゅうりしゃ / Gangu Shuurisha
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注意: これは文学版。その他メディアのページ: 日本映画:玩具修理者
文学総合点=平均点x評価数1,710位4,631作品中総合点2 / 偏差値48.49
1996年文学総合点44位96作品中
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作品紹介(あらすじ)

喫茶店で会話する2人の男女。女は奇妙な思い出を語りだす。

彼女がまだ幼い頃、近所に住んでいたという玩具修理者は、大人たちは誰も知らず、子供たちだけが知っている秘密の存在。玩具修理者は頼めばどんなおもちゃでも直してくれる。人形や車のおもちゃ、はては複雑なゲームソフトまでも……。親が恐い子供たちは、壊したおもちゃをこっそり玩具修理者のところに持っていくのだった。

ある日、彼女は誤って弟を死なせてしまう。「怒られる!」と直感した幼い彼女の脳裏に玩具修理者のことがよぎる……。

※ このあらすじ部分にはWikipediaを参考/または引用した部分があり、GFDLのラインスが適用されます。
著者:小林泰三
出版社:角川書店
著者のデビュー作であり、第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した。
※ この説明部分にはWikipediaを参考/または引用した部分があり、GFDLのラインスが適用されます。
日本 開始日:1996/04
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最終変更日:2018/10/12 / 最終変更者:mosukuwa / 提案者:管理人さん (更新履歴)
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[推薦数:1] 2018/11/13 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2199(58%) 普通:765(20%) 悪い:853(22%)] / プロバイダ: 36627 ホスト:36493 ブラウザ: 9177
グロテスクなホラー作品を得意とする小林泰三のデビュー作ですね。
クトゥルー神話などに傾倒する、いわば「中二病」型のホラー作家だと思うのですが、人体構造などを詳細に書いている分だけそのグロテスクの要素は実感を伴い、筆力は相当であるといえる部類でした。
後々のウルトラ作品の描き方には懐疑的であるものの、単一のホラーとして見る分には、この「誰しもが考えるお約束の世界」にリアリティを乗せる事においては、後の「アルファ・オメガ」なども含めて素晴らしい作家であると思います。

まあ、その最も有名な作品はやはり本作なのでしょうが、『玩具修理者』はそのカルトチックな世界観と、最後の一文がホラーとしての王道を往ったところが評価点だったんでしょうね。
ひらがなで書かれる事が怖さを引き立てる事だとか、シンプルに「玩具を修理できる謎の存在が人体さえも修理した」という事だとか、死体から修繕された人間は人間といえるのかといった哲学的な問いかけを描いた事とか、ホラーとしては様々な王道と異端とが混ぜ込まれていると思います。
とりわけ、後々にSF作家として評価される時点に繋がるような「定義づけ」の問題に踏み込む事がオチに繋がっていく構成は見事だったでしょう。
あの工程を一度挟むか否かで、本作が凡庸な一作になるか、悪酔いのような後味を感じさせる一作になるかが分けられているのかと思います。

もう一作、『酔歩する男』という不死やタイムトラベルを描いた作品もありましたが、こちらも主役をゲシュタルト崩壊させていく過程が丁寧でもあり、なかなか恐ろしさを感じさせる流れであったと思います。
複雑ではあるものの、「その感覚を楽しむ」というか、もはや一つの文章として理解する事を捨てさせる(そこまで熱量を持って見る事にならない)という作風ではありましたが、そこにまた面白さがあるタイプの文学でした。
こちらも、「発想自体はある」けれど、そこをここまで丁寧に描くのはちょっと無理かなと思うくらいの格差を感じさせた作品だったでしょうね。

評価は「良い」です。
デビュー作から今までほとんど「同じ作家」は現れえないような作家ではあったと思います。
一方で、『アルファ・オメガ』のように、特定シリーズをオマージュして自作するのはともかく、『ウルトラマンF』のように完全にそのシリーズの名前やキャラクターを借りるには向いていないくらい、世界観が確立されているのでしょうね……。

2010/05/11 普通(+0 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:792(58%) 普通:431(31%) 悪い:147(11%)] / プロバイダ: 11662 ホスト:11687 ブラウザ: 7458
「 ぬわいえいるれいとほうてぃーぷ 」 って、
どういう意味なのでしょうか …… ?
再読しましたが、前回同様、私にはいまひとつでした。

【良い点】
雰囲気は、それなりにあるように感じました。

【イマイチな点】
リアリティーを感じないことでしょうか。
ホラーだから関係ないとおっしゃる方もいるでしょうが、
実際問題として、 〔 アリエナイ感 〕 がわいてくるのですね。

「 玩具修理者 」 も 「 酔歩する男 」 も、オチが想像できるものだったのは、
残念でした。
結局、この後どうなるの ? という思いが拭えません。
玩具修理者が何者なのか、私は知りたいのですが …… 。

【総合評価】
「 酔歩 … 」 の時間跳躍に関しては、高畑京一郎氏の 「 タイムリープ 」 などもありますが、
そちらの方が遥かに分かりやすいです。
「 酔歩 … 」 は医学面でついていけませんでした。

決して面白くないわけではないのですが、どちらも最後が物足りないという印象で、
「 良い 」 に近い 「 普通 」 とします。

[推薦数:1] 2010/04/23 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:91(97%) 普通:3(3%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 390 ホスト:468 ブラウザ: 9671
「ぬわいえいるれいとほうてぃーぷ!! もうなのか!?」

