[アニメ]蒼き流星SPTレイズナー: 2019/09/12 霧の童話


あおきりゅうせいえすぴーてぃーれいずなー / Blue Shooting Star SPT Layzner(Aoki Ryusei SPT Layzner)
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当時の東西両陣営に因るキナ臭い軍拡競争を宇宙的規模へと広げた現実味あふれる世界観に、「異星人主人公」「宇宙からの侵略者」という往年のスーパーロボット的要素を付与する事で意外な面白さを発揮するに至った、高橋良輔監督の所謂「リアルロボット作品」第4弾。
オーソドックスな展開ながら手堅く纏められているリアリティ重視の第1部と、個性的な新キャラ & 新メカの導入で「外連味」が増したエンタメ趣向の第2部…てな具合に両極端な作風の違いが何かと語り草に成っている『レイズナー』ですが、リアルタイムで鑑賞していた立場からすれば1部・2部ともに面白く、結論から言っちゃうと数有るサンライズ産ロボットアニメの中でも上位に喰い込む程の愛着を抱いてます。
再鑑賞時は全38話をイッキ観する作業が全く苦に成らず、寧ろディスクを入れ替える行為自体に煩わしさを覚えるほど続きが気に成ったンですが、1話ごとのエピに対する集中力の度合いで言えば、高橋監督の代表作たる『装甲騎兵ボトムズ』すら凌駕しちゃってるのかも…。

先ずは何と言っても第1話、物語の全体像を暈したまま火星での惨劇を突き放した視点で描き、最後の最後に主人公たるアルバトロ・ナル・エイジ・アスカの「代名詞」とも言うべき名台詞「僕の名はエイジ…地球は狙われている ! 」で〆る構成の妙に痺れ捲くりでした。
よもや「リアルロボット」のカテゴリに属する作品で、「♪地球が地球が大ピンチ」的な台詞を聞く事に成るとは…当時ですら頭打ち状態に有ったリアルロボット作品に於いて此の台詞を聞いた途端、或る種の「光明」というか「突破口」めいたものを感じ、其れからはオンエアを心待ちにするように成った事を思い出します。何れにせよ、「掴み」としては充分過ぎる程「オッケー」だったと言えるでしょう。

以降、第1部は「東西両陣営に因る愚かしき軍拡競争の『ツケ』を、年端も行かぬ少年少女達が清算する」という構図の下、主人公エイジと彼を取り巻く少年少女達との「絆の構築」にウェイトを置いて展開していきますが、個人的には第1部って「東西冷戦のカリカチュア」以上に「変則的な学園ドラマ」という印象が極めて強かったンですよね。取り分け、エイジに苛烈なまでの敵愾心を抱くデビッド・ラザフォードが、少しずつ彼との距離を縮めていく過程にこそ「学園ドラマ」としての面白みが横溢していたンじゃあ無いかと。
所謂「青春の殴り合い」のみで状況を好転させず、「アーマス・ゲイルの救助要請」「SPTを駆った共闘」…と言った具合に、デビッドの蟠りが消えていく経緯を丹念に描き続けたからこそ第10話での「エイジ」呼びが感動的に映り、其の後の「マブダチ関係」も微笑ましく思える訳で。
現実主義者ながら臨機応変に物事を捉えられる「生徒会長」ロアン・デミトリッヒ、随所で見せるヘタレ振りが却って共感を呼ぶパシリ…もとい「ムードメーカー」アーサー・カミングスJr.、斜に構えたシニカルな佇まいで他者を観察する「お嬢様」シモーヌ・ルフラン、唯一の大人として少年少女達を護るべく孤軍奮闘する「女教師」エリザベス・クレブリー、そして最年少ゆえの無垢な視点で生還までの道程を追想する「クラス委員」アンナ・ステファニー…「不良少年」たるデビッド以外の面々に関する立ち位置も「学園ドラマ」に準える事が可能な辺り、本作の取っ付き易さを証左するものだったのかも知れませんね。そういや初代『機動戦士ガンダム』のホワイトベースも、「問題児」と「優等生」とがバランス良く振り分けられた「学び舎」として捉える事が出来るよなあw

其の反面「ロボットアニメ」としては当初、エイジの「不殺主義」のお陰でレイズナーが防戦一方の戦闘スタイルに徹していた事も有り、雑魚にすら梃子摺る消極的な戦いの数々を見て歯痒さを感じていたのが正直なところなンですが、エイジすら把握していなかった第2のOS「フォロン」の存在や、其のフォロンに因って必殺技(敢えてこう書く)「V-MAX」の使用権がエイジへと委ねられて以降、俄然面白味を増し始めましたね。
「レイ、V-MAX発動 ! 」「Ready!」のシャウト後、ゲッタードラゴンの「シャインスパーク」とコン・バトラーVの「超電磁スピン」を融合させたかの如き演出で全身にエネルギーを纏い、天駆けるレイズナーの勇姿は専用BGM込みで何べん観返しても燃えますわ。
一方、敵役たるグラドス軍のSPT描写に関しては無人機スカルガンナーの演出がズバ抜けてましたね。ぶっちゃけ、当時ブームを巻き起こしていた『ターミネーター(無印)』の影響を受けている事は否めないンですが、物陰に隠れている人間目掛けてレーザーサイトの光を照射しつつ迫りくる様は緊張感が半端無く、冷徹な「無人機」という設定の妙も相俟って久々に巨大ロボットの「怖さ」を実感させてくれました。遠隔操作で破壊された機体をコントロール可能という反則的な機能も、「機械のゾンビ」的なエゲツなさが有ってナイスです。