【せつめいしょ】
ホラー小説の本作は、短編の「玩具修理者」と長編の「酔歩する男」の二部構成になっています。短編の「玩具修理者」は、内容がわかりやすくて読むのが簡単なので、適度に繰り返し読むにはちょうどいいです。長さもせいぜい40ページくらいなので、小学生あたりにでも読もうと思えばすんなり読める雰囲気があります。それなりに奇怪っぽさはありますが。
長編の「酔歩する男」は、医療や科学系の専門用語がときどき目に映る (それなりにくどい部分があるので、自分はときどきリーディングハイジャンプした) うえに、展開がかなり複雑ということもあり、「玩具修理者」に比べると、初めて読む際には理解に悩まされる傾向が強いですが、慣れればそれなりに味が出てくると思います。ここではあえて具体的に述べませんが、玩具修理者では「生物と無生物」、酔歩する男では「永遠」が背景として描かれています。ちなみに、それぞれの内容には特につながりはないです。ホラー小説とはありますが、本作は単に怖いというよりも、むしろいろいろなことを考えさせられるような内容になっていると思います。一応解説はこんなかんじです。



「てぃーきーらいらい。…これを、どう、する? どう、したい? …てぃーきーらいらい」

…人って何? 生きものでいいの? それとも巧妙な機械なの? はたまた別の何かなの? わたしは子どもだから、そんなこと、よくわからない。
玩具修理者、いや、「ようぐそうとほうとふ」は、何でもなおしてくれる。文字通りのおもちゃもそうだけど、まさか、まさかあんなものまで「なおしちゃう」なんて。
しかも、何度でも解体しては、何度でも作り上げちゃうんだからね、あっさりと。ほんと、なんどでも。
そして、大人にはわからない存在。
これって何か、意味でもあるのかな?

もしも人が機械だとすれば、何でそうなるんだろう?
そもそも本当にそうだとすれば、人って生きものじゃなくなるのかもしれない。
実際に、何かに長けている人を目の当たりにしたときに、「この人、あの人って、機械みたいな人間だなあ」なんて思ったことがあったっけ。
じゃあ、生きものと機械って、どこがどう違うんだろう。というより、どうやって分けるんだろう。
…たまに、機械のことを無生物って言う人がいるみたいだけれど、わからなくなりそうだから、やっぱり機械のままでいいや。

動くものと動かないもの… じゃあ、人でも車でも動くよね。
しゃべるものとそうでないもの… 人はいいとして、カーナビとかはどうなるんだろう。人の中には手話を使って生きている人もいるくらいだから、これも違うような気がする。
放っておくと近いうちに形が崩れるもの… 人は何かを食べないと死んじゃうし、機械も人よりは形を長く保つだろうけど、さびたりすると何年後かに必ずぼろぼろになるよね…。永遠では、ないよね。

…ぬくもりがあるかどうか…

これじゃないのかな、何となくだけど。
だって、動物は一目見てかわいいと思ったり、人は他の人に叩かれるのを見たりすると、胸がしめつけられる感じになるはずだよね?
でも機械は叩いても泣いたりしないし、触っても冷たいし、あと植物みたいに世話をしたいとも思わないし、家族や友だちとも思ったりしないし…。
そうだよね? きっと。これが生きものと機械との違いで、そうなれば人も生きものってことで話が…


…そういえば以前ロボットが出てくる映画を見て泣いたことは関係しているんだろうか。

…どこにあるんだろう、生物と無生物の境界って。何なんだろう、生物と無生物って。
ただはっきりしないだけなのに、わたしが子どもだからなのか、気分が悪くなってきた。



気分転換に
さっきわたしが言っていた「永遠」について、今度はいろいろ考えてみようかと思う。



永遠ってあこがれる。子どものわたしにとっては特に。
だって、ほとんどの物事って、始まったときよりも、終わっちゃったときのほうが心に残るし
しかもそれは悲しかったり、胸にぽっかり穴が空いたようになったり、なんだか沈んだ感じばっかりだから、あまり好きじゃない。
でも永遠なら飽きることはあったとしても、悲しむことはないと思うから、やっぱりあこがれる。
何より、永遠って、時間を支配した気になれるから。
タイムトリップっていうのかな?
わたしはむしろ楽しさのほうが多くなるんじゃないかと思う。

…だけど
わたしは知ってしまった
永遠が、本当は人にとって、最もおそろしいものなんだって。

永遠に取りつかれた人は、永遠に永遠を体感しないといけなくて
その間に周りの景色とか友だちとかは、いろいろ変わっちゃって
ついには自分自身が何であるのかすら、永遠にわからなくなっちゃうんだ。
その永遠をさまようことを、誰かが難しい言葉か何かで言い換えていたと思うんだけれど
…思い出したくないな……もう…。
生きものと機械の話のときよりも、頭が重くなってきた…。



わたしみたいな子どもにとっては、はっきりしないことって、いろいろと毒なんだと思う。
でも
わたしはこの毒がそのうち好きになるような気がする。
毒の成分なんてどうでもいい。
っていうより、わかる気がしない。
だけど
そういったことがいつまでもわかることがないからこそ、世の中って面白いのかもしれない。
…こんなことを考えるわたしって、すでに毒がまわっちゃってるのかも。
あれ、歯車がずれてるっていうんだっけ。
そうなんでしょう? ようぐそうとほうとふ。

「ぬわいえいるれいとほうてぃーぷ!! まだなのか!?」

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