さて、衝撃的なレイズナーの「特攻」を以って幕を下ろした第1部から3年後、「グラドス軍に因って地球が占領済み」という此れまた衝撃的な設定で再開された第2部は、何かと某『世紀末救世主伝説』に喩えられるのが「アレ」なんですが、もとより「独裁政権に対するレジスタンスの抵抗」という基本プロットが肌に合う事や、新たに「人々の希望の象徴」としてのキャラ付けを施された(端的に言えば「スーパーロボット化」した)レイズナーが更に魅力を増している事も有って、個人的には第2部の方に愛着が有りますね。

精悍さのみならず「策士」としての顔も覗かせるなど心身ともに成長したエイジ、「恋する乙女」故の健気さと強さを具えるに至ったアンナをはじめ、第1部から続投のレギュラー陣は総じて3年前とは異なる魅力を放っており、第29話に於ける同窓会なんざ旧友の近況報告を聞かされているかのような嬉しさが有って、鑑賞中はニヤニヤさせられっぱなしでしたわ。贅肉が目立つように成ったアーサーがイイ味出してンだよなあw
そんな中でも、特に興味を惹かれたのがグラドスの「長」たるグレスコ閣下のイメチェン振りですね。第1部でこそ「絶対権力者」としての威厳に満ちていたグレスコが、第2部では「縁側で猫を抱きつつ日向ぼっこに興じている御隠居」の如く、嘗ての険が取れ柔和な雰囲気を醸し出すように成っちゃった訳ですから。息子のル・カイン曰く「地球文化に毒された結果」との事ですが、変心に至る過程が描かれずじまいだったのは何とも口惜しい…。

物語的には、既存のリアルロボットもの(特に富野由悠季監督作品)なら回避するであろう「特撮ヒーロー的シチュ」を積極的に取り入れた第33 & 34話が印象的でしたね。まあ此れは、あたくしが「特撮ヒーロー好き」という個人的嗜好も影響してるンですがw
第33話は「死鬼隊に因ってV-MAXが使えぬ閉鎖空間へと閉じ込められ、3対1の苦戦を強いられるレイズナー」てなプロット自体この上無く燃えるンですが、冒頭でV-MAXの映像データを分析する死鬼隊の遣り取りが、まんま「本郷猛の変身データを解析するヒルカメレオン」を彷彿とさせて思わず顔が綻んじゃうンですわ。そういや、何気に「敵を特定の場所に閉じ込める」シチュも同じだw
続く第34話は冒頭のゲティ粛清シーンが象徴するように「ホラー濃度全開」の演出が楽しく、取り分け廃屋内を逃げ惑うアンナの窮地を描いたクライマックスは完全に『13日の某』的ノリで、暫し本作が「リアルロボットアニメ」である事を忘れさせる程でしたw 散々到着のタイミングを遅らせて視聴者の気を揉んだ分だけ、満を持して救出に駆けつけたエイジのヒーロー性が通常回より倍増しで際立つのは言わずもがな。

…てな感じで随所に見受けられる「外連味」が最大の魅力と成っている第2部ですが、同時に問題点も第2部の方に集中しちゃってるンですよね。
中でも、ホントに「超展開」といった趣で第37話以降のストーリーを盛大に端折りつつ、強化型レイズナーをはじめとする新型SPTや裏切者ロアンの真意、グラドスの刻印発動などの重大要素を「断片的」に見せて幕を閉じた最終回は、其の慌しさも含め本作を語る上で避けられない最大のネックである事に相違無いンですが、飽くまでも完結編たるOVAへの「予告編」でしか無いと捉えている自分からすれば、不本意な形で幕を引かざるを得なかった高橋監督の不憫さを労いたく成っちゃうンですわ。無論、褒められた遣り方では無いですがね。
個人的には第35話でエイジ達との「呉越同舟」的なエピを与えられた事に因り、エジール・カルラの地球人に対する価値観が変わるか否か注目していたんですが、肩透かしを喰らう結果に終わったのが何とも残念でした…って、寧ろ此の点はOVAの方で語るべきなのかな ?
第32話のサブタイトル「ああ、ゴステロ」が象徴するように、制作サイドが些かゴステロをウケ狙い前提で弄繰り回し過ぎている点にも疑問を覚えますね。

何れにせよ、本来なら「最高 ! 」レベルを与えられるだけのポテンシャルを秘めていた作品が、スポンサー様の手前勝手な「気紛れ」に翻弄される形で中途半端な幕引きを迎えてしまった事には非常に憤りを覚えます(当時のアニメ誌には、途中降板しやがった某スポンサーに対するファンからの呪詛が掲載されてましたね)。「視聴率的には悪くなかった」てな話を聞くと尚更ですわ。
評価的には「最高 ! 」寄りの「とても良い」ですが、若干「残念賞」ぽいニュアンスが含まれてるのは否めないかも…(汗



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